自動販売機オーナーの年収は?


 日本は『自販機大国』と呼ばれており、日本全国に400万台以上の自動販売機があります。

 これは、コンビニの5万店舗と比べても桁違いの多さです。


 それでは自動販売機オーナーの年収はどれくらいになるのでしょうか。

 自動販売機オーナーの年収は設置している自動販売機の量や場所によって大きく変わりますが、自分で商品を補充する方法なら1台あたり月1~2万円の利益が残ります。

 よって、自動販売機1台に対する年収は12~24万円

 自動販売機を10台設置しているオーナーなら年収120~240万円となります。


 今回はそんな自販機ビジネスの基本から、儲かる方法までを丁寧に解説します。


自動販売機の利益と2種類のオペレーション


 自販機ビジネスには大きく分けて2通りのビジネスモデルがあります。

 全部業者に丸投げするフルオペレーションと、自分で補充などを行うセミオペレーションの2種類です。


 フルオペレーションの場合は、商品の補充や入れ替えなどを業者が行ってくれる代わりに1本売れるごとにマージンを取られます。

 セミオペレーションなら、マージンは発生しませんが、商品の仕入れから補充まで自分で行う必要があります。


フルオペレーションの利益

 フルオペレーションの場合は、1本あたり10〜20円くらいが利益として残ります。

 例えば1日20本、月に600本売れ、1本あたり10円の利益の場合月に6000円の収入になります。


 しかし、ここから電気代が引かれます。古いタイプだと月7000円、新しい節電式だと月3000円くらいです。


 つまり、1日20本ではよくてかろうじて黒字、悪いと赤字になりますね。

 1日20本売るのはなかなか大変そうなので、これで儲けるのは難しいかもしれません。


セミオペレーションの利益

 一方で自分で仕入れから補充、清掃までを行うセミオペレーションの場合はどうでしょう。

 こちらはマージンを取られない為、単純に『販売価格-仕入れ値=利益』となります。


 仕入れサイトやスーパー、ドラッグストアでは350ml缶を約50円で仕入れることが出来ます。

 それを100円で売る場合、100-50=50円が利益になります。

 先ほどと同様に1日20本で月30,000円の利益。ここから同じく電気代3000~7000円を引くと、手元に2万円ほどの利益が残ります。


 これなら自販機ビジネスで儲けることが出来ます。


自動販売機の設置費用


本体代

 フルオペレーションの場合、自販機本体をリースすることが出来ますが、セミオペレーションの場合は、自販機本体を自分で購入する必要があります。

 自販機は新品だと100万円以上。中古でも20~30万円はします。

 100万円を稼ぐとなると、利益の大きいセミオペレーションの場合でも、3万本くらい売らないと回収出来ないので、ぜひ安くて品質の良い中古自販機を手に入れたいですね。


土地代

 そしてもう一つ、土地の問題もあります。自宅の軒先でやるなら土地代は0円ですが、そんな立地に恵まれている方がまれですので、土地を借りる事になります。

 土地を借りる場合の相場は1台あたり月1万円が相場のようです。


自動販売機の幅や高さ


 自販機を設置するには一定のスペースが必要です。

 『横幅110 cm×奥行き70 cm×高さ200 cm』のスペースがあれば、一番スタンダードな30種類タイプの自販機を設置可能です。

 以外なことに新聞紙1枚を広げられるスペースがあれば、自動販売機は設置可能です。


儲かる自動販売機の設置場所


 自販機の儲かる設置場所は、人通りの多い所です。

 人通りの多い通り沿いや、商店の前工場や事務所の内部など、人が多い所に自販機を設置すると利益を上げやすいです。


 反対に利益が上げにくいのは、自動販売機の乱立地住宅街です。

 特に奥まった住宅街では、潜在的な顧客が近隣10世帯しかいないということにもなりかねません。


他の土地活用と併用する

 自販機の運用方法で一番多いのが、コインランドリーやコインパーキングなど、他の土地活用と併用するパターンです。

 コインランドリーの中に自動販売機があれば、『洗濯が終わるより5分早く着いてしまったからジュースを飲んで待っていよう。』とついで買いが発生します。 

 また、コインランドリー運営も、自販機があるという付加価値が生まれ、近隣のライバルと差別化を図ることが出来ます。





自動販売機の3つの種類


種類1:飲料自販機

 最も設置台数が多くこれから自動販売機ビジネスを始めようと考えている人がまず候補に上げるべきなのが飲料系の自動販売機です。

 飲料自販機のメリットは、賞味期限が長く廃棄ロスが少ないことと、老若男女問わず売れることです。

 特別な事情が無い限りは、この飲料自販機を設置しましょう。


種類2:食べ物自販機

 冷凍食品を販売する自販機も日本各地に点在しています。

 食べ物自販機のメリットは、単価の高さです。

 飲食店の店先でそのお店の冷凍食品を販売する自販機の場合は、1つ1,000円以上で売られていることが多いです。

 個人で冷凍食品を販売する場合でも、1つ500円以上で売れるため、飲料系よりも少ない客数で売り上げを伸ばせます。


種類3:タバコの自販機

 タバコの自販機も昔から各地に設置されています。

 しかし、タバコ産業自体が衰退している斜陽産業であることと、財務大臣の"たばこ小売販売業許可"を得る必要があるので、これから自動販売機ビジネスを始める人があえてタバコ自販機を選ぶ必要はないと考えます。




自動販売機の品揃えはコーヒーが重要


 飲料自販機の品揃えは、メーカーが違ってもおおよそ似たような商品比重になっています。

 これは、各社が行っているマーケティング調査の結果によるものなので、個人で自販機を設置する場合も参考にするべきです。

 調査の結果によると、自販機の売上本数は種類ごとに『缶コーヒー』が全体の50%、次いで『炭酸飲料』(20%)、『お茶』(20%)、『その他』10%と続きます。

 よって、どの自販機でもコーヒーは目線の高さに一番大きなスペースを取って陳列されているのです。


大手自動販売機メーカーのシェア率


 自販機メーカーは大手5社が全体の8割以上を占めています。


シェア率
・コカ・コーラ 26%
・サントリー 22%
・伊藤園 14%
・アサヒ 13%
・キリン 12%


 それらのメーカーとフルオペレーションで契約した時に本部に取られる販売手数料は次のようになっています。

 人気なメーカーの方が販売手数料が高く、私たち自販機オーナーが得られる利益が少なくなります。


販売手数料
・コカ・コーラ 25%
・サントリー 10%
・伊藤園 20%
・アサヒ 20%
・キリン 15%


その他の自動販売機の事情


値上がりを続ける自動販売機

 値上げラッシュは自動販売機にも起きています。

 かつては120円で買えた缶飲料は現在140円に、160円だったペットボトルは180円へと値上がりをしています。

 元々スーパーなどに比べて割高な自動販売機ですが、さらに値上げされたことで顧客離れが起こることが予想されます。



ゴミ箱設置は義務?

 自販機のオーナーは、自動販売機の横にゴミ箱を設置する義務はありません

 設置をすることで定期的な清掃が必要になるので、手間が増えるデメリットがあります。


 しかし設置しないと、マナー違反者が飲み終えた缶やペットボトルをその場に放置し、近隣住民のクレームに繋がります。

 他の人に土地を借りて自販機を設置している場合は、契約を解除される危険性もあるので、ゴミ箱の設置はメリットとデメリットが半々です。


QRコード決済で売り上げアップ

 近年ではQRコード決済に対応している自販機も増えています。

 キャッシュレス文化の普及で小銭を持っていない人も増えてきたので、QR決済に対応している自動販売機は他の自販機との差別化が出来て売り上げを伸ばせます。


自動販売機で当たる確率は?

 商品を購入するとルーレットが回り、当たりが出るともう一本貰える当たり付き自販機。

 実は当選確率は機種ごとに設定できるので、1台1台当たる確率は異なります

 それでも"景品表示法"という法律により、購入金額の2%以内に抑えないといけないので、当選確率も最大で2%となります。


まとめ:自動販売機オーナーはセミオペレーションで年収アップ


 自販機には、メーカーに委託するフルオペレーションと、自分で商品を仕入れて販売するセミオペーレーションがあります。

 自販機で儲けようと考えるなら、セミオペレーションの方がおすすめです。


 会社員などで手間をかけずに自販機のオーナーになるならフルオペレーションもありですが、その際はメーカーごとにマージンが異なっているので、売り上げ予想とマージンを天秤にかけて最も利益が大きくなるメーカーと契約しましょう。


 その他の儲かるビジネスについては、『【完全網羅】儲かるビジネス25選を具体的な数値で解説!!【保存版】』で解説しています。