ガチャガチャを設置すると儲かるのか?


 かつては、駄菓子屋の片隅や軒先で見られたガチャガチャは、近年ショッピングモールに専門店として出店していたり、1回500円もするような高額ガチャも誕生しており、市場全体が賑わっています。

 実際にこの20年で市場規模は2倍に膨れ上がっており、今も増え続けています。


 これほどまでに成長している要因として、ガチャガチャビジネスは、人件費や電気代が不要な参入しやすいビジネスモデルであることも関係しています。


 この記事では、そんなガチャガチャビジネスを始めるにはどれくらいの資金が必要か、また毎月どれくらいの利益が出るのかを検証していきます。


ガチャガチャの利益


 それでは、実際にガチャガチャがどれくらい儲かるのか検証していきましょう。

 まずは、必要な経費を計算していきます。


ガチャガチャ本体

 まずこのビジネスをやるにあたってカプセルトイの本体が必要ですよね。

 本体は新品なら縦2段のもので7万円。

 今回は、縦2段×横10列で70万円とします。


ガチャガチャの原価

 商品は販売額によって大きく変わるので、今回は平均的な300円で販売出来る商品を仕入れることとします。

 ガチャガチャの原価は、平均して70%と言われています。よって、1回300円のガチャガチャの商品原価は210円となります。

 商品は、卸問屋から50-100個単位で仕入れることが出来ます。


場所代

 やはり収益化を考えると場所は重要な要素になってきます。

 調べてみると、スーパーの片隅においてもらう際のマージンは売り上げの10~20%が相場のようです。

 今回は間を取って売り上げの15%を上納する契約をしたと過程しましょう。


電気代

 0円。これが自動販売機ビジネスと大きく違うところ。

 今回の契約では、場所代を売り上げの15%としているので、極端な例ですが1つも商品が売れない月があっても、支払いはゼロです。


集計

 情報が揃ったところで実際にシュミレーションをしてみましょう。


条件
・本体を70万円で20台準備。
・商品は1000個(21万円)仕入れる。
・販売価格は300円。
・商品は1日20個売れるとする。
・店側に売り上げの15%を支払う契約。
・補充にかかるガソリン代や人件費等は考慮しない。


気になる利益は・・・

 初期投資が合計91万円。

 商品が一つ売れると『300円-210円-45円=45円』が利益になります。そして毎月600個売れると、月2万7千円の利益です。


 初期投資を回収するまでに33ヶ月かかる計算です。



 今回は、仕入れから補充までを自分で行い、そのガソリン代や人件費を考慮していないので、実際にはもっと時間が掛かるでしょう。

 確かに電気代や人件費がゼロなのは、大きなメリットですが、資金回収までに約3年掛かるのはネックになりそうです。


ガチャガチャは個人経営可能か

 ガチャガチャは個人経営が可能なビジネスです。

・設置場所への交渉
・商品の仕入れ
・商品の補充や入れ替え

 必要な仕事はこれだけなので、個人で複数のお店に展開しても余裕で仕事をこなせます。


ガチャガチャで人気の商品


ケース1:動物系

 ストレスを抱えている現代人は癒やしを求めています。

 動物系のガチャガチャはそうしたニーズを満たしており、ガチャガチャの中でも特に人気です。

 犬や猫だけでなく、パンダやレッサーパンダ、イルカやシロクマなど、動物園や水族館でよく見かける様々な動物が人気です。


ケース2:キャラクター系

 幼児向けの"アンパンマン"や"機関車トーマス"から、流行ものの"鬼滅の刃"や"ちいかわ"まで、あらゆるキャラクターものは、ファンが存在しているので売れやすいです。

 流行ものについては、1~2年でブームが去ってしまうので、あまり在庫を抱えないようにする必要があります。


ケース3:面白系

 "純喫茶"や"コップのフチ子さん"や"ツタンカーメン"など、クスッと笑えるような面白系もガチャガチャでは定番です。

 キャラクターものなどに比べるとあまり多くは売れませんが、ガチャガチャ専門店のように大量にガチャガチャを並べるような時のアクセントに使えます。


ケース4:食べ物系

 面白系と似たジャンルですが、食べ物系のガチャガチャもコアなファンや面白半分で売れる商品です。

 "吉野家の牛丼"や"カルビーのポテトチップス"など、近年では企業とのタイアップ商品も増えてきました。


ガチャガチャビジネスの現状


広がるガチャガチャ専門店

 カプセルトイ市場は年々拡大しており、近年では専門店も誕生しています。

 例えば、イオンモールやららぽーとなどに出店している『ガチャガチャの森』では、一店舗につき数百種類ものカプセルトイが並んでいます。

 出店料の高いイオンモールのような場所にも出店出来るということは、それだけ需要も大きいということです。

 ただし、このような専門店は差別化ができないため、個人が行うことは難しいかもしれません。


ガチャガチャの高額化

 昔のカプセルトイといえば、100円や200円がほとんどでしたが、近年では1000円以上もする『高額ガチャ』も増えてきています。

 大人をメインターゲットにしているこのような『高額ガチャ』は、子供の頃にカプセルトイにハマった世代にヒットしており、単価の低いカプセルトイ市場において、新たなビジネスモデルを構築しています。


《おまけ》1,000円ガチャ

 昔からある商品がカプセルに入っているものとは別に、近年では自販機のような形をした1回1,000円の"1,000円ガチャ"が流行っています。

 人気の理由は、景品の豪華さです。

 1回1,000円と高いこともあり、最新のゲーム機本体や小型家電など数万円相当の景品もあり、宝くじのような楽しさが顧客に受けています。


まとめ:ガチャガチャビジネスは低リスクで稼げる


 今回計算してみて感じたのは固定費をいかに少なくするかがビジネスの鍵になるということです。

 自動販売機と違い固定費が0円であり商品もすぐには腐らないためすぐに売れなくてもマイナス収支にならない事がガチャガチャビジネスの最大のメリットです。


 初期投資についても今回は新品の本体で計算しましたが、中古で揃えるならその半額で済むので、資金効率はさらによくなります。


 ガチャガチャビジネスは、設置場所の交渉に労力が必要ですが、軌道に乗ってしまえば安定的に利益を積み上げてくれる投資となるでしょう。


その他の儲かるビジネスについては、『【完全網羅】儲かるビジネス25選を具体的な数値で解説!!【保存版】』で解説しています。