焼き芋屋は儲かる
皆さんも食べたくなった経験がありますよね。
昔から副業の定番として有名な焼き芋の移動販売は流行り廃りのない商材のため、今から参入しても安定的に稼ぐことが出来ます。
ベテランの焼き芋屋は一日で10万円以上を売り上げることも珍しくなく、夢のあるビジネスモデルでもあります。
さらには、初期費用の安さやオペレーションの簡単さにより、外注化戦略も選択肢に入るので、収入は青天井です。
この記事では、そんな石焼き芋屋さんの平均年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。
焼き芋屋の年収
少し低いように感じますが、焼き芋のシーズンは10月から4月で多くの焼き芋屋はその半年間だけお店を開いています。
半年の収入が240万円なら年収換算で480万円になるので、サラリーマンの平均年収よりも高いことが分かります。
シーズンオフに別の仕事を行ってさらに年収を上げるのが一般的です。
焼き芋屋の初期費用
どちらも新品で揃えようとすると300万円以上かかりますが、中古なら50万円で揃えることも難しくありません。
最初はボロボロの軽トラを最低限改修して使い、経営が軌道に載ってから綺麗な中古や新品に乗り換えていくとリスクが抑えられるでしょう。
ただし食品を扱う仕事なので、内部はボロボロでも良いですが、外から見える部分はこまめに掃除を行い清潔感を演出しましょう。
焼き芋屋のメリット
メリット1:流行り廃りがない
焼き芋屋には流行り廃りがありません。
その点で焼き芋屋は、5年後も10年後も一定の売り上げになっていることが予想出来ます。
長くビジネスを続けていこうと考えているのなら、この点は大きなメリットになるでしょう。
メリット2:初期費用が安い
軽トラと釜と最低限の備品があれば始められる焼き芋屋は、100万円以下で開業することも容易です。
初期費用が安いので気軽に始められますし、仮にビジネスが失敗しても多額の借金を抱えずに済みます。
メリット3:オペレーションが簡単
焼き芋屋は、芋を専用の釜に入れて温めつつ町中を車で移動するだけなので、誰でもすぐに仕事を覚えられます。
よって、人を雇うようになったとしても、教育にお金や時間をかけず即戦力となります。
また、専門知識や資格も必要ないので、安い賃金で雇えます。
メリット4:仕入先に困らない
サツマイモは日本のどこのスーパーでも必ず売っています。
また、サツマイモ農家が直接ネット販売しているので、安価に大量に仕入れられます。
海外産の農作物を仕入れる飲食店は、円安の影響で仕入れコストが増大したり、世界情勢の影響で仕入れすら出来なくなるリスクがあります。
メリット5:FC不要
焼き芋屋には、誰もが知っているような巨大な企業グループはありません。
よって、『コンビニ』のセブンイレブンのように、看板による集客効果は期待出来ないでしょう。
また、仕入れから販売までのオペレーションがシンプルで個人でも簡単に出来ます。
FCに加盟するメリットは、"集客効果の高い看板が使えること"と"仕入れから販売のノウハウや仕組みを使えること"なので、どちらも焼き芋屋には不要です。
メリット6:低い原価率
焼き芋の『原価率』は5~25%です。
スーパーで売られているようなサツマイモは問屋から仕入れると、1本30~50円で仕入れられます。
これらのサツマイモは、JAの規格に合格した状態の良いサツマイモなので、見た目も綺麗です。
これらとは別に傷や形によって規格外になってしまったサツマイモもあり、これらは1本10~20円で仕入れられます。
焼き芋に加工すれば、細かな傷や形の不揃いさは気にならないので、焼き芋屋ならこのような規格外の安いサツマイモを使えます。
仮に1本20円でサツマイモを仕入れてこれを1本400円の焼き芋として販売すれば、『原価率』はわずか5%です。
焼き芋屋のデメリット
デメリット1:期間限定
焼き芋のシーズンは10月から2月です。
夏に販売しても多少の売り上げにはなりますが、最低時給を割ってしまいます。
一人暮らしなどで生活費が少ない家計なら、この半年だけ働くだけで生活していくことも出来ますが、結婚していたり子供がいるような家庭なら、夏の間に別の仕事を行う必要があります。
夏の間に似たようなビジネスモデルの『かき氷屋』を行う戦略が相性も良く人気です。
デメリット2:参入障壁が低い
焼き芋屋は少ない資金で開業でき、仕事内容も簡単なため、誰でも気軽に始められます。
しかし、言い換えるならライバルも次々に参入してくる可能性が高いとも言えます。
せっかく固定客が付いて経営が安定してきても、新たな同業者に顧客を奪われてしまえば、途端に赤字経営に陥ることも珍しくありません。
そういった観点から、参入障壁の低い焼き芋屋はリスクの高いビジネスです。
デメリット3:差別化が難しい
例えば、『ラーメン』を食べたいと考えた時に、『どんなラーメンでも良い。』と考える人よりも、『○○のラーメンが食べたい。』と考える人の方が多いはずです。
ラーメン屋は、麺やスープにこだわって他店との差別化を行っています。
しかし、焼き芋屋にはこうした差別化戦略がなく、『移動販売の焼き芋でもスーパーの焼き芋でも全部一緒。』と考えている人がほとんどでしょう。
ただし、焼き芋屋に関してはあえて差別化戦略をする必要はなく、実は差別化出来ないことはデメリットではありません。
デメリット4:天候に左右される
移動販売の焼き芋屋は、天候に売り上げが左右されます。
少し考えてみれば分かりますが、雨の降っている日にあえて髪や服を濡らしてまで焼き芋を食べたいとはなりません。
人件費やガソリン代がかかってしまうので、雨の日は休業にするのが普通です。
デメリット5:低い客単価
焼き芋の販売価格は1個300~500円が相場です。
仮に1個400円で1人あたり平均2個買ってくれるとしても客単価は800円です。
ガソリン代などを考慮しても1日3万円の売り上げがあれば十分に生活していけますが、そのためには毎日40人の集客が必要です。
スーパーの駐車場で販売するのなら達成出来そうな数値ですが、車で街中を移動しつつ販売する方法で毎日40人の客を集めるのは難しいでしょう。
焼き芋屋のコツ
コツ1:おすすめの品種
おすすめの品種は、安納芋や紅あずま、パープルスイート、シルクスイートです。
どれも甘くて焼き芋との相性が良いです。
また、日本で良く作られている品種なので、仕入れが容易なのもメリットです。
コツ2:多店舗展開する
初期費用が少なくて、オペレーションの簡単な焼き芋屋なら、アルバイトを雇って大規模に経営していくことも選択肢に入ります。
あまりに増やしすぎると、自店舗がライバルになってしまう恐れもありますが、2~3店舗くらいならその心配もありません。
コツ3:中古で揃える
ビジネスの成功率を上げるコツは、いかに初期費用を抑えるかです。
これからビジネスを始めるワクワク感でついつい新品で商売道具を揃えたくなりますが、成功するか失敗するか分からない状態で多額の資金をかけるべきではありません。
個人事業の廃業で多いのが、生活費や事業資金として貯めていた貯金が尽きた時に廃業するケースです。
極力安値でビジネスを始めて、余った資金は貯金として残しておきましょう。
コツ4:"普通"にこだわる
他の飲食店なら差別化戦略は必須ですが、焼き芋屋についてはその必要はありません。
むしろ客が焼き芋屋に求めるのは、自分が子供の頃から食べ慣れている"いつもの"焼き芋です。
差別化については、接客態度や営業ルート、営業時間で行うと良いでしょう。
コツ5:シーズン以外の仕事を用意しておく
特に最初の数年は、予定よりも収入が少なくなるのが普通です。
シーズンが終わる2月や3月になってから急いで仕事を探すのではなく、事業計画を立てる段階から焼き芋屋のシーズンオフの期間に何をするのかを決めておくと良いでしょう。
コツ6:まとめ売り
1個400円の焼き芋を1個や2個売るだけではなかなか大金を稼ぐのは難しいです。
そこで、セット販売をすることで客単価を上げる試みを行いましょう。
1個400円の焼き芋を3個セットで1,000円とすれば、売り上げを200円も増やせます。
焼き芋の原価は10~20円程度なので、1つ200円の安売りになってしまっても実は黒字です。
まとめ:焼き芋屋は儲かるビジネスである
また、流行り廃りもないので、経営が軌道に乗れば5年後10年後も仕事を続けられます。
さらに、多店舗展開もしやすいので、ビジネスに拡張性があるのも魅力のひとつ。
焼き芋屋で経営力を養った後はさらに儲かりそうな『他の飲食店』への移行もおすすめです。