最王手のセブン-イレブンで約2万店舗。
ファミリーマートとローソンが約1万5千店舗と上位3社だけで約5万店舗もあります。単純計算で各都道府県に1000店舗以上ある計算になります。
これだけコンビニの店舗数が多いということは、FCオーナーとしてコンビニ経営をしたい人が多いということです。
一方、インターネットの世界では、コンビニオーナーの過酷な実態が語られています。
果たして、コンビニオーナーは儲かるのか?はたまた過酷なのか?数字を元に調査してみましょう。
コンビニ経営における年収700万円の正体
コンビニFC加盟の広告やサイトを見ると『オーナー平均年収700万円!!』という数字をよく見かけます。
サラリーマンの平均年収が400万円台であることを考えると、この年収は魅力的です。しかし、この年収にはカラクリがあります。
FCのビジネスモデルは夫婦共働きを前提にして考えられており、先の年収700万という数字は夫婦2人の合計収入です。つまり、実際には1人年収350万円です。
また、オーナーの8割は週休1日以下で、数十年間休みなしというオーナーも一定数います。
借金を背負い、休み無く働き、社会保険料なども自分で払う事を考えるとこの数字は決して高いものではありません。
100円おにぎりの利益はわずか9円
コンビニの主力商品といえばおにぎりです。
毎日商品棚に様々なおにぎりが大量に並んでいます。
そんな100円のおにぎりの仕入れ単価はおおよそ70円です。
電気代や人件費を考慮せずに考えると利益は30円ですね。
ではそのままその30円がオーナーに入るかといえばそうではありません。
その30円をオーナーと本部で分け合います。30円の利益の内本部は21円を残った9円がオーナーの利益になります。
100円のおにぎりを売って利益はたったの9円です。
この試算には人件費等が入っていないため、利益はもっと少なくなります。
さらにおにぎりについては廃棄も多く、経営センスの無いオーナーなら赤字を垂れ流している商品になりがちです。
よく言われることですが、小売業はやはり薄利多売になります。
コンビニ経営で利益が出るのは月商1500万円から
コンビニ1店舗で利益を出すならまずは月間売り上げ1500万円以上を目指す必要があります。
そして年収500万円以上(夫婦共働きで)目指すのならば月間売り上げ2000万円以上が必要です。一日当たり約66万円の売り上げです。
平均客単価が600円と言われていますので、一日1000人以上の来客が見込める場合年収500万円が達成出来そうです。
コンビニ経営は立地がすべて
では上記の数字を達成する為に必要な事はなんでしょうか。
様々な方の意見を聞いてみるとほぼすべての人が立地と答えています。
事業者に大切な資質はマネジメントや金銭管理などもあると思いますが、コンビニオーナーが成功するかどうかは立地で決まってしまいます。
特に住宅街より、繁華街や駅周辺が高利益を出せます。
しかしそれにもリスクがあり、例えば目の前にライバル店が出来た。
近くに大きな道路が出来て人の流れが変わった。など、立地条件が後から変わり一気に赤字転落した例も多くありました。
コンビニの開店後は本部の奴隷
コンビニの開業は300万円程度あれば出来ます。
たった300万円で看板も建物も棚にずらっと並んだ商品も、今後の仕入れや経営ノウハウも本部が準備してくれます。
これは実はとても凄い事で、同規模の小売店を自分で始めるとなると1000万円でも足りません。
商売を始める敷居が低くなるという点ではFCというシステムはメリットもあります。
しかし、本来1000万以上掛かる初期費用が消える訳ではなく本部が肩代わりしてくれているだけです。
実はあまり知られていませんが、コンビニの売り上げ金は一度本部に送金され、FC加盟料や各種返済金を引かれた後にオーナーへ送金されます。
また、その送金されたお金も月に〇〇万円しか引き出せない(今後の返済が滞らない為に)制約がある場合もあるそうです。
まるで本部という親にお小遣いを貰う子供のようですね。オーナーは自分のビジネスの資金管理が出来ないのです。
まとめ:コンビニ経営はおすすめできない
しかし、小額で大手の看板やシステムを借りられるのは大きなメリットでもあります。
近年では本部の横暴が叩かれ昔よりも本部の対応も良くなってきているとも聞きます。
よほどの事が無い限り会社員の方がむしろ気楽ですが、一国一城の主を目指したい方は挑戦してみるのもいいのかもしれません。