農家の平均年収は?
一方、10%の農家は年収1000万以上稼いでいるのも事実です。
何故このようにまったく別の数字が表れているのでしょうか。それは、ほどんどの農家が昔ながらの儲からない経営をしており、一部の農家が効率的に稼いでいるからです。
この記事では、儲かる農家の特徴や儲かる農作物について解説します。
儲かる農家の特徴
儲かる農家の特徴1:カンよりデータ重視
農業や漁業のような昔からある産業は『長年のカン』が大切とされています。
例えば農業なら、『〇〇さん家の牛のフンが一番良い肥料だ!』とか。漁業なら『今日はあまり取れないから場所を変えよう。』などです。
情報化社会が進んだ現代では他の産業は『データ』を使い効率化しているのに対し、農業では『カン』を使い昔と同じやり方をしています。これでは効率も上がりませんし、年収も上がりません。
他の産業に比べ、そのようなデータ活用や、経営者目線の考え方をしている人は少ないので、それをするだけで、大多数の農家よりも稼ぐことが出来るでしょう。
儲かる農家の特徴2:積極的な設備投資
平均年収150~300万になってしまうもう一つの原因は設備投資の少なさです。
極端な例ですが、アメリカでは地平線まで続く広大な土地に飛行機で農薬散布をします。しかし日本の農家は手作業で一つ一つに農薬を散布していきます。
トラクターくらいなら2〜3万円払えば借りる事も出来ますが、多くの農家は手作業で行っています。このように『お金で効率を買う』という考えがあまり見受けられないのが現状です。
また、一般的に設備投資をしない露地栽培よりも、ハウスで温度管理をして育てる施設栽培の方が年収が高いですが、高額な設備投資を避けて効率の悪い露地栽培を続けている農家も多いです。
儲かる農家の特徴3:独自の販路は不要!!
ネットの世界が身近になり、現代では自分で野菜をネット販売する事も容易に出来るようになりました。
また、地元の道の駅など昔に比べて販路は増えています。
しかし、ほとんどの農家はJAに卸しています。
果たしてどちらの方が稼げるのでしょうか。
私の個人的な意見ですが、独自の販路は不要であると考えています。
過去にネット販売をしてきた私としては、ネット販売は手間が掛かりすぎると感じます。
主題に逸れるので割愛しますが、返品やクレーム対応まですると栽培まで手が回らなくなり、本末転倒です。
それならシンプルにJAにすべて卸し、手間を栽培に回す事で質を上げ、難しいですが、買い叩かれない努力をするべきと考えます。
儲かる農家の特徴4:6次産業化も不要!!
テレビ番組などで農業を取り上げると必ず話題に上がるのが、この『6次産業』と言われるもので、まるで農業界の救世主・聖杯のように扱われていますが、これから個人で農業を始めようとする方にはおすすめしません。
6次産業とは1次産業(農業)2次産業(加工)3次産業(サービス)を統合した事業を指します。
例えば、トマト農家が自家製ケチャップを作り、トマトの収穫体験をするスキームは6次産業になります。
確かに現金を得る手段が増え、経営が安定する可能性がありますが、個人レベルで始めようとすると手間が掛かり、先ほどと同じく栽培に割く時間がなくなります。
独自の販路と6次産業化をしなくても、普通に野菜を卸すだけで、年収1000万円を超えている農家もたくさんいるので、わざわざ手間を掛けてリスクを犯す必要はないでしょう。
儲かる野菜は2種類!
儲かる野菜1:ミニトマト
ずばりおすすめの野菜は、『ミニトマト』です。
身近な野菜で、家庭菜園でも作れるような野菜なので意外かもしれませんが、ミニトマトは、狭い土地でも大量に生産出来るので、効率的に稼ぐことが出来ます。
その分栽培や収穫には膨大な時間が必要ですが、それでも時給単価は全農家の中でもトップ3に入ります。
ハウス栽培のため、初期費用が掛かりますが、すぐに回収出来るほど実が付くので、ぜひ先行投資を怠らないようにしたいです。
似たような生産方法が取れる野菜として『なす』『ピーマン』『きゅうり』も有望です。価格変動のリスクを考えて、並行してこれらも生産するのもありです。
詳しくは、こちらの記事『【おすすめ】儲かるミニトマト農業!!気になる年収や初期投資についても解説!!』をご覧ください。
儲かる野菜2:キャベツ
時給単価で一番効率が良いのが『キャベツ』栽培です。
その時給は2000円以上とされており、ほどほどに働きたい人にはおすすめの野菜です。
しかし、広い畑が必要になるので、全国どこでも引っ越す覚悟が必要になるでしょう。
また、キャベツ一玉の重さは、1.2kgほどあります。それを何個も持ち上げる必要があるので、女性の方にはやや重労働になるでしょう。
こちらも似たような生産方法が取れる『レタス』は時給単価が高くおすすめです。
詳しくは、こちらの記事『【時給2,000円以上】儲かるキャベツ農業の年収を解説!!さらに年収を上げるコツも解説!!』をご覧ください。
農家のメリット
メリット1:食費を浮かせられる
農業の最大のメリットは、作った作物をそのまま自分で消費して、食費を浮かせられることです。
ただし、よくある勘違いとして、田舎は物価や安いと思われがちですが、スーパーに置かれている商品の値段は、田舎も都会もそれほど変わらないので、注意が必要です。
メリット2:健康的な生活になる
毎日体を動かすため、デスクワークをするサラリーマンのように運動不足になることはまずありません。
また、暗くなるとほとんどの作業が出来なくなるので、毎日お日様の出ている時間に仕事をして夜はしっかり寝るという規則正しい生活リズムに自動的になります。
さらには、自ずと野菜を食べる量が増えるので、極端に同じものを食べすぎない限り、健康面でプラスなことは間違いありません。
メリット3:人間関係を気にしなくてよい
もし、今の職場で人間関係に悩んでいるなら、農業は最高の仕事になるかもしれません。
販売先や近所付き合いなど最低限の人間関係は必要ですが、仕事中は自分一人で作業しますし、上司に指示されることなく自分の裁量で働けます。
メリット4:収入に上限がない
人並み以上の努力は必要になりますが、農家になればサラリーマンと違い収入の上限がありません。
中には若くして年収1,000万円以上稼いでいる人もいますし、短い労働時間で会社員以上の稼ぎを生み出している人もいます。
農家のデメリット
デメリット1:収入が不安定
サラリーマンの方は、毎月決まった金額が収入となっています。
しかし、自営業になればどれだけ労働時間をかけようとも、商品が出来上がらなければ収入はありません。
特に農業については、自分でどうにもならない『天候』によって収入が大きく変わってしまい、最悪の場合収入ゼロの年もある、とても不安定な職業です。
デメリット2:田舎暮らしになる
例外はありますが、農業を本業にするなら田舎に暮らすことになります。
また、簡単に職場を変えることは難しく、一度農業を始めたら廃業するまでその土地で生活します。
もし、近隣トラブルが起きても引っ越しすることは容易ではないので、特に人付き合いには注意しましょう。
デメリット3:体力勝負
農業は常に体を使い続ける体力勝負なお仕事です。
同年代のサラリーマンが管理職となりデスクワーク中心の生活をするようになっても、炎天下で走り回る体力が求めらます。
20代から農業を始めるようなら、歳を取っても体力が落ちにくいでしょうが、30代40代になってから脱サラ農業を始める人は、慣れるまで辛い毎日を過ごすことになるでしょう。
まとめ:農業はやり方次第で儲かるビジネス
このように農家の年収が低いのは高齢者が昔ながらのやり方で小さく運営しているケースが多いからです。
若者が工夫して経営すれば自然と高い年収になるでしょう。
もし、都会の会社員生活に疲れてしまったら、田舎で農家として独立するのはいかがでしょうか。
その他の儲かるビジネスについては、『【完全網羅】儲かるビジネス25選を具体的な数値で解説!!【保存版】』をご覧ください。