飲食店経営の真実

 『毎日満員電車に揺られ、見たくも無い上司の顔色を伺い・・・会社辞めて喫茶店でも開こうかな・・・』
 などと考えているサラリーマンの方も多いのではないでしょうか。
 飲食店経営は原価率30%というフレーズが有名で、『1000円のランチの原価は300円か。』と計算した方もいるでしょう。
 しかし実際の飲食店の収支を具体的に知っている方は少ないと思います。
 今回は、そんな飲食店のリアルなお金の話をしていきます。


『1000円のランチ』の利益

 先ほど原価率は30%と述べたので、残りの700円が利益!と考えている方は流石に少ないとは思いますが、果たしてどれだけの利益が手元に残るのでしょうか。
 一例を挙げてみましょう。
 一般的には人件費や光熱費を払った残りの利益は10%ほどになります。
 1000円のランチなら1つ売れる毎に100円が手元に残る計算ですね。
 もし月20万円稼ぎたいと考えているのならば、25日営業だと1日80食売る必要があります。
 どうですか?80食と聞くと繁盛店のイメージではないでしょうか。
 1食当たりの利益が100円で、1日に80食も売らないと生活が出来ないとなると、飲食店経営も楽ではなさそうです。
 もちろんランチだけで80食を売り上げるのは非現実的なので、ドリンクやデザートなどの原価率の低い商品も一緒に販売することで、一人当たりの収益の増加を図る必要があります。


1年で34.5%が廃業

 このように飲食店経営は想像以上に大変です。
 実際に34.5%のお店が1年以内に、そして90%のお店が10年以内に廃業しています。
 つまり、脱サラするには最低でも上位10%のエリートである必要があるのです。
 それならばわざわざ脱サラしなくても会社でいいポジションに就けるでしょう。
 やはりのんびり気ままに飲食店経営は出来なさそうです。


飲食店の初期費用

 続いて、飲食店経営を始めるにあたり、初期費用がどれくらい掛かるのかを計算していきます。
 初期費用で一番大きなウェイトを占めているのは賃料の保証金です。
 おおよそ賃料の10ヶ月分が一般的なようです。それ以外にも敷金と礼金も掛かります。
 例えば賃料20万円の物件を借りた場合、それらを合計すると200-300万円必要になります。
 そしてそれ以外にも厨房設備や駐車場整備など初期費用をすべて合計すると500万~1000万円ほどが一般的です。
 そして忘れてはいけないのは当面の生活費です。
 順調に軌道に乗る店舗でも客足が安定するまで、半年から1年はかかります。当然それままでは赤字になるので、その間の生活費は別途準備しておかなくてはなりません。 
 よって、それらを加味すると、合計で1000〜1500万円くらいは準備しておく必要があります。


飲食店=薄利多売

 そして飲食店経営の一番の問題点は薄利多売のビジネスモデルです。
 1000円のランチでも1万円の腕時計でもどちらも販売にかかる手間は同じです。
 ですが、同じ利益率なら腕時計に比べランチは10倍売らないといけません。
 100万円の車なら1000倍売らないといけません。
 どうせビジネスを始めるのならば単価の高いビジネスの方が成功率は大きくあがります。


飲食店の工夫

 そして昨今の飲食店業界は、流行り病のおかげでさらに経営が難しくなっています。
 多くの飲食店が廃業の憂き目にあっている中で、生き残りをかけてそれぞれが工夫を凝らしています。
 有名な例では、新たにテイクアウトやデリバリーでの販売を始めたり、オンライン飲み会に対応したり、SNSを活用したりと今までになかった取り組みを行っています。
 今回は、世界的なウイルスの影響でそのような激変が起きていますが、『新しく駅が出来て人の流れが変わった』や『タピオカが流行っている』のような小さな変化は常に起きているので、柔軟に対応出来る力が飲食店経営には不可欠です。


まとめ

 飲食店経営は高額な初期投資・薄利多売・高い廃業率と想像より遥かに難しいビジネスです。
 しかし工夫次第では、生き残ることは出来ますし、会社員とは違って収入は青天井です。
 飲食店経営を成功させようと考えた時に、修行によって料理の腕を上げることをまず考えると思いますが、収支の管理や立地、販促方法など経営者としての腕の方がより重要だと考える必要があります。

その他の儲かるビジネスについては、『儲かるビジネス16選【コンビニ・自販機・移動販売車・トランクルームetc.】』で解説をしています。