買ってはいけない投資信託


 投資信託はプロの投資家に投資を任せることが出来るので多くの個人投資家にとって最高の選択肢になりえます。

 しかし、単に投資信託と言っても玉石混合であり、何も考えずただ投資するだけで儲かるような優良銘柄から、どれだけ上手くやっても損をする銘柄まで様々です。


 この記事では、そんな投資信託の選んではいけない銘柄を具体的な例を挙げながら解説していきます。

 最後におすすめの投資信託も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。


買ってはいけない投資信託1:信託報酬が高い投資信託

 信託報酬とは、その銘柄の運営にかかる費用のことで手数料だと思ってください。

 当たり前ですが信託報酬が高い方が、我々購入者にとっては利益が減ってしまうため、選んではいけない銘柄になります。


 信託報酬はおおむね1%前後が多く、有名な銘柄の方がスケールメリットを生かせて信託報酬が低く抑えられます。

 例えば、投資家なら誰もが聞いたことのある『eMAXISSlim』シリーズの信託報酬はわずか0.1%と他を圧倒しています。


 そして、反対に楽天証券で購入出来る投資信託で一番信託報酬が高い投資信託は、新興国市場に投資をしている『日興・アッシュモア・グローイング・マルチストラテジー・ファンド』の3.0%です。


 このように信託報酬という名の手数料は銘柄によっては30倍も違ってくるので、極力有名で預かり資産の多い銘柄を購入した方将来的なリターンが大きくなるでしょう。

 反対に、あまり購入者のいない珍しい投資信託は、手数料が割高の可能性が高いので、目新しさで投資信託を選ぶと損をすることになります。


買ってはいけない投資信託2:毎月分配型の投資信託

 投資信託では、得られた利益の一部を分配金として投資家に還元する銘柄もあります。

 その際に分配金の支払いを年1.2回するものもあれば、毎月行うものもあります。


 毎月貰える方がメリットがあるように感じますが、その分費用が多くかかってしまうため毎月分配型は信託報酬が高く設定されています。

 長期的なビジョンで将来のリターンを考えてると毎月分配型は極力避けた方がよいでしょう。


 ただし、これから投資を始めようと考えている人が、半年先の分配金を待つのは難しいので、早く投資をしている実感を感じたい場合は、毎月分配型から始めてみるのも良いでしょう。


買ってはいけない投資信託3:タコ足分配型の投資信託

 毎月分配型の中でもさらに要注意なのがこのタコ足分配型です。

 このタコ足分配型の特徴は毎月支払う分配金を、運用益から支払うのではなく、投資家から集めた資産を使って支払っていることです。


 一見すると超高利回りに見えるため、騙されて購入してしまう初心者が多いのも特徴です。
 楽天証券で有名なタコ足分配型の商品は『ブラジル株式ツインαファンド(毎月分配型)』です。

 2014年末にスタートしたこの銘柄ですが、2014年には1万円だった価格は現在では500円になています。

 その間に投資し続けた場合に得られた分配金は9,000円です。


 つまり、高い手数料を払って自分の資産を毎月切り崩して分配金を受け取っている状態です。


 このようにタコ足分配型で成功している投資を聞いたことがないので、分配金のリターンが異様に高い銘柄には特に注意を払って、近づかないようにしましょう。


買ってはいけない投資信託4:窓口購入の投資信託

 ネットの発達した近年の若年層ではほとんどいないと思いますが、証券会社の窓口で購入するのは止めましょう。


 そもそもネットに比べて人件費が多くかかるため、手数料が割高に設定されています。

 そして、特に気を付けてほしいのは、窓口で応対しているスタッフさん達がおすすめするのは、我々お客さんが儲かる銘柄ではなく、自分のノルマが達成出来き、会社が儲かる手数料の高い銘柄です。


 対面でプロに聞いた方が安心感があるという意見もあるでしょうが、上記の理由からおすすめしません。


買ってはいけない投資信託5:何に投資しているか理解出来ない投資信託

 投資信託を購入する際に、何に投資をしているのか分からない銘柄は避けましょう。

 何に投資をしているのか分からない場合、価格が急上昇または急降下した時に、何故そうなったのか分からず、狼狽売りなど感情に任せた売買をしてしまうからです。


 特に新興国関連の銘柄は価格の変動が激しく、情報も入手しにくいため、上級者向きの投資先であることを頭に入れておいてください。


買ってはいけない投資信託6:テーマ型の投資信託

 テーマ型とは、『AI』や『ブロックチェーン』など、今話題のテーマに投資をする投資信託です。

 初心者から見ると分かりやすいことが特徴ですが、分かりやすいことと儲かることは別だと思ってください。


 このようなテーマ型は話題になっている分、既に割高になっています。

 そして、流行というのはいずれ移り変わります。

 つまり、割高で暴落する可能性が高い銘柄を掴まされることになります。


おすすめの投資信託

 ここまでに買ってはいけない投資信託を紹介しましたが、ここからはおすすめの投資信託についても紹介します。

 おすすめの投資信託は、広く分散されていて、手数料が安く、安定したリターンを記録している投資信託です。


おすすめの投資信託1:eMAXISSlim米国株式(S&P500)

 これ一本で、全米株式にバランスよく分散投資が出来ます。

 そして、信託報酬はたったの0.1%未満です。

 2018年からのおよそ3年間で50%のリターンを叩き出した超優良銘柄です。


おすすめの投資信託2:eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)

 こちらは同じシリーズの全世界に分散投資出来る商品です。

 こちらは信託報酬が0.11%と誤差の範囲ですが高く設定されています。

 そして同じく3年で50%のリターンを出しています。


 ひとつ注意点としては、投資対象国の比率で、アメリカが56%と過半数を占めているので、他の銘柄でアメリカに投資をしている場合はあまり国際分散されない可能性があります。


おすすめの投資信託3:ニッセイ日経225インデックスファンド

 国内株式に投資をしたい場合はこちらをおすすめします。

 15年以上続いている投資信託なので安心感が高いです。

 また、低迷する日本株式市場において、この15年で3.3倍に基準価格を上昇させた優良銘柄です。


まとめ:すべての投資信託が優良ではない


 投資信託は、プロが運用しているからどれも一緒であると考えている人も多いです。

 しかし、その中身はダイヤモンドと石くらい大きな違いがあります。

 もし、今回紹介した『買ってはいけない投資信託』に投資してしまうと、いつまで経っても資産が増えることはありません。

 ぜひ、一度自分が投資している投資信託の詳細を調べてみてください。


 その他の投資対象をお探しの方は、『おすすめの投資2選!!おすすめしない投資3選も解説!!』をご覧ください。