綾瀬はるかの母、1億円の投資被害にあう
今月15日、ニュースサイトで驚くべきニュースが発表されました。
女優として見ない日はないほど、テレビで活躍している綾瀬はるかさんのお母様が1億円の投資被害にあったとのことです。
今回の詐欺には、100年前から使われている『ポンジ・スキーム』という手口が使われました。100年経っても無くならないポンジ・スキームとはいったいどのような手口なのでしょうか。その歴史と手口について解説していきます。
チャールズ・ポンジ
今から約140年前、1882年のイタリアで生まれたチャールズ・ポンジはごく普通の子供時代を過ごし、1903年にアメリカへと渡りました。
その際に切手の交換レートと実際の為替レートに差があることに目を付け、『90日で40%の利益が得られる』との触れ込みで数百万ドルもの大金を集めました。
しかし、集められたお金は切手の購入には当てず、出資者への配当金として使っており、自転車操業の状態でこの詐欺を行いました。
もちろん、90日で40%という超高配当では、このスキームは長続きすることはなく、逮捕され、アメリカを追われ、晩年は貧しいままにブラジルで亡くなりました。
この事件以来、この手口を真似た事件が世界中で起こり、現在の日本でも投資詐欺の中でも有名なもののひとつとして扱われています。
『ポンジ・スキーム』の巧妙さ
オレオレ詐欺は子供や孫を思う心を、架空請求詐欺は家族にバレたくないという自尊心を、そして投資詐欺はもっとお金が欲しいという欲を利用して行う詐欺です。
その点で、『ポンジ・スキーム』はとてもよく出来た仕組みをしています。
この手口の特徴は、圧倒的な高配当にあります。
一般的な投資における利回りは、年率で3-5%ほどで、投資の神様であるウォーレン・バフェット氏でも、年利20%ほどと言われています。
しかし、今回の綾瀬さんの母親の事件では、『月利3%』を謳っています。年利ではなく月利です。年利に換算すると36%にもなります。
このようにポンジ・スキームは、月利で高利回りを謳うという特徴があります。
そしてポンジ・スキームのさらに良く出来た仕組みとして、実際にその月利3%が振り込まれることです。これは最初に述べたように、最初に渡されたお金の3%を返しているだけです。
しかし相手にしてみれば、実際に3%の配当金を受け取っていると勘違いするため、最初は恐る恐る少額で投資をしていた人も全財産を投入してしまうのです。
もちろん、全額を回収出来た詐欺グループはここで配当金の支払いを止めて、『銀行口座が凍結されている』とか『来月にまとめて支払う』と上手く騙して、いずれ連絡が付かなくなります。
そうして、全額を詐欺グループに渡して数ヶ月後に初めて詐欺にあったと気付くのです。
投資詐欺に遭わないために
投資詐欺には色々な種類がありますが、いくつか共通点もあります。
今回はそんな共通点を7つ上げていきます。しかし、まっとうな投資の中にも下記の条件に該当することがあるので、該当するものがすべてが詐欺であるという訳ではないことを念頭に置いてください。
高利回り
まず1つ目に、相場の何倍もの高利回りであるということです。
年利3%では、インパクトがなく、わざわざ得体のしれない相手に預けるよりも、証券会社に預ける方が安全なので、詐欺が成り立ちません。
投資の利回りはおおよそ年利3-5%が中央値になります。ここから大きく外れるような月利1%や年利10%以上を謳うようなら、まずは詐欺を疑う方が良いです。
また、早く信頼を得られるために、年利ではなく月利を謳うことも多いです。
元本保証を謳っている
普通投資というのは、リスクとリターンが釣り合うようになっています。
ローリスクならローリターンに、ハイリスクならハイリターンになります。
資産をリスクに晒す投資において、元本保証というのは不自然なものです。
そしてノーリスクという言葉は、投資家にとっては安心できる甘いものです。
よって、投資詐欺ではこの元本保証がされていることが多いです。
身元が不明瞭
相手のお金を受け取って投資をする場合は、金融庁への届け出が必要です。
普通我々が投資をする場合は、金融庁に届け出をしている証券会社から株式や債権を購入することになります。
しかし、投資詐欺の場合はこのような業者ではなく、『知人の投資家』や『なんかよく分からないけど凄腕の投資家』にお金を運用してもらうというパターンが多いです。
ネットワークビジネス
いわゆるねずみ講です。『知人を紹介したら、その投資金額の10%をキャッシュバック。』のような文言で詐欺被害者を増やそうとしてきます。
こちらも相場に合わないような高待遇がなされていることが多いので、落ち着いて考えれば事業が成り立たないことがすぐに分かります。
契約書
契約書の記入項目が不足していたり、そもそも契約書が無いケースも多いです。
ネット証券でも必ず購入前に契約内容を見れるようになっています。
怪しい場合は、すぐにサインするのではなく、相談窓口に持っていくとよいです。
フレーズ
『多くの方が出資しています。』『私も出資しています。』『急がないと損ですよ。』このようなフレーズが飛び出したら要注意です。
その他にも、未公開を謳っていたり、期間限定を謳っているのもの、将来必ず上がると謳っているものも投資詐欺の典型例です。
流行りもの
ブームなものを投資対象にしているのも投資詐欺では多いです。
今ならビットコインのマイニング、少し前なら太陽光や環境に関するものが該当します。
このような流行りものは、被害者側がよく仕組みを知っていない可能性が高いですし、『なんか凄そうだから普通の利回りよりも高いのも納得できる。』となります。
まとめ
投資で成功するために一番大切なことは、増やすことではなく減らさないことです。
投資詐欺に遭うようでは、どんなに素晴らしい手腕であっても資産はなくなります。
投資詐欺は人のお金に対する欲を上手く駆り立てるように仕組まれています。
投資をする際は、しっかりとその内容を調べて、詐欺に引っかからないようにするべきです。
0 コメント