唐揚げ専門店は儲かる?
2019年には853億円だった市場規模は、2020年には1050億円へと成長しており、コロナ騒動で外食産業が壊滅的なダメージを負っている中で、もの凄い成長を続けています。
今の唐揚げ専門店のブームは、唐揚げは他の商品に比べて利益を出しやすいことにより起きています。
そこでこの記事では、唐揚げ専門店が儲かる要因や、さらに儲けるコツなどを解説します。
唐揚げ専門店の平均年収
唐揚げ専門店の平均年収は500万円とされています。
一見するとかなり高いように感じますが、3年以内の廃業率が70%と言われています。
生き残った30%のエリートの平均年収が500万円なので、決して高い数値ではないと感じます。
それでも他の飲食店に比べると、年収500万円はかなり高いです。
唐揚げ専門店が儲かる要因
唐揚げ専門店が儲かる要因1:原価
唐揚げの原価にかかるほとんどの費用は、もちろん鶏肉代です。
ひとえに鶏肉と言っても、『若鶏なのか地鶏なのか』、『国産なのか海外産なのか』、『胸肉なのかもも肉なのか』によって多少の差はありますが、おおよそ4個で40-60円が相場です。
これは、お弁当用の小さめの唐揚げの場合なので、お持ち帰りの専門店のような少し大きめの物の場合、100円くらいになるかもしれません。
しかし、原価率30%と言われている外食産業の中で、300円で売っても原価率約15%と他の商品と比べてかなりの優位性があります。
唐揚げ専門店が儲かる要因2:設備投資
唐揚げ専門店は、多くの場合、たった一つの商品を販売します。
トッピングやタレでレパートリーを広げることはありますが、作り方についてはほとんど同じです。
よって、大型設備も鶏肉を保存する冷蔵庫とフライヤーのみしかなく、中古で調達するのなら20-30万円もあれば揃えられるでしょう。
新品で揃えたとしても200万円前後で揃えられます。また、設備が少ないので店舗面積が狭くても大丈夫です。
さらには、自分で商売をせず人を雇う場合も、専門的な技術は必要ないため、アルバイトで十分対応出来ますし、人材を育てるのにかかる時間も費用もわずかです。
唐揚げ専門店が儲かる要因3:フランチャイズ不要
フランチャイズが不要なのも、唐揚げ専門店のメリットです。
多くの移動販売や小規模店舗には有名なFCがあり、その看板を借りた方が同業者と差別化出来るため、FCに加盟して多額のマージンを毎月払う必要があります。
しかし、唐揚げ専門店に関しては、それほど有名な企業が無いので、自身で始めてもデメリットはありません。『唐揚げ』というワードが一番の看板になります。
また、唐揚げは簡単に作れる商品のため、FCからノウハウを仕入れる必要もありません。
唐揚げ専門店が儲かる要因4:幅広い支持層
唐揚げは国民的な料理です。お昼や晩ごはんのおかずにもなりますし、ビールのおつまみにも、子供のおやつや食べ歩きにも需要があります。あまり唐揚げが好きじゃないという方は聞かないですよね。
このように客層が圧倒的に広いことが唐揚げ専門店の強みです。
唐揚げ専門店が儲かる要因5:簡単な調理
唐揚げには様々な味付けがあります。
プレーン・チキン南蛮・油淋鶏・おろしポン酢・明太マヨなど、単一の商品なのに他店と差別化を図ったり、リピーターが飽きないような味付けの種類の豊富さがあります。
また、これらは揚げた後の唐揚げにトッピングするだけなので、アルバイトでも簡単に作ることが出来ます。
唐揚げ専門店の儲かるコツ
唐揚げ専門店の儲かるコツ1:唐揚げグランプリに出場する
唐揚げ専門店の多くは、『唐揚げグランプリ金賞受賞』ののぼり旗を掲げています。
日本人は、このような権威に弱い傾向にあります。
金賞と聞くと敷居が高そうですが、唐揚げグランプリは毎年行われており、毎年100近い店舗が受賞しているので、根気強くエントリーしていれば、いずれ取れるかもしれません。
長年経営していく計画があるなら、1年目から挑戦していくと良いでしょう。
唐揚げ専門店の儲かるコツ2:立地
味や値段については、営業開始後に少しずつ変えていくことも出来ますが、立地については、簡単に変えることは出来ません。
適当に決めるのではなく、出店候補地に一日滞在してみて、人通りの量を調べるくらいのことはするべきです。
唐揚げ専門店は、テイクアウト形式が一般的なため、必ずしも駅前の賃料が高い物件でなくても繁盛店にすることも出来ます。
唐揚げ専門店の儲かるコツ3:初期費用を抑える
新しいビジネスを始める高揚感もあって、高い費用を掛けて新品の機材を揃える人が多いです。
しかし、ビジネスを成功させるための鉄則は初期費用をどれだけ安く抑えるかです。
極力中古品で揃えて、浮いた資金をビジネスが安定するまでの生活費にしましょう。
儲かってから、使ってみて不便だった物を新品に変えればよいのです。
唐揚げ専門店の儲かるコツ4:1年分の生活費を貯めておく
個人経営の飲食店が廃業する直接の原因は、生活費の枯渇です。
脱サラする前にある程度の生活費を貯金しているケースが多いですが、開店資金や運転資金に想定より多くのお金をかけてしまい、生活費が足りなくなることが多くあります。
飲食店ビジネスは、近隣住民に周知され、購入者の一部がリピーターになり経営が安定するまで、1年は掛かります。
それまでに生活費として貯めていた貯金が無くなってしまうから、1年以内の廃業率が高いのです。
経営が安定してくるまでの1年間を無収入でも生活が出来るように、開業前に1年分の生活費を貯金しておきましょう。
唐揚げ専門店の儲かるコツ5:人柄の良さ
明るい笑顔は人を呼び寄せる力があります。
目の前の通行人を客に変える力もありますし、リピーターを増やす力もあります。
タダで出来て効果の高い施策になるので、仕事中は常に笑顔を絶やさないようにしましょう。
唐揚げ専門店のデメリット
唐揚げ専門店のデメリット1:参入障壁の低さ
唐揚げ専門店の最大のデメリットは、参入障壁の低さです。
メリットで述べた初期費用の安さや調理の手軽さは、そのままライバル店の出店のリスクになります。
もし、数件隣に唐揚げ専門店が出来てしまえば、突如売上が半減することになるでしょう。
それでも、既に地元の顧客の心を掴んでいれば、ライバル店に顧客を奪われることもなく、早期にライバル店を撤退に追い込めるでしょう。
唐揚げ専門店のデメリット2:サブメニューの少なさ
多くの飲食店は、メインメニューではなく、ドリンクやサイドメニューで利益を上げています。
しかし、唐揚げ専門店は、唐揚げ単品を買うことがほとんどのため、客単価が固定化されてしまいます。
大盛りメニューや、高いトッピングメニューを作るなどして、少しでも客単価を上げる工夫をしましょう。
まとめ:唐揚げ専門店は工夫しないと苦戦する
確かに初期投資や原価は安いので、他の飲食店に比べるとリスクが小さいです。
しかし、言いかえると参入障壁が低いので、既に『需要<供給』の構図になっていますし、ブームもしばらく続いており成熟期に入っているはずです。つまりいずれ終わります。
今から参入してブームが終わる前に初期投資を回収しつつ収益を上げるには、よほど良い立地か営業力がないと厳しいでしょう。
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