稼げる資格20選


 『今の職場ではこれ以上年収が上がらない。』
 『上司と馬が合わない。』
 『サービス残業が辛い。』

このような職場に対する不満は、サラリーマンなら誰もが抱えているはずです。



 しかし多くの場合、転職をするとさらに年収が下がったり、待遇面が悪くなったりすることが多いです。

 そうならないためには、事前に転職に向けた行動をしておく必要があります。

 今回は、社会人が転職を意識した際にとるべきおすすめの資格を、受験資格や難易度、平均年収を基準に紹介します。

 意外な穴場の資格が見つかるので、ぜひ最後までご覧下さい。


受験資格なし

 受験資格が無く、高卒無資格の人でも目指せるような資格を紹介します。


地方公務員 年収:600万円 合格率:15%

 ノルマがない。残業が少なく残業代がしっかり出る。失業の心配がない。など、待遇面で人気の職業が地方公務員です。

 ただ実際には、サービス残業や長時間残業がある自治体や部署もあるため、そのような神話を100%信用して入社すると現実とのギャップに苦しむかもしれません。


 地方公務員になるには地方公務員試験に受かる必要があります。大卒・短大卒・高卒レベルと3つのルートが用意されていて、高卒からでも目指せます。

 しかし、年齢制限が設けられているので、他の職種から地方公務員へ転職をする場合は、20代でないと厳しいです。


 それでも最近は、中途採用の枠が広がりつつあり、30-50代でも狭き門ながらも、地方公務員を目指すことが可能です。


弁理士 年収:700万円 合格率:10%

 あまり聞き慣れない弁理士の仕事内容は、特許の申請が主なお仕事です。


 就職先としては主に2種類あり、特許事務所に勤務する場合と、企業に勤める場合です。

 資格取得さえすれば働くことは出来ますが、新しい発明品を理解する理系の知識と、海外での特許取得のための英語力も必要となります。


 弁護士などと同じく近年では、弁理士の数も増えてきており、人余りも囁かれていますが、腕次第でまだまだ活躍出来る業界です。年収も士業の中でも弁護士に次ぐくらい稼げます。

 また独立をすると年収1000万円を超えることも可能です。


司法書士 年収:600万円 合格率:4%

 司法書士は、弁護士と似たような法律に関わるお仕事ですが、その範囲は弁護士に比べて限定されています。

 そして、意外なことに受験資格がないため、高卒無資格でも挑戦できる穴場の資格でもあります。


 不動産登記・法人商業登記・相続などの書類作成が主なお仕事です。

 どちらかと言えば、クリエイティブなお仕事というよりは、単純作業が多いです。

 しかし、社会的地位は高くやりがいもあります。


 現在は仕事が少なくなってきて『斜陽産業化』しているという話も聞きますが、一度資格を取れば、仕事が無くならないという意見もあるため、この先10年単位で仕事がなくなることはないでしょう。


公認会計士 年収:800万円 合格率:10%

 『医師』『弁護士』『公認会計士』は日本の三大国家資格と言われており、資格取得には2500時間。2〜3年の時間が必要とされています。

 しかし、意外なことに社労士や税理士とは違い受験資格がないので、高卒でも目指すことが出来るお仕事です。


 主な仕事内容は、大企業の経理や経営コンサルなど、幅広く企業のお金について扱います。

 雇われの場合は、年収1000万円を超えるには、勤続年数や出世が必要ですが、十分目指すことが可能です。


 また、士業のメリットとして独立することが出来、こちらは経営や営業センスがあれば、若くして1000万円プレイヤーになることが可能です。

 独占業務であり、資格取得難易度もかなり高いので、一度資格をとってしまえば、少なくともこの先10年は安泰の職業だと言えます。


行政書士 年収:400万円 合格率:10%

 行政書士は裁判所や法務局に提出する書類を作る専門家です。

 資格取得難易度が高いわりに、あまり稼げないと言われているのがこの行政書士です。


 基本的に裁判や相続などは、一生のうちに何度もあるものではないので、リピーターがつくことはなく、単発の仕事になりがちです。

 よって、営業力がないと、独立しても仕事が無いという状態になってしまいます。

 決して座っているだけで仕事が舞い込むような業界ではありません。


 また、近年ではインターネットで簡単に書類をダウンロードして、自分で調べて記載することも出来るので、行政書士の仕事が減少傾向にあります。


宅地建物取引士 年収:400万円 合格率:15%

 『宅建』と呼ばれる資格です。不動産関連の業務に必要な資格で、この資格がないと出来ない業務があります。

 よって、不動産業界で働く場合はほぼ必ず取る必要のある資格になります。

この資格が無くても事務や雑務は出来るため、新入社員の雑用を行いながらこの資格の勉強をする姿をよく見かけます。


 平均年収は400万円と低めですが、これは年収が低くなりがちな女性の就労率が高いからで、男性だけなら500万円を超えます。

 この資格を持っているだけで、資格手当が1〜3万円/月くらいつくのが普通です。


 不動産業界は歩合給の割合が多い業界なので、頑張り次第では20代で年収700-800万円もありえるという夢のある資格になります。


土地家屋調査士 年収:600万円 合格率:10%

 物件を建てる時に土地の測量から表示に関する登記までをするのがこの土地家屋調査士です。

 このような法律に関する仕事は、だいたい弁護士の資格を持っていると、行えることが多いのですが、この土地家屋調査士のお仕事に関しては、独占業務のため、土地家屋調査士の資格のある人しか行うことが出来ません。

 よって、資格取得難易度は高いものの、資格取得後は、仕事がなくなることはないでしょう。


 合格率が10%とやや低いですが、これは不動産・土木関係者が『とりあえず受けてみた。』という層が一定数いるからです。

 他の同じような合格率の公認会計士や司法書士のようにしっかり勉強して合格率が10%になってしまうような難関資格ではありません。


 他の士業と同じく、将来的には独立する方が多いです。

 その場合、がっつり働いて年収1000万円を超える方もいれば、のんびり働いて年収300万円の方もいます。


中小企業診断士 年収:600万円 合格率:10%

 中小企業の経営に対して全般的にサポートをするのが、この中小企業診断士です。


 このお仕事は、結果として中小企業の経営が上手くいくようにサポートをすることなので、業務の幅はかなり広く、単純作業ではなく、クリエイティブな業種になります。

 ただしこの資格には独占業務がなく、この資格単独では就職や、独立が出来ません。

 多くの方がFP(ファイナンシャルプランナー)簿記ITパスポートなど様々な資格を取って、診断士としての泊を付けていきます。


 そのような観点から、稼げない資格と揶揄されていますが、正解のない仕事の分、努力や工夫次第で無限に可能性がある職業です。

 この仕事も士業であるため、将来独立することが可能です。


ITストラテジスト 年収:600万円 合格率:15%

 ITストラテジストは、 ITによるストラテジー(戦略)を考えるお仕事で、経営者に近い目線で、その企業でどのようなIT技術が利用出来、どのような成果が得られるかをコンサルタントするお仕事です。

 無数にある『情報処理技術者試験』の中でも最高峰に位置している資格で、資格取得難易度も高いです。


 情報系資格のイメージとしてプログラミングスキル等のパソコンに強い必要があると勘違いされがちですが、このお仕事は、相手企業のトップにどのようなシステムがあり、どのように経営に利するかを説明するプレゼン力や、どのシステムがどんな企業に役立つか考える柔軟な思考力が必要になります。(勿論その裏付けとして情報系の知識は必須ですが)

 実際にそのシステムを作り上げるのは、システムエンジニア等のお仕事になります。


 この資格は独占業務がある訳ではないので、FP(ファイナンシャルプランナー)やその他情報系の資格を取って肩書に泊を付けている人も多いです。


登録販売者 年収:300万円 合格率:40%

 法改正により、2009年に誕生した資格が登録販売者です。

 薬剤師の下級資格のイメージで、調剤業務と第一類医薬品の取り扱いが出来ませんが、その他は薬剤師と同じような業務を行えます。


 この資格を持っていれば、薬局での採用率も高くなりますし、手当が付く場合もあります。

 パートで働く主婦との相性の良い資格とも言えます。

 男性の場合もこの資格を持っていれば、店舗責任者になったり、昇格する手助けになるので、もっていて損な資格ではないです。


 しかし、他の資格に比べると、決して年収の高くない業界なので、サラリーマンの平均年収を超えることは厳しいでしょう。近年拡大を続けるドラッグストア業界で働けることが一番のメリットといえます。


受験資格あり

 受験資格があるため、条件を満たした人しか目指せませんが、参入障壁が高い分、年収は高めです。


医師 年収:1600万円 合格率:90%

 説明不要の資格です。6年生の大学に通う必要があるため、社会人が転職するのはほぼ不可能でしょう。

  しかし、一度資格を取ってしまえば、年収・社会的地位ともに最高位に位置出来る最強の資格です。


看護師 年収:400万円 合格率:90%

 看護師の年収はおよそ400万円です。

 しかし、この年収は夜勤込みの数値であるため、基本給は、他の資格に比べてかなり安いです。

 不規則な勤務時間と、一日中立ち仕事の体力勝負となります。


  また、他の資格は独立出来る物が多いですが、この資格は独立出来ないので、年収を上がるためには、企業内で主任看護師などに昇格していく必要があります。

 年収400万円と聞くと他の資格に比べて低いようにも感じますが、看護師という女性が多い職種であることを考えると、年収400万円というのも悪くない数字だとも言えます。


 ただし、看護師になるためには、看護系の大学か短大、専門学校に行く必要があるため、社会人の転職先としてはハードルが高いです。


保健師 年収:300万円 合格率:90%

 よく比較されるお仕事に看護師と保健師があります。

 看護師は、けがや病気をした人のお世話をすることがお仕事ですが、保健師は未然にけがや病気を防ぐことがお仕事です。


 保健師の就職先は、主に公務員として地域の保健所や保険センターで勤務する行政保健師、大企業の社員の健康管理をする産業保健師、私立高校や大学などで生徒の健康管理やけがの治療を行う学校保険師があります。

 どの業務も看護師と違い夜勤がないことがほとんどなので、働きやすさはありますが、その分手当も付かないので、看護師よりも年収は低くなります。

 保健師の資格を取るには、看護師の資格が必要なため、ゆくゆく看護師に転職することも可能です。


弁護士 年収:1000万円 合格率:30%

 弁護士と聞くと、『近年は弁護士が増えすぎたから儲からない』と言われますが、そんなことはありません。

 たしかにこの20年で2倍の4万人以上に弁護士は増えましたが、その分弁護士の必要とされている仕事も増えています。


 しかし、司法試験が簡単になったと言われていても、弁護士になるためには多大な時間と労力が必要になるため、今から転職しようと考えている方には、ハードルが高すぎて不適格な資格であると言えます。


社会保険労務士 年収:500万円 合格率:6%

 企業に勤める従業員の保険の加入から、経理関係まで幅広く人事・労務関係を扱うのがこの社会保険労務士です。

 合格率が低く、資格取得に向けての勉強時間が膨大になるこの資格ですが、年収は決して高くありません。


 また、近年のIT技術の進歩により、こうした仕事は効率化されてきているので、どんどん仕事が無くなっている業界です。

 よって、あまりおすすめの出来ない資格ですが、腐っても士業ということで将来独立することが出来ることがメリットです。


税理士 年収:800万円 合格率:15%

 『斜陽産業』と言われているのが、この税理士のお仕事です。

 大企業を相手にする公認会計士に対して、中小企業の税務を担当するのが、この税理士です。


 しかし、近年では会計ソフトが普及してきており、個人でも簡単に納税が行えるようになってきたので、単純に税金の計算をするだけの税理士の活躍の幅は狭まってきました。

 それでも中小企業診断士やFPなど様々な資格を取り、付加価値を提供できる税理士はこの先も需要が見込めます。


 このように今から目指すとなると、資格取得難易度に対して、得られるリターンが低いと言わざるを得ない資格となりつつあります。


一級建築士 年収:600万円 合格率:10%

 一級建築士は、建物の設計や建築の管理をするお仕事です。

 大手ゼネコンや建築会社で勤めたり、個人の設計事務所で独立して仕事をする場合が多いです。

 大手ゼネコンに入り順当に昇給・昇格していけば、年収1000万円を目指せます。


 一級建築士になるには、4年制の大学の建築系の学科を卒業した後、2年の実務経験が必要と最短でも6年の年月が必要です。

 資格取得難易度が高いため、いきなり一級建築士を目指さずに、二級建築士を取得して、働きながら一級建築士を目指すという選択肢もあります。


 このように資格取得までの道のりが険しく飽和状態になりにくいのと、建築というお仕事はこの先100年後も無くならないお仕事のため、資格が取れれば、安定的に高収入が得られる美味しい職業です。


その他

 これだけで就職することはできませんが、持っていると就職や転職に役立つ資格をまとめました。


日商簿記2級 年収:350万円 合格率:20%

 簿記は3級が一番簡単で1級が一番難しい資格です。

 その真中にあり、就職に有利になってくるのがこの簿記2級です。


 この資格があれば、企業の経理部門や会計事務所、経理事務所などで働くことが出来ます。

 ただし、この資格は就職に有利なだけであり、手当が付いたり、独占業務がある訳ではありません。あくまでも就職用の資格だと考える方が良さそうです。


FP2級 年収:300万円 合格率:43%

 FP(ファイナンシャルプランナー)は主に個人の人生のお金に対する助言をするための資格です。

 3級は基礎的な内容で、割と簡単に取得出来るので、ここでは2級と取り扱います。

 2級といえどもそれほど資格取得難易度は高くないので、しっかりとした手順で勉強すれば、数ヶ月で資格取得出来ます。

 ただし、FP2級を受けるためには、まず3級に受かっている必要があります。


 しかし、この資格を取得しただけで、何か仕事があるという訳ではなく、他のメインとなる資格に対して補足知識のために取得するケースが多いです。

 例えば、宅建を取得して不動産業界で働く場合に、このFP2級を取って、住宅購入という高額な費用をどのように捻出するのかを一緒に考えていくといったケースがあります。

 その他にももっているだけで就職が有利になったり、出世が有利になったりと良いことが多いので、サブの資格としては人気のある資格です。


TOEIC

 英語のスキルを調べる指標として有名な物がこのTOEICです。

 就職に有利に働いたり、入社後の昇進や配属で有利になる可能性があります。


 有利に働きやすい企業の特徴は、海外との取引がある企業や、海外に支社がある企業になります。

 反対にあまり効力を発揮出来ない企業は、公務員や海外との繋がりのない中小企業です。


MOS

 MOSとはマイクロソフト・オフィス・スペシャリストの略です。

 エクセルやワード、パワーポイントなどの基礎知識を身につけるための試験です。


 資格取得難易度はかなり低く、1ヶ月も勉強すればほとんどの方が受かります。

 よって、就職に有利に働く力はかなり小さいですが、社会人としてのスキルアップは確実に出来ます。


自動車免許

 就職に有利な資格の盲点として、自動車免許があります。

 日によって勤務先が変わる場合や、配送、営業など自動車免許がないと出来ない業務はたくさんあるため、免許が無いから不採用ということも起こりえます。

 当たり前だと思わず、しっかり履歴書に記載をしておくべき資格です。