成長著しい米国株式と衰退する日本株式


 アメリカ株の代表的な指数である『S&P500』は、1981年から2021年までの40年間で約40倍にまで成長をしています。

 一方日本株式の代表的な指数である『TOPIX』はこの20年間ほぼ横ばいで推移しています。

 実際に2つのチャートを見比べて、どちらが投資効率が良いかは、一目瞭然だと思います。


 このことは多くの日本人に知られており、本屋の投資コーナーに行っても目に付くのは『米国株』投資関連の物ばかりです。

 給料が下がり続けるなかで、商品の値上げが相次ぐ今の日本は間違いなく経済衰退国です。

 そのような経済的に衰退していく国の株式に投資をすることはリスクが大きいと言えます。


日本の経済成長率

 1960年代に毎年約10%の経済成長を続けていた高度経済成長、そして東京の土地代でアメリカ全土が買えると揶揄された平成のバブル経済を経て、今の日本経済は成熟期から衰退期へと進行しています。

 日本のここ10年の経済成長率は、年率で1%未満の年がほとんどで、年率5%ほどの成長をしている世界経済から完全に孤立している状態です。

 日本のように成熟しているアメリカ経済でも年率2-3%、成長著しい中国では年率5-7%の経済成長をしていることを考えると、日本の衰退がよく分かります。


おすすめの投資先

 投資初心者の方が初めて投資をする場合、まず『トヨタ自動車』や『ユニクロ』のような身近な日本企業の個別株を調べることになると思いますが、実は日本株も個別株も初心者向けでは無い投資対象です。

 初心者におすすめの投資対象は、全米(アメリカ)か全世界の指数に連動するインデックスファンドです。以下にその理由を上げます。


日本より全米や全世界の方が成長している

 これは、最初に示した通りです。

 成長している分野に投資をする方がリターンが大きくなるのは当然です。

 また、日本経済が崩壊する確率とアメリカ経済が崩壊する確率を比べれば、圧倒的にアメリカが崩壊する確率が低いです。

 アメリカ経済が崩壊する時は世界経済も崩壊するでしょうが、アメリカ経済単独に投資をすることをリスクと考えるならば、全世界に投資をするのも良いでしょう。


個別株より投資信託(ETF)の方がリスクが少ない

 一企業に投資をする個別株の場合、一つの企業の業績により、リターンが乱高下することになります。

 また、最悪の場合倒産になり、株券が紙切れになるというリスクもあります。

 その点、投資信託(ETF)の場合は、いくつかの企業に分散投資されているので、値動きもマイルドになりますし、一つの企業が倒産しても他の企業の業績が良ければ相殺されることもあります。


アクティブファンドよりインデックスファンド

 アクティブファンドとは、一般投資家から集めた資金を、プロの投資家が売買を繰り返して指数(日経平均など)よりもよいリターンを目指すファンドです。

 インデックスファンドとは、指数に連動することを目的に売買を行うファンドです。

 一見すると、アクティブファンドの方が良い成績を残せそうですが、実際にはインデックスファンドの方が良い成績を残せています。

 アクティブファンドの方が、売買を繰り返す関係上、信託報酬が高いことが普通ですが、プロの投資家でもその報酬分以上の成績を継続して出すのは不可能なようです。


まとめ:日本株式はおすすめしない


 日本で生活しているとどうしても日本株式の方が馴染みがあり、日本株式に投資をしがちです。

 しかし、日本経済は長らく停滞をしており、その間にも世界経済は目まぐるしい発展をしています。

 どちらに投資をする方がリターンが大きくなるかを考えて、投資対象を選ぶようにしたいですね。