急激な円安到来!!
2022年4月末現在、ドル円相場は、1ドル128-129円台を行き来している状態で、1ドル130円台になるのも時間の問題と見られています。
急激な円安になった要因は、相対的に日本円の人気が無くなってきたからです。
為替相場は、買いたい人が多い通貨の価格が上がり、売りたい人の多い通貨の価格は下がります。
では何故日本円の人気が無くなったのでしょうか。また、今後の日本円相場はどうなるのかを解説します。
日本円が不人気な理由
結論から言えば、日本円が不人気になったというよりは、世界一流通量の多い米ドルの人気が高まった影響で、相対的に日本円の人気がなくなりました。
ご存知の通り、3月16日にアメリカは政策金利を0.25%から0.5%へと利上げを行いました。
これにより、2020年3月から続いていた低金利時代が終わりを迎え、今年1年で複数回の利上げを行う予測がされるほどの利上げ時代に突入します。
利上げを行うことで、アメリカ国内の国民や企業はお金を借りる際のコストが高くなるので、経済を減速させる可能性もあります。
しかし、投資家目線で見ると、金利の高い国の通貨を保有した方が、資産を増やす可能性が高まるため、政策金利の高い国に世界中から資金が集まります。
長く景気後退が続き、マイナス金利がこれからも続くと予想される日本円と、これから景気を拡大させ、高金利に向かうアメリカドルのどちらに人気が集まるかは、一目瞭然です。
『有事の円買い』のウソ
かつての日本円は、『有事の円買い』と言われるように、有事の際に円高になりやすい通貨でした。
しかし、今回のロシアとウクライナに関して世界的な緊張が高まる中、日本円は円安を続けています。
これにはちゃんとカラクリがあります。
有事の際に日本円が円高になるのは、日本の対外純資産が世界一だからです。
日本企業や日本人が持っている外国に対する債権額は、30年連続で世界一で、およそ356兆円にもなります。
有事が起こると、日本人資産家が外国に持っている資産を売却し、日本円にポジションを移すので、円高になりやすいのです。
決して日本が安全だとか、日本円が信頼されているという理由ではありません。
日本政府の対応
このようなときに一番手っ取り早く確実に効果があるのが、日本も金利を上げることです。
しかし、長く経済が停滞している日本で景気を減速させるような利上げを行うことは現実的ではありません。
そこで、日本政府が取れるもう一つの手段が為替介入です。
為替介入とは、中央銀行が保有しているドルなどの海外通貨を売却し、日本円を買う方法です。
日本のような経済大国の中央銀行が為替介入を行うと、1日数兆円ものお金が動き、為替相場も急変動をします。
しかし、一時的には円安を食い止めることができるかもしれませんが、予算は無限ではないので、為替介入だけでは根本的な解決にはなりません。
今後の日本円の行方は?
為替相場は、他の金融商品と違い、一方向に相場が動くトレンド相場にはなりにくく、上下動を繰り返すレンジ相場になりやすいです。
それでも、現在の1ドル約130円という相場は、過去の値動きから見ると、やや円安傾向ですが、極端にレンジから外れている訳でもありません。
もちろん未来のことは誰にも分かりませんが、これからの日本経済の停滞とアメリカを始めとした世界経済の拡大を考えると、今の1ドル130円という相場が妥当なのかもしれません。
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