年収300万円でマイホームを買う方法
全国のマイホームにかける平均金額は4,606万円なので、1800万円では平均的な大きさの家は建てられませんが、平屋にしたり、土地の安い田舎に住むことで満足のいくマイホームを建てることが出来るでしょう。
実際にマイホームのためのローンを組む人の年収別割合で、年収300万円以下の人は2割ほどいます。
決して年収300万円で家を建てることは夢物語ではないのです。
マイホームにかけるローンは年収の5倍
家を建てる人のほとんどは、ローンを組むことになります。一般的にローンの限度額は年収の5倍と言われています。
それ以上のローンを組むことも不可能ではありませんが、返済のことまで考えると年収の5倍が限度でしょう。
よって、年収300万円の場合は、1500万円がローンで借りられる限度額となります。
若いうちにローンを組むメリットとデメリット
住宅ローンを契約する時の平均年齢はおよそ40歳です。
20代や30代前半のように若いうちにローンを組むことにはメリットとデメリットがあります。
メリット
若いうちにローンを組むことで返済までの期間が長くなります。
30歳なら35年ローンを組んでも65歳には返済が完了しますが、40歳では25年でローンを組まないと同じ65歳に完済になりません。
もちろん、長く返していく方が月々の返済額が少なくなり、家計への負担も小さくなります。
デメリット
若いうちにマイホームを購入するデメリットは転勤や離婚など、住宅を手放すリスクがあることです。
転勤の場合は、単身赴任をしたり、自宅を貸し出して家賃収入を得るといった対策も出来ますが、離婚の場合は、住宅を売却することになるでしょう。
近年では三組に一組が離婚をしており、特に結婚から数年が一番離婚のリスクが高いので、若いうちからローンを組むこと自体がリスクになります。
マイホームの頭金の目安は総額の1-2割
頭金を用意できれば、ローンの限度額以上のマイホームを建てることが出来ます。
一般に家を買う場合の頭金は、総額の1-2割が平均です。
よって、300万円を事前に用意出来れば、ローンの1,500万円と合わせて1,800万円の家を建てられます。
親からの支援
全員が受けられるものではありませんが、親からの支援がある場合、頭金に当てて月々の返済額をさらに減らすことが出来ます。支援を受けられた人の平均支援額は約500万円です。
ただし、支援を受けられた人の割合は全体の2-3割程度なので、始めから計算に入れるのはおすすめしません。
ローンの毎月返済額
1,500万円を35年で返済する場合、金利にもよりますが、毎月約45,000円の返済になります。
ボーナスを返済計画に入れていない状態で計算しましたが、年収300万円なら毎月の手取りが20万円前後のため、かなりぎりぎりの返済額になるでしょう。
ぎりぎりの返済額をおすすめしない理由
毎月の給与とボーナスを当てにして返済計画を立てた人達は、およそ10年ごとにある世界的な不況によるボーナスカットや残業代カットの影響を受けて住宅を手放すことがあります。
よって、ボーナスがカットされたり、転職して給料が下がっても返済出来るような余裕のある返済計画を立てる方が良いでしょう。
年収300万円で家を建てる場合に使える制度
年収300万円で1,800万円の家を建てる際に使える公的な制度は2つあり、合計で150万円以上お得に家を建てられます。
住宅ローン控除
住宅ローンを組み、特定の条件を満たすと、住宅ローン減税を受けることが出来ます。
年収300万円で1,800万円の家を購入する場合に受けられる減税額は、およそ115万円です。
すまい給付金
すまい給付金は、消費税増税に対して家を購入しやすくするために新設された制度で、年収775万円以下であることなどの条件がありますが、年収300万円の場合は、最大の50万円の給付を受け取ることが出来ます。
年収300万円なら建売一択
予算1,800万円でマイホームを購入するなら、建売を選ぶ方が良いです。
一般的に注文住宅に比べて建売の方が10-20%もトータルの費用が安いからです。
細かい注文を聞く人件費を削ったり、材料の大量注文が出来る分、建売の方が安くなるのですね。
大手不動産会社のホームページで1,800万円以下で検索すると、流石に東京の一等地には物件は見つかりませんでしたが、栃木・群馬・茨城と東京の周辺にもたくさんの物件を見つけることができます。
マイホーム購入での後悔第一位は・・・
マイホーム購入による後悔の第一位は、購入後の金銭面の苦しさです。
事前にしっかりとシミュレーションしているのにも関わらず、住宅購入者の約15%は住宅購入後の資金繰りに不安を抱えています。
理由1:収入減
住宅購入時には十分な収入があった人も、ボーナスカットや残業代カット、転職により収入が減ってしまうこともあります。
日本人はわりと転職をしない傾向にありますが、それでも平均勤続年数は11.8年です。
自分が転職する気がなくても、会社が廃業することもあります。
また、近年ではコロナショックによりボーナスカットや残業禁止になった人も多く、これから先も世界情勢によっては、似たようなケースが起こることもあるでしょう。
このように、住宅購入には30年近くローンを払い続ける必要がありますが、30年間も収入が安定し続けている人の方が少なく、ローン返済で資金面に不安を抱える人が多いのは当然のことです。
理由2:想定外の支出
ローンを組む際には計算されていない支出がマイホーム購入には付き物です。
固定資産税はシミュレーションに含まれていても、修繕費や子供の教育費など、マイホーム購入後にかかるすべての支出を把握してシミュレーションを組むことは不可能です。
ギリギリの計画でローンを組んでしまうと、病気一つで返済計画が狂ってしまうこともあるかもしれません。
まとめ:年収300万円でも家を建てられる
年収300万円でマイホームを考えた場合は、土地代込みで1,800万円が限度です。
頭金を300万円用意出来れば、35年ローンで月々約45,000円の返済となり、決して非現実的な金額ではありません。
また、上記の金額の場合は、税金が115万円安くなり、50万円の給付金も貰えるため、実際には、もう少し生活が楽になるでしょう。
しかし、35年という歳月は長く、失業や離婚などのリスクを考えると安易に契約をするべきではありません。
また、修繕費や固定資産税のような細かい出費も増えるため、注意が必要です。
それらに注意さえすれば、年収300万円でもマイホームの夢を叶えることは十分に現実的なものとなるでしょう。