年収300万円のFIRE戦略


 現在日本で流行っている『FIRE』というワード。このFIREは近年新しく出来た概念ではなく、かつての日本では『早期リタイア』と呼ばれていました。


 どの時代のサラリーマンも一度は夢を見る早期リタイアですが、毎日を慌ただしく生きているサラリーマンには、そんな先のことを考える余裕がないのも事実。

 ましてや『自分は安月給だから・・・。』と考えているサラリーマンも多いことでしょう。


 しかし、年収300万円でも戦略的に資産を構築していけば、10年でFIREを達成することができます。


 今回は、そんな年収300万円でFIREを達成する具体的な手順を解説します。


FIREを達成するのに必要な資金

 FIREを達成するためには、『自分の資産が運んでくるお金だけで生活が出来る状態にする。』必要があります。

 例えば、米国株式に投資をした場合、毎年約10%のリターンが期待出来るので、100万円を投資すれば、10万円が働かなくても自分の口座に入金されるようになります。

 つまり1000万円の資金があれば、毎年100万円。2000万円なら毎年200万円が不労所得になります。


 もう一つFIREにおいて大切なことは、支出を減らすことです。

 先程の例を参照すると、1年を100万円以下で生活出来る人なら資産1000万円でFIRE出来ますし、年間300万円必要な人なら資産を3000万円貯める必要があります。

 年収300万円でFIREを達成することは、普通に考えるとかなり難しいことですが、支出を最小限にすることで、最短10年でFIRE生活を始めることが出来ます。


年間100万円以下で生活する方法

 最短でFIREを達成するためには、支出を減らす必要があることが分かりました。

 物価の高い日本ですが、しっかりと計画的に準備を行えば、年間支出100万円以下に抑えることは容易に出来ます。


1.家賃(〜2万円)

 FIRE生活で一番の支出となるのは、間違いなく家賃です。

 さすがに東京で家賃2万円以下の物件を探すとなると骨が折れますが、埼玉県や神奈川県でも家賃2万円以下の物件はたくさんあります。

 それらの物件は交通の不便な所が多いですが、どうせ毎日出勤する訳でもないので、とびきり自然豊かな所に引っ越してしまうのも良いかもしれませんね。


2.車(0円)

 細々とお金がかかるので、あまり意識していない人も多いですが、車を所有するだけで年間
30-50万円もかかっています。

 FIREをしたのなら、通勤に使うことがないので、毎日車が必要になることはないでしょう。

 必要なときだけタクシーを使う方が確実に安くなるので、車を手放してしまいましょう。


3.税金(20万円)

 FIREした後の収入源は、投資によるものになります。

 投資家にかかる税金は、一律で20.315%です。

 よって、100万円の所得にかかる税金は約20万円になります。


4.生活費

 ここまでのトータルで、年間約44万円の支出が確定しました。

 残りの56万円を12ヶ月で割った4万6千円が一ヶ月の生活費になります。


 電気・ガス・水道費は、サラリーマン時代に比べて在宅時間が長く、高くなるので意識しておきましょう。

 また、いくら田舎に引っ越したからといっても、スーパーの食材の値段は都会と対して変わらないので、注意が必要です。

 それでも計画的に使うなら、4万6千円もあれば十分生活が可能です。


10年で1000万円を貯める方法

 それでは、1000万円を10年で貯めるには、毎月どれくらい貯金していく必要があるでしょうか。

・年利10%
・毎月定額積立
・1000万円達成時に一括納税

以上のルールで積立を行う場合、毎月5万4千円の積立を行えば、10年後には納税後も1000万円の資産が残っている状態になります。


 年収300万円で毎月5万4千円を貯めるのは大変ですが、日々の生活を見直して少しずつ改善していけば、それほどストレスなく貯めることが出来る額です。

 FIRE後の生活の準備のためにもなるので、お金を貯めつつ節約の方法を学んでいきましょう。


 毎月5万4千円貯めるコツとして、『節約』と『副業』を紹介します。


節約

 まず最初に行ってほしいのは、固定費の節約です。

 日本人が一生で支払う保険料は総額1000万円にもなります。

 不要な保険を見直すだけでもかなりの節約効果になります。

 また、大手キャリアのスマホや、不要なサブスクリプションを見直すことも重要です。




副業

 節約で5万4千円を捻出できそうにない場合は、副業に取り組むのも良いです。

 特にブログやYouTubeのような資産価値のある副業を行えば、FIRE後の生活に余裕が出来ます。

 副業のジャンルの選び方は、『興味のある分野』と『スキルが身に付く仕事』がおすすめです。




まとめ:年収300万円でもFIREは可能

 年収300万円でFIREをするには工夫が必要ですが、正しい方法で継続させれば誰でも達成することが出来ます。

 年収が低いからとFIREを諦めるのではなく、どのように行動すれば達成出来るのかを考えると意外にもFIREが夢物語ではないことが分かります。