ハワイのウェイトレスは年収1000万!!


 円安が急激に起こっている日本では、海外で出稼ぎをしている人達の体験談がニュースで取り上げられています。

 『ハワイでウェイトレスをしている人は、チップ込みで年収1000万円になる!!』

 このようなニュースを見ると、閉塞感のある日本から離れて海外へ出稼ぎを考える人もいるでしょう。


 それでもアメリカへ出稼ぎに行くことはおすすめしません。

 なぜアメリカで出稼ぎをするべきではないのか6つの理由を解説します。




ハワイの平均年収

 日本の平均年収は、およそ430万円です。

 一方、ハワイの平均年収は、およそ770万円です。

 ハワイの年収は日本の年収の1.7倍になります。


 これは、アメリカの他の州と比べてもかなり高い水準です。


ハワイの物価

 ハワイの物価はアメリカの州の中でも高く、日本の物価の約1.5〜2倍です。

 例えば、500mlペットボトルのコカ・コーラは、日本のスーパーでは100円前後ですが、ハワイでは約300円

 スーパーのお弁当は、日本では600円程ですが、ハワイでは1000円程となっています。


 せっかく給料が1.7倍でも、物価も同じくらい高いので、実質的な給料は同じになります。

 ハワイはアメリカ本土のみならず、世界の大陸から孤立した場所に位置しているため、あらゆる商品に高額な輸送費が上乗せされていることが、これほどまでに物価が高い要因です。


ハワイの健康保険

 アメリカの社会問題の一つに、高額な医療費負担があります。

 日本に住んでいる我々は、国民皆保険制度に守られ、大きな怪我や病気をしても、その医療費の大半は保険でカバーされます。


 例えば、日本で初診時に掛かる費用は1000円未満で済みますが、アメリカの場合は1.5〜3万円もの費用が掛かります。

 アメリカ州の一つであるハワイに住む場合は、大きな病気のリスクを考えると、5000万円程度の補償がある保険に入ることが必須となるでしょう。


 よくある勘違いとして、クレジットカードに付帯されている保険があるから大丈夫と考えることがありますが、クレジットカードに付帯されている保険は、期間が90日と短く、補償額も医療費なら100万〜200万円ほどと、アメリカの高額な医療費をカバー出来るものではありません。


円安だからハワイでの年収が高く感じる

 冒頭でも述べたように、海外への出稼ぎに関する話題が上がるのは決まって円安の時です。
 2022年11月現在、日本円は強い円安トレンドになっています。

 このような時には、相対的に海外通貨の価値が高くなるため、海外への出稼ぎが魅力的に見えるのです。

 しかし、日本のような経済大国の為替相場は、歴史的に見ても一定の範囲で上昇と下落を繰り返しており、今の円安相場はいずれ解消される可能性が高いです。


ハワイ出稼ぎの生存者バイアス

 実際にハワイで出稼ぎをして年収1000万円になった人は一定数いるでしょう。

 しかし、その裏には日本で働いていた時と変わらない給料の人や、職を失ってしまった人も大勢いるでしょう。

 メディアで報じられるのは、成功者ばかりです。我々視聴者がハワイへの出稼ぎが簡単に儲かるように感じるのは仕方のないことなのかもしれません。


ハワイでは簡単に解雇出来る分給料が高い

 アメリカの給料水準が日本に比べて高額なのは、正社員であろうと簡単に解雇することが出来るからです。


 日本のように終身雇用が補償されていると、真剣に働かない社員が必ず生まれます。

 アメリカで働く人々は常に解雇のリスクと闘っているため、日本人に比べ生産性が高くなり、平均給与も高くなります。

 また、企業としてもいつでも労働者を解雇出来るので、リスクを抑えられる分、従業員へ利益を還元することが出来ます。


 日本人がハワイに出稼ぎに行った所で、特に専門的なスキルがなければ、いつでも解雇されることを念頭においておかなければなりません。


まとめ:ハワイへの出稼ぎは辞めておけ


 ハワイへの出稼ぎは、物価の安い日本から見ると手取り額が上がりお得なように感じますが、実際にはそれ以上に支出額も増大するのでトータルで見ると損をするのが普通です。

 もし、海外に渡航するだけの行動力があり体力にも自信があるなら、国内でカニなどの遠洋漁業をする方が効率良く稼げるでしょう。


 カニ漁については、こちらの記事で解説しています。