カニ漁は年収1000万円も狙える!!


 『借金を返済出来ないとヤクザにカニ漁の船に乗せられる。』という都市伝説を聞いたことはあるでしょうか。


 それはカニ漁が儲かることと、債務者が逃げられないこと、最悪保険をかけて海へ捨てることも出来るからというのが理由のようです。

 もちろん昔はどうか分かりませんが、現代でそんなことをしたら間違いなく捕まってしまうので、その心配をする必要はないでしょう。


 気になるカニ漁の月収は、『30〜40万円+出来高』となり、大漁の時は月収100万円を超えます

 しかし、漁をする期間は短く、カニ漁師の年収は500万円~1000万円になります。


ブラック企業以上に過酷な労働条件


 月収100万円を狙えるカニ漁ですが、その労働条件はブラック企業が優しく思えるほどの過酷な労働条件です。

 まず、遠洋漁業になるので、一度船を出したら数ヶ月船の上で生活することになります。
 体調を崩しても、怪我をしても、陸に帰ることは難しいでしょう。


 さらにシーズンが限定されていることと、燃料費も高額なため、短い期間に出来るだけ多くのカニを取ることを求められます。

 1回に2時間かかる漁を1日に12回行うこともあり、合間の時間に休憩する以外は寝る間もなく働き続けます。

 過酷な肉体労働のため、よほど体が丈夫でないと一日も持たないでしょう。



 過酷な条件はさらに続きます。

 カニ漁のシーズンは真冬の11月〜3月がシーズンです。

 そして、漁場は日本海の越前地方や、北海道沖のオホーツク海です。

 冬のオホーツク海は−20度にもなり、さらに風の遮る事のない海上は、陸地と比べ物にならない暴風が吹き荒れており、体感温度−40度にもなります。



 最後に、船長を始め、乗組員全員が目の前の大金を手にするために文字通り命がけの仕事をしているので、怒号罵声が飛び交います。


ベーリング海のカニ漁なら年収1億円も狙える!!


 『ベーリング海のカニ漁』は日本のカニ漁よりもさらに儲かります。


 ベーリング海は、アメリカのアラスカ州とロシアのシベリアとの間に広がる海峡です。

 日本よりさらに北極に近く、世界で最も過酷なカニ漁が行われています。


 残念ながら、アメリカが漁業権を持っているので、日本人がここで漁をすることは出来ませんが、わずか3ヶ月の漁で数千万円から1億円以上の年収を手にします。

 毎年、この破格の給料に釣られて求人への応募が殺到しますが、10人中10人が長続きしないそうです。


カニ漁師の求人


 カニ漁師の求人情報は、一般的に出回っていません。

 『全国漁業就業者確保育成センター』で、漁師になるための情報を入手することが出来ます。


 興味のある方は一度上記のリンクからHPをご覧になってください。

 農業と同じく、漁業も担い手が少なく常に人材を探しているため、親身に相談にのってくれます。


カニ漁に必要な資格


 カニ漁を行う際に必要な資格はありませんが、持っていると収入アップに繋がる資格が2つあります。

 船を操縦するための『小型船舶操縦士免許』と、海上で他の漁船とやり取りするための『海上特殊無線技士』の2つです。

 カニ漁に同行するだけなら無資格でも十分に稼げますが、いずれ雇われ船長になったり、自分の船を持つことを考えている場合には必須になります。


その他の遠洋漁業の年収は?


 カニ漁だけでなく、遠洋漁業は他の漁業に比べて高給取りです。


『カニ漁』

イカ漁

マグロ漁

カツオ漁


 上記の漁はすべて遠洋漁業ですが、ベテラン漁師になるとどれも半年の労働で年収1000万円が狙えます。

 反対に毎日陸に帰れる沿岸漁業は、平均年収300万円となり会社員と比べてもかなり安い給料になってしまいます。


カニ漁師に求められる能力


能力1:体力

 カニ漁師に求められる能力のうちもっとも重要なのは、体力です。

 海底に生息しているカニを捕獲するには、底引き網やカニかごを海底まで沈めた後に、それを引き上げなくてはなりません。

 1~2時間ずっと縄を引き続けるので、腕力や握力が必須です。


 また、カニ漁は冬に最盛期を迎えますが、海上は風を防いでくれるビルや山々がないので、地上よりさらに寒いです。

 体感温度-20℃で一日中働き続ける体力も求められます。



能力2:海が好き

 自然を相手にするカニ漁は、機械相手のようなマニュアルが通用しません。

 ちょっとした天候の変化などを察知するために、海や自然に興味があることが望ましいです。

 また、毎日働く職場が海になるので、海の匂いや雰囲気が嫌いという人が漁師しても、長く続けることは難しいでしょう。


能力3:コミュニケーション能力

 狭い船内でチーム作業をするカニ漁は、他の漁に比べてコミュニケーション能力が求められます。

 特に出来高制のカニ漁は、生活のために必死で働いている人が多いので、怒号や罵声も飛び交います。

 そういった現場で円滑な仕事を行うには、やはりコミュニケーション能力は必須でしょう。


 また、将来的に役職を持つようになれば、変わり者の多い漁師を束ねるリーダーシップも欲しいところです。


能力4:共同生活に抵抗がない

 何ヶ月も海上で漁を続けるカニ漁は、数ヶ月間に渡り船内での共同生活をします。

 もちろんその間にプライベートな時間はなく、常に周りに人がいる状態が続きます。

 一人の時間が好きだったり、一人の時間が必要だと考えている人には、カニ漁は難しいでしょう。


カニ漁師のメリット


メリット1:達成感がある

 出来高制のカニ漁は、1匹捕れるごとに達成感を感じます。

 特にカニは1匹平均5,000円ほどになるので、その達成感も大きいです。


メリット2:自然の中で仕事が出来る

 日々都会のビルや工場で働いている人は、精神的に疲れている人が多いです。

 そのような人たちの中には、大自然の中で仕事が出来ることに憧れを抱く人もいるでしょう。

 特に海が好きな人にとっては、天職かもしれません。


メリット3:学歴不問で高収入

 学歴不問の仕事は、誰にでも出来て低収入の仕事がほとんどです。


 カニ漁は、学歴不問でありながら高学歴の収入よりさらに高額になります。

 学生時代に学業に専念出来なかった人が一発逆転を狙うなら最良の選択肢になるでしょう。


メリット4:定年がない

 カニ漁には定年がありません。

 そもそも漁師全体の平均年齢は56.7歳です。

 多くの会社員が定年後の再雇用で収入が激減する中でも高収入を維持出来ます。


カニ漁師のデメリット


デメリット1:家族と暮らせない

 海上で生活するカニ漁師は、一度漁に出かけると数ヶ月家に帰ることはありません。

 特に、新婚や子供が生まれたばかりの人にとっては、不安や不満が溜まるでしょう。


デメリット2:危険と隣り合わせ

 噂で言われているほど起きていませんが、実際に死亡事故も起きています。

 それ以外にも、網を引く時に指を切ってしまっても病院に行けないので、最悪麻酔なしで素人が縫うこともあるでしょう。

 もし虫歯になったらペンチで抜かないといけないかもしれません。


 このように細かい怪我や事故が起きてもその度に港に戻ることは出来ないので、その場で対応することもあります。


デメリット3:船酔い

 乗り物酔いしやすい人にとっては、カニ漁は難しいかもしれません。

 特に冬の日本海は波が高く、カニ漁で使う小型の船は、フェリーのような大型船に比べて感じる揺れの大きさも桁違いです。


まとめ:カニ漁は儲かるけど超過酷


 カニ漁は、数ヶ月の労働で年収1000万円も狙える夢のある仕事です。

 それでも働き手が足りないのは、仕事内容が世界一過酷だからです。

 もし、体力に圧倒的な自信があれば、一度挑戦してみるのも良いでしょう。