南アフリカランド投資の長期投資は儲かる?


 南アフリカランド投資は、その金利の高さから、日本の個人投資家にも人気の手法です。


 かつては、為替相場の長期的な下落トレンドにより、あまり安定感のない投資でしたが、近年の円安傾向もありランド/円相場が安定し、スワップポイント狙いの投資に旨味が出てきました。


 そこでこの記事では、南アフリカランドで不労所得を得るための必要資金や南アフリカランド投資のメリットなどを解説します。


南アフリカ投資の必要資金


 高金利通貨を長期投資する際のレバレッジは3倍以内が推奨されています。

 レバレッジ3倍以内なら、◯◯ショックのような世界的な金融危機が起きても、ほとんどのケースでロスカットせずに済みます。

 ここではレバレッジ3倍で南アフリカランドを保有した場合に必要な資金を計算します。


月5万円稼ぐために必要な資金

 月5万円あれば、生活費の足しにしたり、月に一度旅行に行ったりと、人生の楽しみが増えるでしょう。

 月5万円をスワップポイントで稼ぐためには、レバレッジ3倍で約365万円必要です。


月10万円稼ぐために必要な資金

 月10万円あれば、今の会社を辞めても、しばらくアルバイトとして生活も出来ます。人生の選択肢が増えるでしょう。

 月10万円のスワップポイントを得るには、レバレッジ3倍で約730万円必要です。


月15万円稼ぐために必要な資金

 月15万円あれば、極限まで生活費を節約すれば、セミリタイアも可能です。週二日だけ働いて生活の足しにするのもよいでしょう。

 月15万円のスワップポイントを得るには、レバレッジ3倍で1095万円必要です。


月20万円稼ぐために必要な資金

 月20万円あれば、普通の会社員の給料分を不労所得で稼いでいることになります。いよいよ本格的に清見リタイアが出来るでしょう。

 月20万円のスワップポイントを得るには、レバレッジ3倍で1460万円必要です。


南アフリカランド投資のメリット


メリット1:為替相場が安定的

 高金利通貨はその特性から、為替相場が下落しやすいです。

 南アフリカランドも確かに長期的には下落していますが、他の高金利通貨と比べて非常に緩やかです。

 通貨価値の下落による含み損より、スワップポイントによる含み益の方が大きくなることがほとんどなので、長期的に保有しているだけで利益が積み上がることになるでしょう。


メリット2:金利が安定的

 せっかく通貨下落のリスクを負ってまで南アフリカランドのポジションを持っても、将来的にゼロ金利になってしまっては、意味がありません。

 その点南アフリカの政策金利は、過去10年で見ても2020〜2021年にかけての3.50%が最も低い金利で、平均して5%以上になっていることが多いです。


 南アフリカのように経済的に成長している国は、慢性的に高インフレになってしまうので、その抑制策として高金利政策を行うのが金融業界の常識になっています。

 よって、これから先も南アフリカが発展していくだろうと予想する方は、南アフリカランド投資をするとよいでしょう。


 個人的な意見ですが、私はこれから先もこの傾向が続くかなと予想しています。


メリット3:FX唯一のアフリカ大陸国

 FXは会社によって違いはありますが、20〜50カ国ほどの国々の通貨を取り扱っています。

 そしてそのほぼすべての会社にとって唯一のアフリカ大陸の通貨が南アフリカランドです。


 アフリカ大陸はこれから先、人口増加と経済発展が起きるとされています。長期投資(スワップポイント投資)こそ、その成長の果実を受け取れるでしょう。


 また、アフリカ大陸への投資銘柄は多くないので、例えば米国株式をメインの投資先としつつ、南アフリカランドのスワップポイント投資をサブの投資先として分散投資とするのも有力です。


南アフリカ投資のデメリット


 南アフリカランド投資のデメリットは大きく分けて7つあります。

 それらを知っていることで、そのリスクを軽減出来ます。


南アフリカランドの7つのリスク
・モノカルチャー経済
・エイズ感染者
・教育レベル
・失業率
・高い犯罪率
・電力不足
・ストライキ


 下のリンクページで7つのリスクについて解説しているので、南アフリカ投資をしている方はぜひご一読下さい。




南アフリカランドの金利が高い理由


 南アフリカランドの政策金利が高い理由は、南アフリカ共和国のカントリーリスクが高いからです。

 もし、米ドルと南アフリカランドの政策金利が同じ場合、10人中9人は安全な米ドルを持ちたいと思うでしょう。

 そうならないために、リスクの高い南アフリカは政策金利を高くすることで資金が流出するのを防いでいるのです。


 その他にも、南アフリカのような成長著しい国は、物価上昇率(インフレ率)が高くなります。

 そのまま放置すると最悪の場合、ハイパーインフレに陥ることもあるので、政策金利を高くすることで景気の過熱を防いでいます。


 このように、2つの観点から南アフリカの政策金利は高くなっているので、少なくとも明日から日本と同じような低金利政策を行うことは考えにくいです。

 これからスワップポイント投資を始めても、しばらくの間は安定したスワップポイントを毎日受け取れるでしょう。



南アフリカランドが上がる要因


上昇要因1:世界経済が好調

 世界経済が好調なら、南アフリカランドは上昇します。


 南アフリカランドは高金利が魅力の"リスク資産"なので、世界経済が好調で投資活動が活発になると買われます。


 そのほかにも南アフリカは、プラチナなどの希少金属の産出国なので、世界中の工場が稼働するほど南アフリカが儲かると思われて買われます。


上昇要因2:金・プラチナ価格の上昇

 メキシコは希少金属の産出国で、金は世界8位、プラチナは世界1位の産出量を誇っています。

 どちらも美しさから宝飾用にも使われますが、スマホや自動車など工業製品にも幅広く使われています。

 世界経済が好調で工業製品がどんどん作られている時期には、南アフリカから希少金属がたくさん輸出されます。

 そうなると、輸出に際して南アフリカランドが買われて為替相場が上昇します。


上昇要因3:南アフリカの経済指標が好調

 南アフリカの経済指標が好調なら、南アフリカランドの為替相場は上昇します。

 特に、インフレ率は新興国の経済状況を把握するのに使われる重要な指標です。

 その他にも、日本のような終身雇用ではないので、失業率も経済状況を反映しやすいです。


上昇要因4:中国経済が好調

 南アフリカの貿易相手は、輸出入ともに中国がナンバー1です。

 南アフリカ貿易のうち、輸出の10%、輸入の20%は中国相手です。


 中国は、列強から遅れて経済発展をしたため、最後のフロンティアとしてアフリカ大陸への影響力を強めようとしています。

 政策の方針転換が起こらない限りは、これから先も南アフリカ経済は中国抜きには語れません。


上昇要因5:政策金利の引き上げ

 為替相場の決まり方は、よく"美人投票"に例えられます。

 米ドル、ユーロ、南アランドと様々な国の通貨がある中で、人気のある通貨は買われて為替相場も上昇します。


 もし、政策金利がどの通貨も同じ場合、世界の端にある小国"南アフリカ"の通貨よりも、世界一の経済大国である"アメリカ"の通貨の方が人気で買われやすいのは言うまでもありません。

 それでは南アフリカランド相場が暴落してしまうので、南アフリカ政府や中央銀行は高金利政策を実施して通貨の魅力を高めています。


 そういった背景から、南アフリカの政策金利が引き上げられると、より魅力的な通貨となり世界中の投資家が金利収入を得ようと購入して、為替相場も上昇します。


上昇要因6:先進国の政策金利の引き下げ

 南アフリカの政策金利が据え置きでも、先進国の政策金利が引き下げられると相対的に南アフリカランドの政策金利が高く見えるので、買われるようになります。

 その他にも、同じ高金利通貨のメキシコペソやトルコリラの政策金利が引き下げとなっても、投資家は他の高金利通貨へと資金を動かそうとするので、南アフリカランドが買われます。



南アフリカランドの今後

 南アフリカランドの今後は、緩やかな下落が続くと予想しています。

 南アフリカのような新興国は、市場規模が年々拡大(インフレ)しているので、物価上昇率(インフレ率)がどうしても高めになります。

 物価が上昇するということは、相対的に通貨の価値が下がることでもあるので、これから先も南アフリカが経済発展を続ける限り、為替相場は緩やかな下落を続けるでしょう。

 それでも過去の南アフリカを見ていると、インフレ率よりも政策金利の方が高いことが多いので、これから先も南アフリカランドを保有しているだけで資金を増やしていけるでしょう。



まとめ:南アフリカランド投資は将来の成長性への投資


 個人的な意見としては、南アフリカランドは、メキシコペソの次に優良なスワップポイント銘柄であると考えています。

 メキシコに比べ安定感は劣りますが、今後20年30年後の成長性は南アフリカの方が上ではないでしょうか。

 もし、今後アフリカ大陸がアジアのように経済発展していく未来に賭けたい方は、ぜひ南アフリカランドでスワップポイント投資を行ってみてください。


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