トルコリラが上昇トレンドに転換するのはいつ?
高金利として人気のトルコリラが上昇トレンドに転換すれば、有力な投資先になることは間違いありませんが、その展望はまったく見えません。
この記事では、なぜトルコリラは上がらないのかを分析し、今後トルコリラが上昇トレンドに転換するのはいつなのかを解説します。
トルコリラはなぜ上がらないのか
トルコリラが下落を続けている最大の要因は、高インフレ時の低金利政策によるものです。
本来、今のトルコのような高インフレになっている国は、高金利によりインフレ抑制をする必要があるとされていますが、エルドアン大統領はまったく逆の考えを持っており低金利政策を続けています。
今更高金利政策を行ってしまうと、今までの自分の政策を否定することになるので、少なくとも現大統領の交代が行われるまでは低金利政策を維持し、トルコリラは下落を続けるでしょう。
大統領の交代時期
大統領の交代時期1:大統領選挙
エルドアン大統領の任期は2023年6月までに行われる大統領・議会の同時選挙までです。
しかし2022年6月、その大統領選挙にエルドアン大統領は出馬を表明したため、もしその選挙で与党が勝利すると、エルドアン大統領の任期が4年延長されます。
よって、選挙で与党『公正発展党(AKP)』が敗北すれば2023年の6月頃まで、勝利すると2027年頃までエルドアン大統領体制が続きます。
大統領の交代時期2:クーデター
もう一つの可能性として、クーデターによる大統領交代の可能性もあります。
今のトルコ共和国は、1923年に建国された若い国で、100年間に12人の大統領が権勢を振るってきましたが、そのうち2人がクーデターにより政権崩壊しています。
そしてエルドアン政権下でも2016年に大規模なクーデター未遂が起きており、一説によると4万5千人以上が粛清の対象になりました。
おそらく、エルドアン政権に不満を持っている人たちは、2023年の選挙の様子を静観し、もし納得のいかない結果になった時には、何かしらのアクションを起こすかもしれません。
大統領の交代時期3:体調不良
一国のトップとしてはまだ若い方ですが、エルドアン大統領も60代後半になり、いつ大きな病気になるか分かりません。
2021年に行われたG20では、写真撮影を終えて移動をする際に足元がふらついている映像が出回り体調不良説が広まっています。
もし、次の選挙にも勝利し、2027年まで任期をまっとうすると、73歳になっています。大統領はその権限の大きさから激務となることが多いので、体力的に仕事が難しくなるかもしれません。
トルコリラが上がる見込み
トルコリラが上昇するためには、まずは低金利政策をやめて適正な金利に引き上がる必要があるので、次の大統領が中央銀行の独立性を保ってくれる人でなければなりません。
その他にも慢性的な経常収支の赤字を克服したり、ここ数年10%台で推移している失業率を改善していければトルコリラ経済は上昇する見込みがあります。
政策金利については、大統領のさじ加減で急に変わることもありますが、経常収支や失業率の改善は数年単位で時間をかけて改善していくものなので、すぐにトルコリラが上昇することはないでしょう。
それでもトルコリラは上がらない?
大統領が交代し、一時的に政策金利を20%くらいまで上昇させれば、短期的にはトルコリラが上昇することはあるでしょう。
しかし、高金利通貨は原則としてその通貨価値を下げ続ける特徴があります。
この流れを変えて上昇トレンドに変わるには相当なエネルギーが必要になるのは明白です。
まとめ:トルコリラ上昇は長期的に待とう!
大統領が交代してもトルコリラが上昇トレンドに転じないこともあるでしょうが、少なくともエルドアン大統領体制下でトルコリラが上昇トレンドに転じることはまずないでしょう。
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