歩荷(ぼっか)とは


  歩荷とは、山小屋に食料や水などを歩いて届ける仕事です。


 時々テレビに取り上げられる仕事なので、映像を見たことがある方もいると思いますが、身長の倍ほどに積み上がった荷物を背負い、足場の悪い山道をひたすら登っていく、見ているだけで過酷さが伝わる仕事です。


 彼らのお陰で私たち観光客は、山小屋で美味しいご飯を食べることが出来ています。

 果たしてあまり知られていない 歩荷の給料や仕事内容とは何なのでしょうか。


歩荷の仕事について


給料

 やはり気になるのが 歩荷の給料です。

 一部正社員の人もいますが、多くの 歩荷はアルバイトとして働いており、日給歩合制になっています。

 例えば、山頂まで荷物を運ぶと重量1kgあたり120円支払われるという契約なら、100kg運ぶと120円×100kg=12,000円となります。

 少しでも効率的に稼ぐために、 冒頭でもお話したように、身長の倍ほどに荷物を積み運んでいます。


 ただし初めの内は、40kgくらいが限界なようなので、アルバイトとして働く場合は、日給4,000〜5,000円くらいを目安に考えておいた方が良さそうです。


仕事内容

  歩荷の一番の仕事は、物資を山小屋まで運ぶことです。

 それ意外にも、山小屋の業務を手伝ったり、山道の整備などの雑務を行う場合もあります。


運んでいる物

 メインはやはり食料や水ですが、それ意外にもプロパンガスのボンベやトイレのタンク、山道整備のための木材と、あらゆる物を運んでいます。


必要なスキル

体力

 まず間違いなく必要なのは体力です。いきなり50kgの荷物を運ぶと体を壊してしまうので、最初は20〜30kgくらいで体を作りつつ、徐々に重くしていきます。

 それでも山道を登るのは、平地を歩くのとは比にならないくらい体力が必要なので、普段からある程度体を動かしている30代以下でないと歩荷として働くのは厳しいでしょう。

山が好き

 どれだけ体力に自信があっても、天候や体調によっては、辛い日もあるでしょう。

 それでも歩荷の仕事を続けられるのは、山が好きだからでしょう。


就業場所

  かつては、多くの山で必要とされていた歩荷は、自動車の登場で衰退していき、近年では自動車では輸送出来なかった場所にも、ヘリコプターで輸送するようになり、絶滅の危機に瀕しています。

 一番有名なのは尾瀬ヶ原で、それ以外にも塔ノ岳鍋割山でも現役の歩荷が活躍しています。


時期

 一年中仕事のある場所もありますが、特に標高の高い山は、登頂出来る時期が決まっているため、春〜秋にだけ歩荷の仕事をして、登山シーズン意外は他の仕事をしている歩荷さんも多いようです。


山小屋は値段が高い?


 そんな歩荷のお陰で、登山家たちは自分たちで食料を持たなくても、山小屋で疲れた体を癒やす食事や宿泊を行えます。


 カレーやラーメンなど町の食堂なら700円くらいのものが山小屋だと1,000円。宿泊する場合は、素泊まりでも6,000円〜7,000円。食事付きだと10,000円〜12,000円。と、すべて2〜3割ほど割高になっていますが、そこまで食料を運んでくれた歩荷さんの労力を考えると、決してボッタクリではないと感じます。


まとめ:歩荷の仕事は儲からない


 歩荷の仕事は、過酷な割に給料は決して高くありません。

 それでも山が好きな人や、トレーニングのついでにお小遣いを稼ぎたい人にとっては、理想的な仕事でしょう。

 もし興味がある方は、『日本青年歩荷隊』で検索してみるとよいでしょう。


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