南アフリカランド投資はハイリスク?


 南アフリカランドは、高金利通貨として日本の個人投資家にも人気の通貨です。

 なぜ、南アフリカの金利は高いのでしょうか。それは、南アフリカ経済に問題があり、金利を高くしないと資金が集まらないからです。

 実際にネットで南アフリカランドを調べると、『やばい』とか『危険』というワードが散見されます。


 確かに南アフリカランドは危険な通貨ですが、その危険と言われている原因を知り正しい準備と対処が出来れば危険性を下げることは出来ます。


 そこでこの記事では、南アフリカランド投資の7つのリスクを項目に分けて解説を行います。

 最後まで読めば、安心して南アフリカランド投資を行えるようになります。




南アフリカランド投資のリスク7選!

リスク1:モノカルチャー経済

 南アフリカの主要農作物は、さとうきび、とうもろこし、小麦、ひまわりの種です。

 一見すると様々な農作物を育てているように感じますが生産量を見ると、

1位 さとうきび 1,948万トン
2位 とうもろこし 1,128万トン
3位 小麦 154万トン
4位 ひまわりの種 75万トン
となっています。


 第3位の小麦ですら、1位と2位の1/10ほどの生産量しかなく、ほとんどの農家がさとうきびかとうもろこしを育てていることが分かります。


 このような偏った生産をしている状態で、世界的にとうもろこしが豊作となり価格が暴落してしまったり、国内でさとうきびが死滅する疫病が流行ったりしたら、どれほどの餓死者や生活困難者が生まれるか見当も付きません。

 このように特定の産物に偏るモノカルチャー経済は、特定の現象に弱いという経済的な弱点があります。


リスク2:エイズ感染者

 南アフリカは、エイズの感染者数が世界で一番多い国です。

 国内人口の約20%がエイズ感染者だと言われています。


 これは、感染した人が悪意を持って人を襲い感染させたり、地元に根付いている『病は相手に移せば治る』といった呪術的な教えにより感染させてしまったり、様々な要因があります。


 エイズは発症してしまえば、数年で死亡してしまう病であるため、働き盛りの労働力が失われる点で経済的にもマイナスです。


リスク3:教育レベル

 日本にいると、90%以上の人は最低でも高校まで勉強をします。これにより、日本人のほぼ全員が文字を読み、会話をし、簡単な計算を行えます。

 今では、南アフリカでも教育が浸透し、識字率も90%を超えてきましたが、かつての黒人差別政策『アパルトヘイト』により、今も中年層を中心に言葉を満足に使えない人たちがいます。

 もちろん、彼らが出来る仕事は単純作業で所得の低いものになります。


リスク理由4:失業率

 南アフリカの失業率は約30%と世界でもワーストクラスの高さです。

 コロナショック前は、20%後半で推移していましたが、ここ数年は30%中盤で高止まりしています。

 日本の場合、失業者への手当がそれなりに整っているため、失業しても生活をしていくことは出来ますが、南アフリカの国力でそれを行うことは不可能です。

 先に述べた教育レベルの低さにより、新たな産業を興せる人材が少ないのも要因でしょう。


リスク5:高い犯罪率

 失業した人が生きるためには、略奪や強盗をするしかありません。

 南アフリカでは、失業により収入を失った人たちが、鉄道の電線やケーブルを奪い、鉄道が運休に追い込まれる事態にもなっています。

 それによりさらに経済が滞り、余計に失業者が増えることは想像に難くありません。


リスク6:電力不足

 南アフリカでは、度々電力不足による停電が起きています。

 停電してしまえば、労働者は仕事が出来なくなってしまうので、働きたくても働けない人が生まれてしまいます。

 主な要因として、発電量の80%以上を石炭に頼っており、政府は2030年までにこの比率を40%ほどに減らしたいようです。


リスク7:ストライキ

 南アフリカでは、年に数回大規模なストライキが起こります。

 ストライキ自体は労働者が権利を主張するために必要なものですが、もちろんその間経済が停滞してしまいます。


 時期によっては、停電とストライキが重なり、満足に仕事が出来ないということもあります。



安全に南アフリカランド投資を行うには

 南アフリカ経済は、経済・医療・教育など社会問題が山積みで、投資対象としてややハイリスクです。

 よって、長期投資の適正と言われるレバレッジ3倍以内を必ず守るようにしましょう。


 それでもロスカットをする可能性もあるので、さらに安全に投資をしたい時にはレバレッジを2倍や1倍まで下げておけば、ほぼロスカットになることはないでしょう。


 また、過去の値動きを見つつ極力最安値に近い位置でポジションを持てれば、さらにリスクを下げることも可能です。

 もし、現在の為替相場が直近の中でも高値の方に位置しているなら、下落するまで待ってから購入すると良いでしょう。

 ありがたいことに世界中の株価や高金利通貨の為替が暴落する規模のネガティブなニュースは、年に数回必ず起こります。



まとめ:南アフリカ経済はややリスクが高い


 南アフリカ経済は、7つの問題点を抱えており、日本のような大国と比べると、薄氷の上に立っているような状態です。

 現在、各問題の改善が進んでいますが、教育や医療に関しては、数十年経って効果が現れるものなので、まだまだ解決には至っていません。

 それでもこれから先、アフリカ大陸全体が発展し、国が豊かになっていけば、ますます改善が加速するはずです。

 もし、アフリカ大陸が発展する未来を予想している方は、南アフリカランドを購入しておくと将来大きな果実を実らせるかもしれません。



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