ラーメン屋は儲かる?


 ラーメンは日本の国民食となっており、うどんやそばよりも市場規模が大きい業界です。

 『自分ならもっと美味しいラーメンが作れる。

 『こうすればもっと儲かるのに・・・

とラーメン屋の開業に興味のある方も多いでしょう。

 実際にラーメン屋の開業は、『そば屋』や『パスタ屋』と比べても圧倒的に多く、その人気の高さが伺えます。

 しかし、初期費用が高いことや全国チェーン店の存在など、ラーメン屋経営の難しさを物語る側面もあります。


 そこでこの記事では、ラーメン屋の年収やメリット・デメリット、儲けるためのコツについて解説します。



ラーメン屋の年収


平均年収

 ラーメン屋の年収は、繁盛具合によって大きく変わりますが、黒字経営をしているオーナーの平均年収は約500万円です。

 そして繁盛店になると、年収1,000万円を超えることもあります。


 ただし廃業率も高く、10年後に生き残っているラーメン店はわずか10%です


一日何杯売れば良いか

 ラーメン屋で黒字化させる目安は一日70杯です。

 個人経営のお店で一日100杯売るようなお店は繁盛店と呼ばれます。


 もし、計画の段階から一日70杯売り上げる姿が想像出来ないときは、ラーメン屋を始めるべきではありません。


ラーメン屋の生存率

 ラーメン屋の生存率は下記の様になります。

・1年後の生存率70%
・3年後の生存率40%
・10年後の生存率10%

 これらの値は、ラーメン屋だけでなく飲食店や他の職種でもだいたい同じようなデータが得られます。

 10年後には10軒中9軒が廃業している厳しい世界だと言えます。



ラーメン屋の開業資金


 ラーメン屋を開業するために必要な資金はおおよそ1,500万円が相場です。

 主な金額はこちらの通りです。

・物件取得費(家賃の10ヶ月分)250~350万円
・改装費 500~800万円
・厨房設備費 200万円
・その他備品費 200万円
・合計 1,150~1,550万円

 その他にも最初の1年は赤字でも生活できるだけの生活費も必要になるでしょう。


ラーメン屋のメリット


メリット1:巨大なニーズ

 麺類の中で外食時に一番食べられているのがラーメンです。


 外食時によく食べる麺類を調査したアンケートでは、ラーメンは、『うどん』・『そば』・『パスタ』の2倍以上食べられているというデータもあります。

 また、他の調査では、『ラーメンを嫌いな人は国民全体の1%未満』という驚異的なデータもあります。


 ただし、その分店舗数もラーメン屋が『そば屋』や『パスタ屋』に比べて1.5倍多いので、競争が激しいとも言えるでしょう。


 それでも繁盛店になれば、他の飲食店では考えられないくらいの売上を達成するようになるので一攫千金の夢のあるビジネスと言えます。


メリット2:高い回転率

 お店のコンセプトにもよりますが、ラーメン屋のメインターゲットは"ランチ時の男性"になります。

 短い昼休みにサッと食べる客が多いので、他の飲食店に比べて回転率が高いです。



 ラーメン屋の1人あたりの滞在時間15~20分なので、1時間あたり3回転以上回せます。

 これがファミリー層向けの座敷タイプの『うどん屋』なら、滞在時間は30分~1時間になってしまいます。



 つまり、同じ席数で営業するなら、ラーメン屋は『うどん屋』の2倍以上の売上を狙える計算になります。


メリット3:狭い敷地でも営業可能

 ラーメン屋の厨房は、『他の飲食店』に比べてシンプルでスペースを取りません。

 さらに、カウンター席のみにすれば、かなり小さな物件でも営業できます。



 都心の家賃の高いエリアや、好立地なのに土地が狭く他の飲食店が見向きもしなかったような物件も選択肢に入れられます。

 また、単純に敷地が狭いほうが賃料も安くなるので、損益分岐点が下がるのもメリットとなるでしょう。


メリット4:ランチだけでなく深夜も売れる

 ラーメン屋で一番忙しいのは、間違いなくランチタイムです。

 ただしそれだけでなく、意外に見落とされがちなのは、『締めのラーメン』や『夜食のラーメン』です。


 他の飲食店は深夜に営業しても客が集まりませんが、ラーメン屋だけは深夜まで営業しても結構な客数が期待出来ます。

 試しに深夜に街をドライブしてみると、明かりの灯っている飲食店の多くがラーメン屋である事に気が付きます。


 深夜は人件費が高くなってしまうデメリットはありますが、それ以上に稼げる見込みがあるのならアルバイトを雇って深夜まで営業するのも手です。


メリット5:年間を通して安定した売り上げ

 ラーメン屋は、真夏こそ売り上げが下がりますが、1年を通して安定した売り上げになります。

 『かき氷屋』のような季節性の強い商材の場合、毎月の売り上げが不安定になるだけでなく、季節ごとに必要なアルバイトの数や仕入れる食材の量が大きく変わります。

 その度に、人員募集をかけたり仕入れ量を調整したりと、細かな仕事も増えていきます。


 そういった心配をしなくて良いので、経営の難易度も高くありません。


メリット6:フランチャイズ不要

 牛丼屋は『すき家』や『吉野家』のような全国チェーン店を選ぶけど、ラーメン屋は個人経営のお店を選んでいる人も多いのではないでしょうか。


 多くの飲食店がフランチャイズ契約をしているのは、大手チェーン店の看板による集客効果を期待してのことです。

 しかし、ラーメン屋の顧客のうち一定数は、そういったラーメンチェーンの画一的な味よりも個人経営の独特な味を好む人達もおり、そういった客層をターゲットにするのならわざわざ高い契約金を払ってフランチャイズに加盟するメリットはありません。



ラーメン屋のデメリット


デメリット1:ライバルが強い

ラーメン店のライバル1:全国チェーン店

 ラーメン屋には全国チェーンや『二郎系』といった強力なライバルが多いです。

 特にチェーン店については、圧倒的な物量で個人経営店では真似できない安値でラーメンを提供しています。

 例えば、最王手の『餃子の王将』なら醤油ラーメン(税込み550円)や餃子の王将ラーメン(税込み572円)が安めのメニューですが、しっかりと大きな具材が乗っており決してチープな印象はありません。

ラーメン店のライバル2:コンビニ

 かつてはラーメンをコンビニで食べるには、カップ麺しか選択肢がありませんでしたが、近年ではお弁当コーナーに本格的なラーメンが並んでいます。

 価格も500~600円程度と安く、個人経営のラーメン屋の強力なライバルになっています。


デメリット2:ガス代が高い

 豚骨ラーメンのスープを作る場合、1日中強火で煮込み続けないといけないので、ガス代が多くかかることは有名です。

 それ以外のスープの場合でも、いつでも熱々を提供しなくてはならないので、常に弱火にかけています。

 また、ラーメンを茹でるための鍋も常に熱しておく必要があります。

 一般的なラーメン屋で、毎月5-8万円はガス代がかかります。


デメリット3:『1,000円の壁』

 ラーメン業界には、 『1,000円の壁』という言葉があります。

 どんなに美味しいラーメンでも1杯1,000円以上出したい客はほとんどおらず、ラーメン屋の客単価が1,000円を超えることはほぼありません。


 商品やサービスの質を上げて単価を上げる工夫も大切ですが、いかに回転率を上げて低い客単価をカバーしていくかがラーメン経営の肝になります。


デメリット4:『ラーメン=太る』というイメージ

 ラーメンに対して健康的なイメージを持っている人はほとんどいないでしょう。

 むしろ、"糖分""脂質""塩分"と体に悪いものを大量に使っており、食べると太るという印象を持っている人が大半のはずです。

 そのようなイメージから、『本当はラーメンが食べたいけど、今日は別のものにしよう。』と嫌厭されがちです。

 そういった人たちのために、野菜の多く乗ったラーメン脂を控えめにしたラーメンなど、健康面に配慮したメニューも用意すると良いでしょう。


デメリット6:テイクアウトに対応していない

 早く食べないと麺が伸びることやスープがこぼれてしまうこともあり、ラーメン屋はテイクアウトに対応しにくい業界です。

 チャーハンや餃子などテイクアウト出来る商品もありますが、わざわざラーメン店にテイクアウト目的で来店する人は少ないです。

 これについては構造的な問題であり、一個人の努力でどうこう出来るものではないので、諦めてイートインに全力投球しましょう。



ラーメン屋経営のコツ


コツ1:コンセプトに合った立地

 安さとボリュームで勝負するなら、サラリーマンの多いオフィス街に出店するのが良いでしょうし、オシャレなラーメン屋なら賃料の安いロードサイドに出店する方が良いでしょう。

 立地に関しては簡単に変えることが出来ないので、コンセプトを考える段階から時間をかけて探しておきましょう。

 ただ、理想的な物件には既にライバル店が出店されていることが多いので、ある程度の妥協は必要です。


コツ2:安売りをしない

 ラーメン店は一つ一つ味や雰囲気が違い、客もそれぞれ好みが違います。

 一度ファンになってもらえば、たとえ他店より50円高くてもその店に客を奪われることはまずありません。

 元々薄利多売の飲食ビジネスで安易な安売りは厳禁です。

 それよりも、安売りをしなくて良いように料理の腕を磨き続ける努力をするべきでしょう。


コツ3:経営者としての意識を持つ

 ラーメン好きがラーメン店を始める場合でよくあるのですが、経営者としての意識がなく1ヶ月に何杯売れば黒字になるのかすら分かっていないことがあります。

 ラーメン屋を経営するために必要なのは、ラーメンの腕前よりも経営の腕前です。


 オペレーションに無駄がないか、周辺にライバル店が出店していないか、細かい所にまで気を配れるのが儲かる経営者です。


コツ4:こだわりを捨てる

 ラーメンの麺は、製麺所から購入すれば自分で一から作る必要はありません。

 さらにはスープも業務用の冷凍スープを使えば、一日中鍋を煮込み続けなくて済みます。


 たしかに時間とお金をかければ自分の納得するラーメンを作れますが、それが売れるラーメンかどうかは別物です。

 こだわって高い材料代とガス代を払うよりも、外注化した方が上手く経営が回ることもあるでしょう。


 大切なのは、経営者として毎月黒字化させることです。

 売り上げに影響を及ぼさないこだわりは捨てましょう。


コツ5:清潔感は超重要

 昔ながらのラーメン屋は、証明が暗く壁や床に油が飛び散っており、不衛生なイメージがあります。

 『ラーメンさえ旨ければ客は集まる!』という頑固おやじが店主のお店も面白くはありますが、万人受けはしません。


 男性ですら、油で汚れている机や椅子を触ってしまったら食欲も失せるものです。女性ならなおさらです。

 汚いより綺麗に越したことはありません。

 清潔感を意識したお店作りをしましょう。

 清掃を常時行うのはもちろんのこと、照明や壁紙の色までお店のレイアウトは清潔感のあるものにしましょう。


コツ6:トッピング・セット

 ラーメン店には『1,000円の壁』という言葉があり、客単価が1,000円を超えることはないとされています。

 しかし、トッピングやセットメニューを販売していけば『1,000円の壁』を破れます。


 メニュー表の一列目にシンプルで低単価なラーメンを載せるのではなく、"当店のおすすめ"としてチャーシューや煮玉子などのトッピングが乗った高単価なメニューを載せるだけでも客単価があがります。

 その他にも、定番の"ラーメン&チャーハンセット"も男性客を満足させつつ客単価を上げられるのでおすすめです。


 いかに、もっとも単価の安いラーメンを頼ませないかが、個人経営のラーメン店にとっては重要になります。



まとめ:ラーメン屋は競争が激しいが夢はある


 ラーメン店経営はライバルが多く難しいビジネスですが、日本の国民食になっており圧倒的な需要があります。

 それ故に、一度繁盛店になれば年収1,000万円以上も狙える夢のあるビジネスです。

 それでも、初期費用に1500万円は必要であったり、全国チェーンやコンビニと競争しなければならないので、経営戦略を練っていないお店は淘汰されていきます。

 元々ラーメン屋になることが夢である人以外は、『他の飲食店』も視野に入れると良いでしょう。