居酒屋経営は儲かるのか?
実際に居酒屋で提供されている『冷奴』は、自宅で作れば100円もしませんが、居酒屋なら400円くらいはするでしょう。
もちろん人件費や電気代など多くの支出もあるので少し高いのは仕方ありませんが、それでも高いと感じてしまいます。
そこでこの記事では、実際に居酒屋経営が儲かるのかについて解説します。
居酒屋経営の年収
居酒屋経営者の平均年収は、500~700万円です。
居酒屋は、儲かると言われているアルコールを販売しているので、他の飲食店に比べると平均年収は高めです。
居酒屋経営のメリット
メリット1:低い原価率
居酒屋のメニューは、原価率が低いことで知られています。
生ビールに関しては、1杯あたり150~200円が原価でそれを500円くらいで販売しているので、原価率40%とやや高めの設定になっています。
しかし、集客用の目玉商品については、どの飲食店でも利益を無視して原価率を高めに設定しているので、それと比べればそれほど高いものでもありません。
確かにビールだけを頼まれてしまうと、人件費等も含めれば赤字になってしまいますが、おつまみの定番である枝豆や冷奴、唐揚げ等は、1人前の原価が約50円なので、合わせて注文してもらえればトータルの原価率は一般的な飲食店の目安となる30%以下に抑えられます。
メリット2:高い客単価
居酒屋の平均客単価は、約4,000円です。
これはあくまで平均であり、儲かっている居酒屋の平均客単価は5,000円を超えていますし、あまり儲けていない居酒屋の平均客単価はなんとか3,000円を超えている状態です。
ラーメン屋には"1,000円の壁"という言葉があり、ラーメン屋の客単価が1,000円を超えることはまずないと言われています。
これと比べると、いかに居酒屋の客単価が高く儲かりやすいビジネスであるかが分かります。
メリット3:メニューで差別化
ラーメン屋さんなら醤油ラーメンや豚骨ラーメンなど、多少の味の違いはあれどどのお店も似たようなメニューになってしまいます。
しかし居酒屋なら定番のメニューに加えて、そのお店でしか食べられない創作料理をメニューに加えられます。
大手の居酒屋が取り扱っていないようなメニューを載せるだけで、簡単に大手居酒屋との差別化を図ることが出来るでしょう。
居酒屋経営のデメリット
デメリット1:ライバルが多い
居酒屋業界には大手企業が多数参戦しており、『鳥貴族』、『焼き鳥大吉』、『魚民』は全国にそれぞれ約600店舗ずつあります。
大手居酒屋は、大量仕入れでのコスト削減やオペレーションの徹底的な簡素化により、個人経営の居酒屋では太刀打ち出来ない安さで勝負をしています。
またチェーン店ならではのメリットとして、全国どの店舗でも同じ店作りになっているので、個人経営の居酒屋のような初見の入りにくさがありません。
それらの大手チェーン店に勝つには、"オリジナリティ"が求められます。
デメリット2:お酒離れ
居酒屋業界全体の傾向として若者のお酒離れによる売り上げ低迷が問題になっています。
全年齢で飲酒量の減少傾向にありますが、特に若者のアルコール離れが顕著なため、この傾向が続くなら今後さらに飲酒量が減っていくことが予測されます。
居酒屋という枠組みに囚われず、美味しい料理や楽しい空間を作りお酒を飲まない人も取り込めるようなお店作りが求められます。
デメリット3:トラブルが多い
どうしてもアルコールを提供する居酒屋は、他の飲食店と比べてトラブルが多いです。
ただし、事前に予測してマニュアルを作っておけば、多くのケースで大きなトラブルに発展することはありません。
また、若い男女を雇う場合は、アルバイト同士のトラブルが起こることもあるので注意が必要です。
居酒屋経営のコツ
コツ1:リピーターの獲得
客がランチのお店を選ぶ時には、ファミレスもハンバーグ専門店もうどん屋もあらゆる飲食店が選択肢になり、毎日違うジャンルのお店に通う人も多いでしょう。
しかし仕事終わりにお酒を飲もうと考えた時は、ほとんどの場合居酒屋のライバルになるお店はありません。
よって居酒屋には、他の飲食店に比べて、同じお店に通う"リピーター"を獲得しやすいメリットがあります。
美味しい料理やそこでしか味わえない付加価値を提供したり、次回割引のクーポンを発行するなど、初見さんをリピーターに昇格させていきましょう。
コツ2:儲かるメニュー
一般的な居酒屋のメニューごとの原価率は、10~80%と大きな幅があります。
また、同じ値段でもキュウリの漬物とフライドポテトでは満腹の度合いが異なります。
原価率が低くお腹に溜まりにくいメニューをたくさん注文してもらうためには、10円単位の価格設定を行い注文量をコントロールする技術も重要になるでしょう。
大手の居酒屋はこの価格設定にかなり敏感ですが、個人経営の居酒屋ではどんぶり勘定で価格設定していることも多いです。
コツ3:オリジナルメニューの開発
似たようなメニューが並ぶ居酒屋同士、どのお店でも良いと考えている客も多いです。
しかし、自分のお店にしかないメニューがあれば、それを目当てに客が来るようになります。
大手や近隣の居酒屋メニューを分析しつつ、需要のありそうなメニューが近隣店舗になければ、積極的に採用してきたいですね。
コツ4:明確なコンセプト
コンセプトもなく普通に居酒屋を営業するだけでは、大手居酒屋の劣化版になりがちです。
中には、監獄をモチーフにした居酒屋などかなり尖ったコンセプトの居酒屋もありますが、そこまで尖らなくても『他店よりお酒の種類が多い』とか、『家庭的な料理が楽しめる居酒屋』など手軽に差別化する方法は無数にあります。
コツ5:立地
居酒屋はアルコールを飲む関係上、車の必要なロードサイドに出店しても売り上げを伸ばせません。
電車やバスが使える駅付近に圧倒的な需要があります。
コツ6:調理時間の短縮
居酒屋メニューの中には、"冷奴"のようなただ盛り付けるだけのメニューもあれば、"焼き鳥"のように串打ちから焼き上げまで時間のかかるメニューもあります。
いくら利益額が高いからといって、調理の手間のかかるメニューばかりにしてしまうと、調理スタッフの人件費が多くかかってしまい、むしろ利益額が減ってしまうこともあります。
メニューそれぞれの調理時間をリスト化して、調理時間のかかるメニューとかからないメニューをバランスよく展開すると利益額を最大化出来るでしょう。
まとめ:居酒屋経営は儲かる!!
新たな客層を開拓していくことも大切ですが、いかにリピーター客を作り出していくかが重要になるでしょう。
そのためには、大手の真似をするのではなく、そのお店にしかないオリジナリティをコンセプトに添えるべきです。
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