TikTokに線路内への投げ入れ動画が拡散中
今回の動画では、投げた物体が線路内へ入っていないように見えますが、もし線路上へ落ちていたら大惨事になった可能性もあります。
『電車への迷惑行為は損害賠償額が高い。』と言われていますが、過去には1億円以上の賠償もありました。
そこで、この記事では過去の列車事故の判例も参考に、今回の事件の損害賠償額を推測していきます。
過去の損害賠償額
ケース1:成田線大菅踏切事故(賠償額1億1347万6892円)
この事故は、1991年12月25日におきました。
当時、積載量の4倍もの土砂を積んでいたダンプカーがブレーキ制御が出来ず踏切内に侵入し、直後に列車が衝突したことで起きた事故です。
列車の運転士1名が亡くなり、乗客67名が負傷しました。
その後の民事裁判ではダンプカー側の過失が認められ、1億1347万6892円の支払いが命じられました。
損害賠償の詳細は次のとおりです。
・車両廃棄費用 3,400万円
・車両修繕費用 3,770万円
・設備修繕費用 1,710万円
・事故への人件費 1,660万円
・乗客の輸送費 270万円
・合計 1億1347万6892円
詳細を見ると、車両や設備への補償以外にも事故対応にかかった人件費や事故車両に乗っていた乗客の輸送費も賠償額に含まれていることが分かります。
ケース2:認知症鉄道事故裁判(賠償額720万円⇒0円)
この事故は、2007年12月にJR共和駅で認知症の老人が電車にはねられて死亡した事故です。
結論としては、線路への扉に施錠がされていなかったことが鉄道会社側の落ち度と認められ賠償は発生しませんでした。
それでも電車を止めてしまうと、これくらいの賠償額になる可能性があることが分かります。
過去の賠償金は200~300万円が多い
過去には1億円以上の損害賠償が請求されたこともありますが、多くの判例では数百万円が多いです。
また、今回の事件に関しては、実際には線路内にコーンバーが落ちていないように見えるので、その辺りがどのように判断されるかは不明です。
もし、鉄道会社が裁判を起こしても、損害賠償額は100万円程度になるのではないでしょうか。
未成年の事件への賠償は誰に請求されるのか
今回のように未成年が列車への妨害を行った場合、その責任は親が負うことになります。
また過去の判例から、実行犯だけでなく周りで見ていた共犯者も同様に訴えられているので、今回の動画を撮影したおそらく友人である人物も同様に罰せられる可能性が高いです。
《追記》3月1日被害届を提出
3月1日、JR四国は愛媛県警に被害届を提出しました。
2月には"やり投げ動画"の当事者から電話で謝罪を受けていましたが、『列車運行に影響を及ぼす恐れのある事象については厳正に対処する』として、警察への被害届の提出に至ったようです。
まとめ:電車への妨害行為は高額賠償になる!!
電車の運行は、分刻みどころか秒単位で制御されており、1両でも運行を止めてしまうと、すべての車両の運行計画が狂います。
その影響を受けてしまう乗客は数千人や数万人にもなり、損害賠償が1億円以上になった判例もある重罪です。
安易な気持ちで財産を失わないように、正しい知識を備えておきたいですね。