藤井聡太竜王1億円プレイヤーへ


 2022年の将棋界の賞金額が発表されました。

 現在5冠を達成している藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖)はわずか20歳という若さで1億円プレイヤーとなり、それまで最年少1億円達成記録を持っていた羽生善治九段の23歳という記録も更新しました。

 また、過去に1億円棋士になっている人は5名おり、6人目の1億円棋士の誕生に将棋界は湧いています。



2022年賞金額ランキング

 2022年の獲得賞金・対局料ランキングはこのようになりました。

1位 藤井 聡太5冠 1億2205万円
2位 渡辺  明2冠 7063万円
3位 豊島 将之九段 5071万円
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11位羽生 善治九段 1600万円


 昨年1位だった渡辺明2冠は2位へ後退し、昨年3位だった藤井5冠が1位へと躍り出ました。


 羽生九段は昨年5位でしたが、順位戦A級から陥落したことでトップ10からも外れています。

 現在52歳の羽生九段が再びトップ10圏内に返り咲けるかも注目が集まります。



将棋界のタイトル賞金額

 現在の日本の将棋界には8つのタイトルがあり、『八大タイトル』とも言われています。

 それらは、賞金額によって格付けがされており、現在の格付け順は『竜王・名人・王位・王座・棋王・叡王・王将・棋聖』とされています。

 それぞれの賞金額は、推定でこのようになっています。

1位 竜王 4320万円
2位 名人 2000万円
3位 王位 1000万円
4位 王座 800万円
5位 棋王 600万円
6位 叡王 300~600万円
7位 王将 300万円
8位 棋聖 300万円

 中でも江戸時代に由来のある『名人』と賞金額トップの『竜王』は他のタイトルより別格に扱われています。

 藤井聡太さんのように5つのタイトルを保有していても『藤井聡太竜王(王位・叡王・王将・棋聖)』と表記されることが多いのはこの序列の為です。

 また、今回藤井5冠が賞金額トップになったり1億円棋士となったのは、最高額の竜王のタイトルを奪取した影響が大きいです。



藤井聡太竜王の1試合あたりの賞金は?

 藤井竜王は、1試合あたりどれくらいの賞金を稼いでいるのでしょうか。

 そこで藤井竜王が2022年に行った対局を調べてみると、公式対局は全52戦(43勝9敗)行っています。

 1億2205万円を52試合で稼ぎ出したので、1試合あたり234万7115円稼いでいる計算になります。


藤井竜王の1手の価値は?

 十七世名人でもある谷川浩司氏によるとプロ棋士の平均手数は110手強で、一人が打つのはその半分の55手。

 先程あげた『1試合あたり234万7115円』を使って計算すると、藤井竜王の1手は4万2674円の価値があることになります。



まとめ:スポーツ競技に比べると将棋の賞金額は少ない

 約500万人いると言われている将棋人口の中で500万人の頂点に君臨するトッププレイヤーの年収が1億円というのはスポーツなどと比べるとかなり安い気がします。

 それでも若干20歳の青年が己の知力だけで1億円以上を稼いでいると考えると敬服するばかりです。


 藤井5冠が活躍するほど将棋界全体が注目され、賞金額も上がることもあると思います。

 かつて日本中が湧いた羽生七冠の誕生を超える藤井八冠を見る日は来るのでしょうか。