お弁当屋は儲かるのか?
一般的な原価率30%程度のお弁当なら、1日80~100食くらい売り上げれば月30~50万円くらいの生活が出来るでしょう。
しかし、普通に営業しているだけでは、そのノルマを達成することは出来ません。
そこで、お弁当屋のメリット・デメリットにあわせて、儲かるコツを解説します。
お弁当屋のメリット
メリット1:ピーク時に大量に捌ける
飲食店の場合は、注文を受けてから料理を作るため、1時間あたりに捌ける客数に限界があります。
これは、ランチタイムとディナータイムに需要が集中する飲食業界にとっては大きなデメリットになっています。
その点、お弁当なら事前に作っておくことで、ピーク時でも大量の客の注文を捌けます。
需要さえあれば、1時間に100個の弁当を売ることも不可能ではありません。
メリット2:家賃が安く済む
飲食店と違い、イートインコーナーを設ける必要がないので、キッチンと販売スペースさえあれば、お弁当屋さんは開店出来ます。
スペースが少ない分だけ賃料も安くなりますし、他の飲食店が見向きもしない不人気物件や都心の小スペース物件を借りる選択肢が取れます。
メリット3:常連客が週5で通ってくれる
ラーメン屋で常連客を作っても、毎日ラーメンを食べる人はほとんどおらず、よくて週に1,2回来てくれるくらいにしかなりません。
しかしお弁当屋なら、毎日違う物を食べられるので、常連になれば週5回通ってくれるようになるかもしれません。
単純計算でラーメン屋に比べて1/3程度の常連客数で済み、経営が安定しやすくなります。
メリット4:食費がゼロになる
ラーメン屋やたこ焼き屋を経営している人も売れ残りや賄いで食費を浮かせることはあります。
それがお弁当屋なら、毎日違うおかずを持ち帰ることが出来るので、食費を限りなくゼロにすることも容易です。
毎日自分のお弁当を食べることで、常連客の気持ちを知れることも大きなメリットです。
お弁当屋のデメリット
デメリット1:コンビニがライバル
お弁当屋の最大のライバルはコンビニです。
コンビニならいつでも馴染みの味を楽しめますし、飲み物やお菓子など他の買い物もついでに出来る便利さがあります。
ただし、コンビニの弁当は工場生産のため、『手作り』や『出来立て』をアピールすれば十分に差別化になるでしょう。
デメリット2:冷凍宅食弁当の普及
コンビニと同じくお弁当屋のライバルになるのが、近年普及してきた冷凍宅食弁当です。
『ナッシュ』や『ワタミの宅食』が有名ですが、最近は『ライザップ』や『ベネッセ』も宅食業界に進出しており、価格競争が激しくなっています。
毎日自宅の冷凍庫からその日に食べたいお弁当を会社に持っていけば、忙しい休憩時に外に出ずに弁当が食べられるので、重宝されています。
デメリット3:廃棄が多い
作り置きが必須なお弁当屋は、注文を受けてから作るお店と比べて、廃棄ロスが多くなります。
コンビニ弁当のように食品添加物が入っていれば丸一日は消費期限が持ちますが、手作りのお弁当では半日が限度でしょう。
毎日の売上量の把握や曜日ごとの客の推移など、あらゆるデータを取っておき、少しでもロスを生まないように努めましょう。
デメリット4:調理スキルが求められる
ラーメン屋やたこ焼き屋のように一つの商品を作るだけなら、すぐにそれなりの品質の商品を作れますが、お弁当屋さんに求められるのは主婦レベルの調理スキルです。
揚げ物や煮物、卵焼きなど定番の家庭料理はすべて作れるようにしたいです。
また、家庭の味と比較されてしまうので、高い調理スキルがないと繁盛店にはならないでしょう。
お弁当屋で稼ぐコツ
コツ1:事務所や介護施設へ売り込む
営業力が必要になりますが、会社員の多い事務所や入居者の多い介護施設に売り込めば、毎日一定の売上を確保出来ます。
多くの人がやらないことなので意外にブルーオーシャンで、何箇所か回れば確実に契約が取れるでしょう。
コツ2:ターゲットを明確にする
男性客と女性客で求められる弁当の種類は大きく変わります。
また、住宅街とオフィス街でも需要のある弁当は違うでしょう。
ターゲット層を明確にして、その客層に刺さるメニュー開発が売上アップには不可欠です。
コツ3:定休日以外毎日営業する
会社員にとって、ランチの時間は限られています。
そんな中で、お弁当屋さんが時々急に休む日があると、最悪昼食を食べそこねる可能性があります。
そんなリスクを負ってまでわざわざそのお店の常連になりたい人はいません。
気まぐれで急に安んだりせずに毎日決まった時間に開店し、客に安心感を与え、常連客を増やしていきましょう。
コツ4:常連客を飽きさせない
常連客が増えてくると売上が安定しますが、いつまでもその店の常連であり続ける保証はありません。
お弁当屋の常連客が突然通うのを止めてしまう原因は、メニューへの『飽き』です。
毎日同じメニューだけにするのではなく、日替わりメニューや季節メニューも取り入れて、『変わらない味』と『新しい味』を提供していきましょう。
コツ5:気温や天気に気を配る
寒い季節には温かいものが、暑い日にはさっぱりしたものが売れるのは周知の事実です。
毎日の気温や天気をしっかりと把握して、売れる商品を予測し製造すれば、売上アップに繋がりますし、フードロスも減らせるでしょう。
コツ6:レジ袋有料化への配慮
お弁当屋さんは、ランチ時の忙しい時間に大量の注文を捌きます。
すべて500円で販売すれば、お金の受け渡しが簡単ですが、1円単位の価格設定をしていると、お金の受け渡しが面倒くさいと思われます。
そこで多くのお弁当屋さんでは、500円のワンコインで多くのメニューを販売していましたが、近年ではレジ袋有料がネックになっています。
そこで、仕入れコストは増加しますが、有料にしなくてよい紙袋やバイオマス素材のレジ袋を使い、レジ袋代をタダにするのも効果的です。
売れるお弁当メニュー
お弁当屋チェーン店の売上ランキングを調べて見ると、これらのメニューが人気でした。
・のり弁当
・唐揚げ弁当
・野菜炒め弁当
・チキン南蛮弁当
・カレーライス
・カツ丼
どちらかと言えば男性客の方がお弁当屋を利用することが多く、男性向けのガッツリ系メニューが人気のようです。
これら以外に、健康志向の方や女性向けに野菜を多く使ったメニューや、アレルギーの方用のメニュー、お味噌汁やサラダなどのサイドメニューを合わせていくと、バランスの良いメニュー表が出来上がるでしょう。
まとめ:営業力があればお弁当屋も儲かる
普通に店頭に弁当を並べるだけでは、多くのお弁当屋やコンビニに負けて長く経営するのは難しいでしょう。
事務所や介護施設など、人が多い所に宅配することで、安定的な売上を確保出来、最初にあげた1日80~100食のノルマを超えるようになります。
それ以外にも経営者としての自覚を持ち、その日にどの種類をいくつ作るか、新たに開拓出来る営業先は無いか、経費削減出来る所はないか、などあらゆる事象に意識と思考を向けましょう。
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