クラウドファンディングでバイクを購入したい27歳OL


 自称『27歳OL』がクラファンサイトで募集したバイク(70万円)の購入を目指したプロジェクトが批判殺到により中止に見舞われました。

 今回問題となったクラウドファンディングのプロジェクトは、27歳のOLがお金が無いから支援者のお金でバイクを買いたいというものです。



27歳OLの主張

プロジェクトを立ち上げたきっかけ

 クラファンサイトにて、プロジェクト(?)を立ち上げたきっかけをこのように述べています。

5月末のお誕生日にVTR1000F(黄色)を納車したくてこのプロジェクトを立ち上げました!

自分でお金を貯めて......と思っていたのですが、まさかのSR400の故障により先月8万円がとんでいきました 5月末となるとボーナスもまだ。バイク以外にもお金のかかる一人暮らしとOLの顔面。甘えなのはわかっているのですが、どうしてもお力添えいただきたいです。

プロジェクトの概要

 また、プロジェクトの概要は、下記の通りです。

限界バイクOLがVTR1000Fをお誕生日納車します 予算は70万円です。ちゃっかりですがAraiのヘルメットも買わせてください。(内訳:バイク60万、ヘルメット:10万)


支援者への報酬

 27歳OLは支援額とそのリターンについて、このように公表しています。

・3,000円 メールの送信
・5,000円 バイクの写真
・10,000円 バイクとOL(顔非公開)の写真
・50,000円 バイクとOL(顔公開)の写真
・100,000円 OLと日帰りツーリング



5名の支援者から2万6千円の支援

 このプロジェクトは瞬く間にSNSで拡散、炎上したタイミングで27歳OL側がプロジェクトを中止。

 中止されたのは支援者募集から5日目のことで、5人の支援者から2万6千円の支援金が集まっています。

 よって、下記のような入金が行われています。
・3,000円『メールの送信』×2人
・5,000円『バイクの写真』×2人
・10,000円『バイクとOL(顔非公開)の写真』×1人


 これらの資金はプロジェクト中止により、支援者に返金されます。



ネットの反応

 ネットでは、主に批判のコメントが相次いでいます。

「ローン組んで自分で買えよw 買えないなら乗るな」
「分割払いで買えばいいじゃない」
「10万払ってどこぞの知らんOLさんとツーリングって(笑)」
「こういう事するファッションライダー嫌いです...」
「なんだこれ... 自分でローン組んで買えよ。10万のヘルメットもついでにとか、とにかくすっごいなぁコレ(笑)」


クラウドファンディングとは?

 クラウドファンディングとは、クラウド(群衆)からファンディング(資金調達)して、自分の夢や活動を叶えるものです。

 かつては、企業が新たなプロジェクトを立ち上げるための資金調達に利用されていましたが、インターネットの発達した現代では、個人が資金を調達して夢を叶えるために利用されるケースも増えてきました。

 今回のケースも、事前審査の厳しいクラウドファンディングサイト『READYFOR』で行われているので、批判はされていますが違反行為のあるものではありません。



 ただし、3,000円も支援した見返りが(おそらく)コピペメールだったり、10万円支払って一日ツーリングなど、まったくリターンが釣り合いません。

 自分の誕生日プレゼントを支援者に買ってもらおうという気持ちが先行してしまい、支援者へのリターンや支援することで得られる将来のビジョンを提示出来なかったのも批判に繋がったように感じます。



クラウドファンディングの成功例

 有名人や企業が行い成功したクラウドファンディングには、面白いリターンや理念があり支援者の共感を生んでいます。


西野亮廣さんの『えんとつ町のプペル』

 お笑いコンビ『キングコング』の西野さんが手掛けた映画『えんとつ町のプペル』の前売り券を子供達に配るというクラウドファンディングは、3,200万円もの資金が集まりました。

 『西野さんが行うオンライン講演会への参加』というリターンも好評でしたが、可能な限り西野さん自らが"手渡しで"前売り券を子供達に渡すという理念も共感され13,000人もの支援者が集まりました。


大分マリーンパレス水族館「うみたまご」の『カワウソの手形』

 水族館がクラウドファンディングを成功させた例もあります。

 水族館には様々な海の生物がおり、大分マリーンパレス水族館「うみたまご」では、毎年4,000万円もの餌代が経営を圧迫していました。

 そこでクラウドファンディングを行った所、600万円の目標金額に対して1,600万円もの資金が集まりました。


 このクラウドファンディングが人気となったのは、リターンに魅力があったからです。

 『ペンギンの羽のキーホルダー』『ペンギンの足跡Tシャツ』『ピラクルの鱗』『カワウソの手形』など、水族館ならではのリターンが好評となり、1,000件以上の応募に繋がりました。



まとめ:クラファンには理念やリターンが重要

 クラウドファンディングの成功率は、およそ30%です。

 クラウドファンディングには、支援者に共感してもらえるような理念や魅力的なリターンがないとなかなか成功にはいたりません。

 今回のOLが資金調達に失敗したのは、自分がバイクに乗りたいだけという理念や、メールや写真といったリターンに魅力を感じる人が少なかったからでしょう。


 どのようなビジネスでも、買い手の気持ちを汲み取ることが求められます。