きゅうり農家経営は儲かる


 きゅうり農業は、安定的な需給バランスと価格推移により、農業の中でも比較的安定的な収入が期待できる農業です。

 また生産効率もよく、努力次第で年収1000万円も目指せます。

 そんなきゅうり農家の年収や初期費用、さらに儲けるコツなどを解説していきます。



きゅうり農家の年収


 きゅうり農家の平均年収は、500万円です。

 農業全体の平均年収が450万円なので、他の農業に比べてきゅうりは稼げる農作物だと言えるでしょう。

 中には年収1000万円稼いでいるきゅうり農家や、年商1億円を稼いでいるきゅうり農家もいるので、夢のあるビジネスです。



きゅうり農家の初期費用


 きゅうり農家の初期費用は、路地栽培か施設栽培かによって大きく変わります。

 初期費用のかからない露地栽培なら150万円で始められます。

 ハウスを建てる施設栽培なら小規模でも500~1000万円の初期費用がかかります。

 施設栽培の方が稼げますが、初期費用が大きくかかるので最初の数年は露地栽培で経験を積みつつ費用を貯めていくと良いでしょう。



きゅうり農家のメリット


メリット1:収穫までが早い

 きゅうり農業の最大のメリットは、収穫までの期間が短いことです。

 きゅうりは発芽から収穫までわずか60日で成長するので、資金に余裕のない就農1年目にすぐに現金化できるのは大きなメリットになります。

 比較としてキャベツは種まきから110~140日。レンコンやアスパラガスに至っては収穫までに3年の歳月が必要です。


メリット2:価格が安定している

 きゅうりは日本人に親しまれており、野菜の中でも需要は大きいです。

 おそらく5年後も10年後もほぼ一定の需要が見込まれるでしょう。


 また、日本全国で一年中生産されているので、価格が安定的で売り上げの予測が立てやすいです。



メリット3:全国で生産できる

 きゅうりは日本の気候と相性がよく、日本のどこでも生産が可能な作物です。

 中には特定の地域でしか作れない野菜もある中で、日本のどこで農業を始めても選択肢に入れることができます。



きゅうり農家のデメリット


デメリット1:きゅうりは意外に弱い

 きゅうりは気温の変化に弱い野菜です。

 高温過ぎても低温過ぎても枯れてしまうので、慣れないうちは路地栽培で枯らしてしまうこともあります。

 また、病気や障害にも弱く、気候の変化と合わせて繊細な栽培が求められます。


デメリット2:曲がると売れなくなる

 きゅうりは曲がっているものよりまっすぐなもの方が市場価値が高いです。

 曲がったきゅうりがまったく売れない訳ではありませんが、きゅうりは大きさや太さの他に曲がり具合でも出荷規格が定められているので、曲がったきゅうりは安い価格で買い叩かれてしまいます。

 気温が高すぎるか低すぎる、水分が多すぎるか少なすぎる、栄養が多すぎるか少なすぎると、きゅうりは曲がりやすくなります。

 気温、水分、栄養を常に意識した栽培が求められます。


デメリット3:栄養が無いと思われている

 きゅうりは95%が水分で出来ており、ギネスブックにも『Least calorific fruit』として記録されています。

 この日本語訳は、『もっともカロリーの低い果実』であり、100gあたり14kcalしかないことがギネスブックに記録されているのです。

 これが日本人には誤って伝わっており、『もっとも栄養がない野菜』として認識されてしまいました。

 スーパーに来る客は、健康に良いという理由で高くてそれほど美味しくもない野菜を買っているので、栄養がないという間違った印象は売り上げにもダメージを与えているでしょう。



きゅうり農家の工夫


工夫1:路地栽培か施設栽培か

 きゅうり農家には、露地栽培と施設栽培のふたつの選択肢があります。

 露地栽培なら初期費用や光熱費を抑えられますが、冬場の生産が出来ません。

 施設栽培は一年中生産出来ますが、初期費用だけでなく光熱費もかかるので、上手く計算をしないとたくさん働いたのにあまり儲かっていないということになりかねません。


工夫2:売れるきゅうりを作る

 きゅうりをただ作るだけなら、素人の家庭菜園でも作れるくらい簡単です。

 しかし、味や見た目の良い売れるきゅうりを作るには、技術や設備が必要になってきます。


 日々きゅうり農業についての研究や勉強を怠らず、土作り一つからコツコツと良いきゅうりを作るための作業を続ける忍耐力が求められます。


工夫3:経営者としての目線を持つ

 一人で露地栽培をする方法なら、多少どんぶり勘定でも経営を続けていけますが、燃料代のかかる施設栽培や、人を雇って大規模に経営していくなら、経営者としての目線も重要です。


 燃料代の高騰やハウスの倒壊、従業員の生産性やモチベーションの管理など、きゅうりを作る以外の所に労力や神経を使うことになります。


 一人で小規模に経営するのとは違った楽しさや苦労があるでしょう。


工夫4:スマート農業

 大きな投資資金が必要になってしまいますが、きゅうりとスマート農業の相性は良いです。

 きゅうりは繊細な作物で、少しの気温や湿度、土の栄養分の差があるだけで、売れない曲がったきゅうりになってしまいます。

 人間の手で随時温度調整などを行っても良いですが、常に手作業で管理し続けるのは大変な労力がかかります。


 スマート農業を導入すると、自動で環境調整を行ってくれるので、労力の軽減や生産性の向上に繋がります。

 定期的に農林水産省がスマート農業導入に対して補助金を出しているので、一度HPを確認すると良いでしょう。



まとめ:きゅうり農業は稼げる


 きゅうり農業は安定的な利益が見込め、慣れてくると年収1000万円も狙っていける儲かる農業です。

 最初のうちは露地栽培でお金と経験を貯めつつ、ゆくゆくは労働生産性の高い施設栽培にシフトしていけると良いでしょう。

 その他の農業については、『夢の田舎生活『農業』は儲かるのか?儲かる農業12選を紹介!!』で解説しています。