マンゴー農家は儲からない?
マンゴーは高単価で、1つ1,500~2,000円ほどで売られています。
しかし、栽培方法が難しく、低品質なマンゴーを作ってしまうと売れないこともありますし、高品質なマンゴーを栽培出来れば年収500~800万円も目指せます。
この記事では、マンゴー農家の平均年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。
マンゴー農家の年収
マンゴー農業は、『他の農業』に比べて品質による価格の差が大きく、高品質なマンゴーを作れる農家の年収は500万円以上になります。
また、JAにすべて出荷している農家よりも、ネット販売や直売所を利用しているマンゴー農家の方が収入が多い傾向にあります。
マンゴー農家の初期費用
マンゴーは露地栽培でも育つ地方はありますが、原産地は暖かい気候のインドやマレー半島なので、日本で質の高いマンゴーを栽培しようと思うと、ハウスの建設が必須です。
ハウスは1棟あたり最低でも500万円はかかるので、マンゴー農業の初期費用が1000万円と高額になってしまいます。
それでも、ハウス栽培でマンゴーを育てると、高単価で売れるようになり収入も多くなりやすいです。
マンゴー農家のメリット
メリット1:高単価
国産のマンゴーは、スーパーで1つ2,000円ほどで売られています。
単価が高いと梱包や輸送にかかるコストが相対的に安くなったり経営にプラスに働きます。
また、これだけ単価が高ければ、個別に発送しても送料が相対的に安くなるので、ネット販売で直接消費者へ売る選択肢も取れます。
メリット2:ブランド化
元々高単価のマンゴーは、ブランド化するとさらに高い価格で取引されるようになります。
高級マンゴーとして知られる宮崎県産"太陽のタマゴ"は、平均して1玉約5,000円で販売されています。
さらに、同じ品種のマンゴーでも糖度や見た目、大きさにより、グレードが分けられており、"太陽のタマゴ"の最上位ランクともなると、1玉1万円以上で取引されています。
このように質の高いマンゴーを安定して生産出来るようになれば、マンゴーだけを生産していても会社員の平均年収を超えてくるでしょう。
メリット3:ライバルが少ない
マンゴーは、ライバルとなる農家の数が少ないです。
例えば、農業の中でも安定して稼ぎやすい『ミニトマト』は、北海道から沖縄県まで日本全国で生産されています。
一方でマンゴーは、暖かい気候でしか育たず沖縄、宮崎、鹿児島の3県で97%のシェアを占めています。
一応、ハウス栽培なら他県でも作れないことはありませんが、外気温が低いほど燃料代が高くなってしまうので、支出が多くなってしまいます。
このように生産出来る地域に極端な制限のあるマンゴー農業は、ライバルとなる農家の絶対数が少ないので、供給多寡によって価格が暴落するようなことはないでしょう。
メリット4:贈答品としての需要
自分たちが食べるフルーツに5,000円も出せる人は少ないですが、贈答品に5,000円をかける人は多いでしょう。
マンゴーが高い値段で取引され続けている要因の一つに贈答品としての需要があることは関係しています。
メリット5:高時給
マンゴー農家の労働を時給換算すると1,400円になります。
これは、『キウイ農家』と並んで果樹農業の中では最も高く、野菜農業を含めても上位にランクインしています。
メリット6:面積あたりの収益性が高い
面積あたりの収益性(反収)が低くなりやすい果樹農業の中で、マンゴーは極めて反収の高い作物です。
施設栽培の10aあたりの所得は150万円で、『いちご』と並んで果物の中では最上位に位置しています。
マンゴー農家のデメリット
デメリット1:低品質だと売れない
フルーツの中でも最高級に位置するマンゴーは、糖度が低かったり色や形の悪いものは出荷出来ません。
デメリット2:高い技術力が必要
高品質のマンゴーを量産するには、高い技術力が必要になります。
実全体が均一に赤くなるようにするには、太陽の当て方を調節しなければなりませんし、糖度を高めるためには、水分や養分の細かな調整が必須です。
マンゴーは、高単価ではあるものの、1つ1つを作るのに非常に手間のかかる農作物です。
デメリット3:3年間無収入
マンゴーは、苗を植えてから果実が出来るまでに3年の歳月がかかります。
ただし、これは果物全般に言えることで、3年という期間は果樹の中では平均的と言えます。
マンゴー農家経営の工夫
工夫1:移住先
マンゴーは、暖かい気候を好みます。
北海道でも一応マンゴーを生産した例はありますが、多くの手間と経費がかかっており非常に効率が悪いです。
それよりも日本産マンゴーのうち97%を生産している沖縄、鹿児島、宮崎県に移住してマンゴーを栽培した方が圧倒的に楽に稼げます。
本気でマンゴー農家になりたいなら、この三県に移住する覚悟を持ちましょう。
工夫2:見た目
贈答品としての需要の大きいマンゴーは、他の果物以上に見た目の美しさも問われます。
見た目の違いだけで、同じ品種でも5,000円〜15,000円と3倍もの価格差が生まれることもあります。
工夫3:販路
他の作物で普通に農業をしていくなら、手間のかからないJAにすべて卸す方法をおすすめします。
しかし、単価の高いマンゴーにおいては、独自の販路を作ることも経営戦略としてありです。
仮に1玉100円のキャベツを注文のあった家庭に宅配便で送ると間違いなく赤字になりますが、1玉5,000円のマンゴーなら配送料に500円かかっても利益が残せます。
例えば、JAが1玉3,000円で買い取ってくれるマンゴーをネット直販で1玉5,000円で売れるなら、配送料や人件費を払ってもネットで販売する方が儲かるかもしれません。
まとめ:マンゴー農家は高い技術力と経営力が必要
また、多くの手間もかかるので、経費の計算などの経営者としての力量も求められます。
とても難しい農業ですが、成功したときの稼ぎも大きくなるので、野心のある人におすすめの農業かもしれません。
当サイトでは、『他の農業』も多数紹介しています。合わせて、御覧ください。