エアコンを安く使うには?


 電気代の中でも大きな割合を占めるエアコンの電気代は、家庭全体の電気代のうち8~10%を占めており、特にエアコンが大活躍する真夏や真冬には月の電気代の30%がエアコンだけで消費されています。

 つまり、エアコンを正しく使うことで月々の電気代が目に見えるくらい減るということです。

 この記事では、エアコンの賢い使い方やお得にエアコンの買い替えを行う方法など、エアコンに関する節約テクニックを詳しく解説します。



エアコンの電気代


 節約をする前に、エアコンの電気代がどれだけかかるのかを求めてみましょう。

 一般に、暖房の方が冷房よりも電気代が1.5倍ほど高くなります


冷房1時間の電気代

 冷房を1時間つけた時の電気代は4~28円です。

 エアコンの冷房は、スイッチを入れて室内の温度を一気に下げる時に大きな電気代がかかり、室温が下がりきった後に気温を一定に保つ時には少ない電気代で良いので、4~28円という大きな幅があります。

 一人暮らしの1ヶ月にかかる冷房の電気代は、約2,800円です。


暖房1時間の電気代

 暖房を1時間つけた時の電気代は、4~45円です。

 冷房と同じく室温を上げるタイミングで大きな電気代がかかりますが、冬に暖房を付ける時の方が外気温と設定温度の差が大きいので、室内を温める電気代も冷房よりも高くなります。

 一人暮らしの1ヶ月にかかる暖房の電気代は、約4,000円です。




10年前のエアコンの電気代


 新しい家電の方が省エネ効果が高いことが知られています。

 メーカーが定めるエアコンの標準使用期間は10年ですが、実際に一般家庭がエアコンを買い換えるタイミングの平均は13年おきです。

 それでは最新のエアコンと10年前のエアコンとは、どれくらいの電気代の差があるのでしょうか。

 最新のエアコンと10年前のエアコンの電気代を比べると、およそ10%の差があります。 

 エアコン1台あたりの年間の電気代は約16,000円なので、10年前のエアコンを最新のエアコンに買い換えると、年間で1,600円の電気代節約に繋がります。

 しかし、近年では省エネ面の進化も頭打ちになってきており、昔に比べて『最新家電=省エネ』の図式も成り立たなくなってきました。



エアコンの電気代を抑えるコツ


 同じ機種のエアコンでも、使い方を工夫するだけで電気代をさらに抑えられます。


コツ1:サーキュレーターと併用

 暖房を使っているのに寒かったり、冷房を使っているのに暑いと感じる時は、室内温度が偏っている可能性があります。

 扇風機やサーキュレーターを利用して室内の空気を循環させると、室内温度が均一になり、エアコンの設定温度と体感温度が同じになります。

 扇風機やサーキュレーターの電気代は、1時間あたりわずか0.5円。

 エアコンの設定温度を1℃変えると電気代が10%も変わるので、扇風機やサーキュレーターとエアコンを併用する方が確実に電気代が安くなります。


コツ2:湿度の調整

 エアコンを付けているとついつい気温ばかりに目がいきますが、湿度によっても体感温度が大きく変わります。

 快適に過ごせる室内の湿度は40~60%と言われています。

 また、一般的に湿度が10%上がると体感温度も1℃上がります。

 例えば暖房を付ける時に、湿度が40%の時の室内温度22℃と、湿度が60%の時の室内温度20℃は、体感温度としては同じになります。

 冷房を付ける時も、湿度が60%の時の室内温度26℃と、湿度が40%の時の室内温度28℃は、体感温度が同じです。

 このように室内の湿度を上手くコントロールすることで、エアコンの設定温度をおよそ2℃抑えられるので、電気代を20%も節約出来ます。


コツ3:こまめに消す

 エアコンで大きな電気代がかかるのは、スイッチを入れた後に室内の温度を一気に調整する時です。

 暖房なら、室温調整中の電気代は、1時間あたり45円

 冷房なら、室温調整中の電気だは、1時間あたり28円

 これが室温が設定温度になり、室温をキープする段階になると、暖房も冷房も電気代は1時間あたり4円です。


 それでも、ほとんどのケースで1時間以上外出する時にはエアコンを消した方が電気代が安くなります






エアコンの安い時期


 エアコンの本体価格は、季節によって変動しています。

 エアコンを買うならもっとも安くなる8~9月がおすすめです。

 ふと暑いと感じる5~7月頃は、エアコンの故障による買い替えの時期です。

 この時期にエアコンの注文が集中するので、わざわざ値下げをする家電量販店は少ないでしょう。

 一見すると、暑さのピークとなる8~9月頃が一番需要がありそうですが、それまでに買い替えは済んでしまっているので、ほとんど売れなくなります。

 また、大手家電メーカーは10~11月にエアコンの新製品を販売しだすので、型落ちとなる前に売り抜きたい家電量販店は、8~9月に在庫を一掃しようと値下げを行います。


エアコン購入に使える補助金制度

 個人宅が省エネ効果の高いエアコンに買い替えることを支援する補助金制度があります。

 ただし、政府が行っているものではなく、地方自治体が行っている制度が多いので、購入前に自宅のある地方自治体がお得な制度を行っていないかを確認すると良いでしょう。

 おおよそ上限金額3~5万円で設置費用をカバーしてくれる補助金制度が多いです。



エアコンクリーニングの相場


 エアコンを業者に依頼してクリーニングする際の相場は、エアコン1台につき1~1.5万円です。

 確かに高額ですがしっかりと清掃することで故障せず長く使えたり、省エネ効果も期待出来るので、快適な室内環境を得るための費用と考えると、それほど高くはありません。


エアコンスプレーの注意点

 『エアコンを綺麗にしたいけど、業者に頼むのは高い。』と感じる人が良く使うのがエアコンスプレーです。

 スプレーをエアコンの吹出口からエアコン内部に向けてスプレーを噴射して汚れを落とします。

 1本500円程で買えるので手軽ではありますが、内部を解体して洗浄する訳ではないので、表面の汚れのみ取り除けます。

 まったく意味の無いものではありませんが、やはり定期的に業者に頼んで内部の洗浄まで行う方が良いです。



まとめ:エアコンを正しく使って節約しよう


 エアコンの電気代は、家庭全体の電気代のうち8~10%も占める大きなものです。

 電気代を節約するには、サーキュレーターを回して空気を循環させたり、加湿器や除湿機を使って湿度を調整する方法がおすすめです。

 また、本体を購入する際には、8~9月のエアコンが安い時期に購入出来ると理想です。

 長くエアコンを使い続けるために、定期的な清掃も心がけましょう。

 その他の家電の節約方法は、『【まとめ】電気代節約方法12選!家電別にオトクな節約方法を解説します!!』をご覧ください。