トルコリラで大損した主婦の話


 トルコリラでロスカットをした経験のある人は意外にも多いはずです。

 実際にネットで『トルコリラ 大損』と検索するとたくさんのロスカット報告を見ることが出来ます。

 その中でもトルコリラ1400万円という破格のロスカットを経験した主婦が2chでは有名です。

 まずは、その投稿を見てみましょう。


トルコリラで1400万円が69万に、なぜ私が選んだものだけが上手く行かないのでしょうか

私も来年50歳になります。

FXを始めてみたら一週間後にリーマンショック。
150万あった口座が一瞬にしてゼロに近い状態になり茫然自失状態になりました。
ただ、当時は39歳でまだ若かった150万くらいなら絶対に取り返せると思いました。

ブログでトルコリラの存在を知り、35円くらいまで下がるのを待って2年くらい前から買い増しして行きました。

途中で損切りしながらも今年のお正月、一旦下がったトルコリラが
30円を回復した時にポジション調整を行い
資金1500万円、平均ポジション約31円で100万リラ
レバレッジ約3倍と言う口座を作る事が出来ました。

その時には今まで投資で失って来た1500万を取り戻しなお且つ、スワップ収入が300万
少しずつ買い増しすれば500万くらいにはなりますので、
5年後に還暦を迎える主人をハードな今の自営業からセミリタイアもさせて上げられると思いホッとしました。
そんな中で、トルコリラがあまりにも下がるので損切りもし、17円になっても耐えられるよう調整しました。
しかしそれでもダメでした。

仕事から疲れて帰って来た深夜。確認するとロスカットされていて、1400万の口座が69万になっていました。

レバレッジが高すぎる事やトルコリラに一点集中したのが敗因だとは頭では分かります。
しかし、なぜこうも自分が選んだものだけが上手く行かないのでしょう。
今回も、選んだのがトルコリラではなくランドやペソであれば問題なかったのです。

再び財産のほとんどを失ってしまいました。
一体、人生で何度目の無一文状態でしょうか。


なぜ主婦は大損してしまったのか


 この主婦がトルコリラで1400万円もの大損を作り出してしまったのは、次の要因が原因ではないかと分析します。

主婦がトルコリラで大損した原因
・高レバレッジ
・トルコリラへの理解不足
・塩漬けしていた
・年齢と金額

 以下でそれぞれ深掘りしてみます。


原因1:高レバレッジ

 FXで長期投資をする際の適正レバレッジは3倍以下とされています。

 この主婦もそれを理解していたようですが、欲張ってギリギリのレバレッジ3倍に設定していました。

 他の通貨ならレバレッジ3倍でも耐えられることが多いですが、トルコリラは他の通貨に比べてさらにハイリスクなため、レバレッジ3倍ですらロスカットになる可能性が高いです。


原因2:トルコリラへの理解不足

 トルコリラは、誕生以来常に為替相場が下落をし続けている通貨です。

 おそらく2017年頃に1500万円分のポジションをもって2018年頃にロスカットをされたものと思いますが、これだけ綺麗な右肩下がりをしている通貨で、自分が買った後に上昇すると考えるのはあまりにも不自然です。


 トルコリラは高金利こそ魅力的ですが、トルコ経済は慢性的な高インフレが問題となっており、それは金融政策の失策によって起きていることなので、まずはその問題が解決するまではトルコリラは下落を続けるだろうと容易に想像が出来ます。

 このようにトルコリラに対する勉強をしっかりしておけば、トルコリラが上昇や横ばいになる確率がかなり低いことが理解出来ます。


原因3:塩漬けしていた

 スワップポイント狙いの投資に多いやり方として、損切りラインを設定しない方法があります。

 多少の含み損を抱えていても、スワップポイントを受け取りながら耐えていれば、いずれプラスに転じるかもしれないからです。

 しかし、損切り設定をしていないということは、下落し続けるといずれロスカットになります。


 仮に損切り設定をしていなくても、含み損がどんどん膨らんでいく過程で、ポジションを決済して損失を確定させておけば、まだ傷が浅くて済みました。


 しかし、彼女が損切りをするのは難しかったと思います。

 主婦が個人で1400万円もの大金を持っていたとは考えにくく、おそらく夫婦の老後資金をトルコリラに投資していたものと考えられます。

 仮に損失を確定させる損切りを行ってしまうと、夫に無断で大金を溶かしたことがバレて喧嘩や離婚の危機に陥ります。

 よって、毎日膨らんでいく損失を眺めつつも、損切りが出来ない状態が続いていたのではないでしょうか。


原因4:年齢と金額

 若いうちは、資金を全額溶かしてもまた再起する機会がありますが、老齢になってから資金を全額溶かしてしまうと再起することが難しいです。

 50歳という年齢で1500万円はおそらく老後資金だったのではないでしょうか。


 若い時には資金も少ないので、ややハイリスクでハイリターンを狙っても良いですが、年を重ねて資金が増えていくごとにリスクとリターンを抑えていく投資が理想的です。


なぜトルコリラは下落するのか


 トルコリラが下落を続けている最大の原因は、エルドアン大統領が提唱する"低金利政策"です。

 一見すると、トルコの政策金利はかなりの高水準に見えます。

 しかし、トルコの高いインフレ率の高さを考えると、まったくそんなことはありません。



 一つの目安として、『名目金利ーインフレ率=実質金利』で表される実質金利がプラスである場合、その政策金利は高金利と言えます。

 そこで2023年6月時点のトルコの政策金利とインフレ率を見てみると、『名目金利(8.5%)ーインフレ率(50.0%)=実質金利(-41.5%』となっており、実質金利の圧倒的なマイナスなことが分かります。


 インフレ率がそのまま通貨の下落率にはなりませんが、わずか8.5%の金利を得るために、50%も価値が下落する通貨を買いたい人はいません

 それでも、よく調べもせず見た目の金利の高さに釣られてトルコリラ投資を始める日本人は後を絶ちません。

 大金を投資する際には、しっかりとした事前調査を行って投資対象として相応しいかをしっかりと考える必要があります。




トルコリラの今後の見通し


 トルコリラの今後の見通しは、下落を続けると予測されます。

 トルコリラの為替相場が上昇するためには、政策金利の引き上げが必要ですが、現大統領政権下でそれが叶う確率は低いです。


 また、トルコはアジアとヨーロッパの間にある国で、外交関係も複雑です。

 過去には、NATOに所属していながらロシア製の地対空ミサイル"S400"を導入したことで、経済制裁を受けたこともあります。

 現在ロシアとウクライナで起きている紛争も、トルコはどちらの国とも友好関係にあり、停戦に向けた交渉を行ったりと積極的に関わりを持とうとしています。

 直接紛争に介入することはなくても、紛争に関わりを持つことは自国経済にとってはリスクとなり、トルコリラ相場の下落に繋がっています。




トルコリラのデフォルト可能性

 トルコリラがデフォルトする可能性はそれほど高くありません

 トルコの為替相場は異常事態に陥っていますが、国内では国民が普通に経済活動を行えています。

 高いインフレ率で日本以上の物価高騰を感じているでしょうが、国内経済が回っていればデフォルトになることはあまりありません。


 それでも、一度でもデフォルトすると国や通貨の信用が無くなってしまうので、少しでもデフォルトを感じるような事態になれば、すぐにトルコリラを売却することをおすすめします。




トルコリラと他の高金利通貨

 トルコリラと他の高金利通貨を比較すると、トルコリラが最も投資対象としてふさわしくないことが分かります。

 トルコリラと同じく高金利で人気のメキシコペソや南アフリカランドは、トルコリラとほぼ同等の政策金利を維持しつつ、通貨の下落は緩やかです。


 トルコリラは、得られるスワップポイントよりも為替相場の下落による為替損の方が大きくなるので、保有するだけで資産を減らしていきます。

 反対に、メキシコペソや南アフリカランドは得られるスワップポイントよりも為替相場の下落による為替損の方が小さいので、保有するだけで資産を増やしてくれます。


 トルコリラに強い思い入れや考えがないのなら、わざわざ儲かりにくいトルコリラへ投資をするよりも、メキシコペソや南アフリカランドへ投資をする方が儲けやすいです。





まとめ:トルコリラは大損する可能性が高い


 どれだけ凄腕の投資家でもトルコリラのロングポジションで利益を出し続けるのは不可能です。

 トルコリラで大損したりロスカットをする人が耐えないのは、見た目の金利の高さに釣られていることや、トルコリラに対する不勉強が招いています。

 これからスワップポイント投資をしていきたい人には、メキシコペソか南アフリカランドの方がおすすめです。

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