メキシコペソの適正なレバレッジは何倍?
短期投資ならレバレッジ5~10倍以下、長期投資ならレバレッジ3倍以下がメキシコペソ投資の適正なレバレッジです。
メキシコペソは、米ドルや日本円のような通貨と比べると、経済規模も世界中の市場への流通量も少なく、ボラリティ(変化率)が高くなりがちです。
よって、米ドルやユーロ、ポンドへの投資と比べてメキシコペソは低レバレッジで運用しないとロスカットになる可能性が高いです。
レバレッジ別メキシコペソの運用方法
レバレッジ3倍
メキシコペソの高い政策金利やスワップポイントを狙って長期投資を行う場合は、レバレッジを3倍以内に抑えましょう。
メキシコペソ/円の為替相場は直近10年間で見ると、最安値が約4.2円最高値が約8.7円です。
仮にその平均値である1ペソ6.5円でポジションを持った場合に、最安値に近い約4.3円がロスカットラインになります。
一見すると最安値より高い位置にロスカットラインがあり危険に思えますが、メキシコペソ投資ではスワップポイントが入るので、徐々にロスカットラインが下がっていきます。
ポジションを持って数日で大暴落を起こさない限り、ロスカットラインは過去最安値の4.2円よりさらに低くなっています。
よって、レバレッジ3倍でメキシコペソ円を長期保有していれば、おおよそ最安値を更新しない限りロスカットにならないので、比較的安全に長期投資が可能です。
それでもやや高リスクと感じる場合は、金利収入が少なくなりますがレバレッジ2倍やレバレッジ1倍で保有する投資方法もありです。
レバレッジ5倍
メキシコペソを2,3日保有するような中期投資をするならレバレッジ5倍くらいまでなら比較的安全に取引が出来ます。
ただし、元々値動きの激しいメキシコペソでレバレッジを5倍まで上げてしまうと、ポジションの評価損益が大きく動いてしまうので、まずは低レバレッジで値動きを経験しておくと良いでしょう。
また、レバレッジ5倍でメキシコペソを保有すると、メキシコペソ/円が1円下落するだけでロスカットかそれに近い状態に追い込まれるので、必ず損切り設定をしておきましょう。
レバレッジ10倍
短期売買ならメキシコペソをレバレッジ10倍で保有することも出来ます。
ただし、元々値動きの激しいメキシコペソを超高レバレッジで保有することになるので、ほんの少し市場にニュースが流れるだけでもロスカットになることもあります。
もし損切り設定をせずに大きな下落に巻き込まれると、証拠金がゼロになるだけでは足りず、追加入金をすることにもなるでしょう。
メキシコペソはスプレッド(手数料)が高いので、短期で何度も購入と売却を繰り返すと手数料負けします。
短期売買がしたいならわざわざスプレッドの高いメキシコペソよりも、ドルやユーロ、ポンドの方がスプレッドが狭くて利益を残しやすいです。
スワップポイント生活は可能?
月20万円得るのに必要な資金
・レバレッジ1倍 3000万円
・レバレッジ2倍 1500万円
・レバレッジ3倍 1000万円
メキシコペソは、高金利通貨の中でも特に金利が高い通貨なので、レバレッジ3倍で保有すれば少ない資金でスワップポイント生活可能です。
メキシコペソの危険性
見かけの金利の高さに惹かれて高レバレッジでメキシコペソを保有すると、最悪ロスカットになることもあります。
よって、ロスカットしないように低レバレッジ運用を行うなどのリスク軽減対策をする必要があります。
危険性1:アメリカ頼りの経済
メキシコのGDP(国内総生産)は1.2兆ドルで世界第14位の経済大国です。
しかし、隣国にはGDP23兆ドル以上の大国アメリカが存在します。
いくらメキシコが経済大国だとしても、世界一のアメリカ経済と比較するとわずか1/20程度の経済規模しかありません。
隣国に自国の20倍も巨大な経済国家アメリカがあれば、アメリカ経済が傾けばメキシコ経済が崩壊するのは容易に想像付きます。
よって、メキシコペソ投資をする際には、他の国の通貨以上にアメリカの経済動向をチェックする必要があるのです。
危険性2:資源通貨国
メキシコは、原油(世界第11位)や銀(世界第2位)の産出国です。
原油を始めとした天然資源は世界の経済活動に不可欠なもの。
世界経済全体が活発なときは、これら天然資源も盛んに売買されて資源価格も上昇します。
しかし、反対に世界経済が不況になると、資源を欲しがる国や企業が減ってしまい資源価格が暴落します。
そうなれば、メキシコペソのような資源通過国の価値も下がり、メキシコペソ相場は暴落します。
危険性3:高い犯罪率
メキシコは世界的に見ても特に治安の悪い国です。
日本の殺人事件が年間1,000件未満なのに対して、ほぼ同じ人口のメキシコでは年間3万件以上の殺人事件が起きています。
毎日100件近い殺人事件が起きている状況下では、例えば日本のコンビニのように深夜にバイト1人でお店を回すのは難しいでしょう。
このように、高い犯罪率は経済活動の妨げになります。
メキシコペソの上昇要因
確実に上がるという訳ではありませんが、いくつかの要因が重なると上昇する確率が高くなります。
要因1:政策金利の上昇
高金利通貨のメキシコペソは、金利収入を目当てにした投資資金が流入しています。
よって、メキシコの政策金利が上昇すると、投資対象としての魅力がさらに増し、資金流入額も増えて、メキシコペソ相場も上昇します。
特に、為替相場の基準になっている米ドルの政策金利とメキシコペソの政策金利の差が大きければ大きいほど、魅力も増してメキシコペソ相場も上昇しやすくなります。
要因2:原油価格の上昇
原油価格の上昇は、原油産出国であるメキシコの経済活性化に効果的で、メキシコペソ相場も上昇します。
原油価格が上昇しているときは、世界経済全体が好調なときも多く、世界経済の好調さがさらにメキシコペソ相場を上昇させてくれます。
このようにメキシコ経済に石油産業は不可欠な存在で、国営石油会社"ペイメックス"は財務省から資金注入を受けるなど大切に保護されています。
要因3:アメリカとの関係性が良好
メキシコと隣国アメリカとの関係性が良好だと、盛んに貿易や人の移動が起こりメキシコ経済が活性化します。
メキシコの貧困層の中には、アメリカへ出稼ぎに出て給料をメキシコ国内の家族に送金する人も多いです。
現在のメキシコ経済は、アメリカとの良好な関係性を抜きにしては成り立たない状態になっています。
当然、メキシコ国内の経済が活性化すれば、メキシコペソ相場も上昇します。
要因4:アメリカ経済が好調
隣国のアメリカ経済が活性化すると、当然メキシコ経済もその恩恵を受けます。
アメリカ経済はメキシコ経済の20倍以上の市場規模を誇っているので、仮にその1%がメキシコ経済に向かうだけでもメキシコ経済が大盛況します。
メキシコペソの下落要因
メキシコペソが下落する要因は、主に6つあります。
メキシコペソのような新興国通貨は、アメリカドルや日本円のような先進国通貨に比べて下落幅が大きくなりがちなので、下落要因を観測した際には一時撤退をするべきです。
要因1:世界経済の不況
世界経済が不況になると、メキシコペソのようなハイリスクな通貨は売られる傾向にあります。
メキシコ国内の経済が停滞するだけでなく、メキシコ国内に流入している海外資金が本国に引き上げることも、メキシコペソ相場が下落する原因になります。
要因2:政策金利の引き下げ
高金利通貨のメキシコペソが利下げを行うことは、他の国の通貨以上に大きな下落を生みます。
例えば、アメリカドルは世界最強国の通貨であり世界中で使えるメリットもあるので、政策金利の高低に関わらず高い需要があります。
しかし、メキシコペソが利下げすると、金利以外に魅力が無いので一気に暴落します。
要因3:原油価格の下落
メキシコとアメリカの間に広がるメキシコ湾は、世界有数の原油産出地です。
原油はメキシコにとって貴重な輸出商品なので、原油価格が下落すればメキシコ経済の大きな損失になります。
石油は、輸送機器の燃料になるだけでなく発電所の燃料や暖房に使われたりと、経済活動が活発に行われるほど多く消費される傾向にあります。
つまり、世界的な不景気になると経済活動が縮小して石油消費量が減少、ひいてはメキシコペソ相場の下落に繋がります。
要因4:アメリカ経済の不調
アメリカ経済が不況になれば世界全体が不景気になります。
メキシコはアメリカの隣国なので、他の国以上にアメリカ経済の不況の波を受けることになります。
メキシコは、輸入の45%輸出の80%がアメリカ相手です。
今のメキシコ経済はアメリカ経済抜きには語れません。
要因5:メキシコ経済の悪化
メキシコ経済自体が悪化すれば、当然メキシコペソも下落します。
メキシコのような高金利通貨は、他の国以上に下落幅が大きくなる特徴があります。
国内経済の悪化は、数年単位で克服や改善がなされるような事態なので、長期的なメキシコペソ相場の下落となるでしょう。
要因6:アメリカとの関係悪化
アメリカとの関係が悪化すれば、貿易だけでなく軍事や治安など様々な悪影響がメキシコに及ぼされます。
大枠としては両国は友好関係を結んでいますが、19世紀には領土を取り合った戦争も起こしていますし、移民(国境の壁)問題は現在も燻っています。
日本も隣国の中国や韓国とあらゆる問題を抱えて時期によって距離感を変えているように、メキシコとアメリカの距離感も日々変わっていくでしょう。
メキシコペソのインフレ率
メキシコのような高金利通貨は、高いインフレ率を抑えるために金利を高く設定しています。
現状のメキシコはインフレ率を政府がコントロール出来ていますが、インフレ率が制御不能になればハイパーインフレになることもあります。
近年のメキシコでは、1982年のメキシコ債務危機(インフレ率101%)と1994年メキシコ通貨危機(インフレ率30%台)と2回のハイパーインフレを経験しています。
かつてより世界経済の基盤がしっかりしてきたとは言え、また同じことが起きてもおかしくはないでしょう。
メキシコペソと南アフリカランド
当サイトでは、メキシコペソの方が優良な投資先であると述べていますが、それほど大きな差はなく将来的に逆転することもあると考えます。
もし、メキシコペソだけに一点投資することに不安があるのなら、スパイスとして南アフリカランドへも投資をすると良いでしょう。
メキシコペソとトルコリラ
余程トルコリラに対して強い思い入れがない限りは、無理にトルコリラに投資をするべきではありません。
まとめ:メキシコペソ投資ならレバレッジ3倍がおすすめ
メキシコペソはボラリティが大きい通貨なので、米ドルやユーロと同じ感覚でレバレッジをかけると、簡単にロスカットになります。
また、メキシコペソはスプレッドが広く、スワップポイントが高い通貨なので、短期投資よりも長期投資との相性が良いです。
その他のスワップポイント投資に関する記事を『【まとめ】スワップポイント投資のコツ【メキシコペソ・南アフリカ・トルコリラ】』にまとめています。ぜひ他の記事もご覧ください。