スワップポイント投資は危ない?
しかし、通貨選びやレバレッジ設定を誤ってしまうと、ロスカットする可能性もある危険な投資でもあります。
この記事では、スワップポイントでロスカットをしないための方法を解説します。
スワップポイント投資の危険性
危険性1:高金利通貨は価値が下落しやすい
スワップポイント投資の投資対象となるメキシコや南アフリカのような高金利通貨国が金利を高くしているのには理由があります。
それは、国や通貨に信用や魅力がないからです。
仮に世界中の国や通貨に政策金利が存在しない場合、世界一の経済大国が発行元で世界中で使える米ドルと、辺境の国で流通している南アフリカランドのどちらを欲しいかと言えば、十中八九米ドルです。
そこで、南アフリカのような人気のない通貨は、政策金利を高くすることでその魅力を上げて通貨価値が下がらないような工夫をしています。
よって、『高金利通貨=不人気通貨』という等式が成り立つので、高金利通貨は通貨価値が下落しやすい特徴があるのです。
危険性2:レバレッジを高くできない
FX独自のメリットとしてレバレッジがあります。
レバレッジを掛けることで少額でも大きな利益を狙えるようになります。
しかし、スワップポイント投資のような長期投資の場合は、レバレッジを3倍以内に抑えることが推奨されています。
さらに、スワップポイント投資は、ハイリスクな高金利通貨を売買することになるので、レバレッジ3倍ですらリスクがありレバレッジ1~2倍まで下げなければ安全とは言えません。
高いレバレッジを掛けられないので、どうしても短期売買よりも資金効率が劣ります。
危険性3:スワップポイントは変動する
スワップポイントは、二国間の政策金利の差により決まるので、どちらかの政策金利が変更されればスワップポイントの額も変わってしまいます。
政策金利は国により違いますが、1ヶ月か2ヶ月に一回変更されます。
今のスワップポイントの額で年間の収益を予測しても、数ヶ月後には政策金利が変わり受け取るスワップポイントが変わっていることが多いです。
危険性4:マイナススワップに要注意
スワップポイントは通貨ペアの政策金利の差で決まります。
あまり金利差のない2つの通貨でペアを組んでしまうと、最悪の場合金利差の逆転が起こり持っているだけで毎日金利を支払うマイナススワップになることもあります。
最初から金利差の大きい通貨ペアを選ぶ方がマイナススワップになる確率は低くなります。
危険性5:弱い国力
スワップポイント投資で投資対象となる高金利通貨は、メキシコや南アフリカ共和国など、先進国と比べると国力が劣っている国が多いです。
それらの国は、経済力だけでなく、医療技術や軍事力などあらゆる国力が弱く、流行り病が広まったり他国に攻められたり経済制裁を受けたりと、常に国が傾くようなリスクを背負っています。
もちろんそのような事象が起きた際には、高金利通貨は暴落します。
危険性6:世界的な不景気の影響も受けやすい
高金利通貨はリスク資産に属しています。
高金利通貨を保有するということは、リスクを負ってリターンを得ることを意味します。
リスク資産は、悪いニュースがあると一斉に売られます。
それはたとえ、アメリカで経済ショックが起きたとしても、アメリカドルより直接関係のない南アフリカランドの方が暴落するほどです。
スワップポイント投資の損失回避方法
損失回避1:下落したタイミングで購入する
高金利通貨は、通貨価値が下落しやすい通貨です。
もし、今の相場が過去の推移と比較して高値にあると感じるのならば、それは高金利通貨の買い時ではありません。
過去の最安値付近で購入出来れば、スワップポイントだけでなく為替差益も狙えるようになります。
損失回避2:レバレッジを低くする
ついつい利益が出ているとさらにレバレッジを高くして儲けようと考えがちです。
しかし、長期投資は短期投資に比べて大きな価格変動に触れることになるので、レバレッジを高くするとロスカットの確率が上がります。
一般的に長期投資の適正レバレッジは3倍以下とされていますが、高金利通貨はハイリスクで価格変動が大きい通貨なので、レバレッジ3倍でもロスカットすることもあります。
レバレッジ1~2倍に抑えればロスカットになることはほとんどないでしょう。
損失回避3:政策金利の推移が高い通貨を選ぶ
1年単位でスワップポイント投資をしていると、政策金利も大きく変わっていきます。
いくらプラススワップだとしても政策金利1%未満の通貨では、ほとんどスワップポイントを受け取れません。
低い時でも政策金利3%以上をキープしているような高金利通貨を投資対象にすると良いでしょう。
損失回避4:トルコリラに手を出さない
見た目の政策金利の高さで人気のトルコリラは、通貨の下落率が高すぎて購入すると損をする可能性がかなり高い通貨です。
他の高金利通貨と比べても圧倒的にインフレ速度が早く、手を出すべき通貨ではありません。
万に一つの確率で暴騰して稼げる可能性はありますが、わざわざそこまでリスクを負う必要はないでしょう。
スワップポイントはFX会社ごとに異なる
よって、同じ通貨ペアでもFX会社ごとにスワップポイントの金額は異なります。
たった数%の違いでも長期的に受け取っていると大きな差になります。
出来るだけスワップポイントの高いFX会社を選ぶと良いでしょう。
まとめ:スワップポイント投資はリスクヘッジをしっかりと
しかし、レバレッジを高くし過ぎたり為替相場の下落を見据えていないと、ロスカットになることもあります。
適正なレバレッジで適正な通貨ペアを選ぶことが出来れば、きっと数年後には大きな利益になっているでしょう。
その他のスワップポイント投資に関する記事を『【まとめ】スワップポイント投資のコツ【メキシコペソ・南アフリカ・トルコリラ】』にまとめています。ぜひ他の記事もご覧ください。