メキシコペソはなぜ下がるのか
世界経済自体は、複雑に複数の要因が絡んで変動しているので、『この理由でメキシコペソが下がった。』ということにはなりません。
しかし、メキシコペソが下がりやすい原因を知るだけでも、ニュースに対して投資判断が素早く行えるようになったり、分析の手助けになるでしょう。
メキシコペソが下がる理由
・世界経済の下落
・政策金利の引き下げ
・原油価格の下落
・アメリカ経済の不調
・メキシコ経済指標の悪化
・アメリカとの関係が悪化
メキシコペソが下がる理由
理由1:世界経済の下落
メキシコペソは高金利通貨です。
その高い金利を目当てに世界中の投資家がメキシコペソに投資をしています。
世界経済は10年に1度のペースで何かしらの大きな下落局面を迎えます。
その際にメキシコペソに投資をしていた世界中の投資家は自国通貨に資金を引き上げたり、アメリカドルやユーロのような比較的安全な通貨に振り替えたりします。
よって、世界経済が下落した時には、他の通貨以上にメキシコペソは下落をすることになります。
理由2:政策金利の引き下げ
メキシコペソの魅力の一つに政策金利の高さがあります。
日本が長い間ゼロ金利になっている横で、メキシコの政策金利は3~10%の高金利を維持し続けています。
メキシコペソの政策金利が引き下げになると魅力が損なわれ、メキシコペソを売る人が増えるので為替相場も下落します。
政策金利の推移は、為替相場よりもはっきりと上昇局面と下落局面が分かれているので分かりやすく参考にしやすいです。
理由3:原油価格の下落
原油の産出国であるメキシコは、原油価格の下落に弱いです。
世界経済が停滞し工場や物流が稼動しなくなると、原油が売れなくなり原油価格が下落します。
よって、資源国は他の国以上に世界経済の停滞時に為替相場が下落しやすいです。
理由4:アメリカ経済の不調
メキシコの貿易は、輸入の50%輸出の80%をアメリカが占めています。
よってアメリカ経済が不調になるとその影響をメキシコ経済も大きく受けます。
さらにアメリカとメキシコの経済規模はおよそ15倍もの差があるので、アメリカが少し調子が悪いだけでもメキシコには大ダメージになってしまいます。
メキシコペソに投資をする際には、メキシコ経済だけでなくアメリカ経済の動向もしっかりと把握しておかなければなりません。
理由5:メキシコ経済指標の悪化
当たり前ですが、メキシコの経済指標が悪化すれば資金が投資資金が海外に流出するので、メキシコペソ相場は下落します。
やはり政策金利やそれに直結するインフレ率に目が移りがちですが、失業率や経常収支などもしっかりと確認しておきましょう。
理由6:アメリカとの関係が悪化
アメリカとメキシコの関係は現状、『アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)』という自由貿易協定を三国で結んでおり、良好です。
しかし、両国の大統領が変わるタイミングで、外交政策を180度変える可能性もあります。
隣国との外交は繋がりが強い分だけ悪化する機会も多いので、10年後も良好な関係を保っている保証はありません。
もちろん経済的にアメリカに依存しているメキシコは、アメリカとの関係が悪化すると国内経済が崩壊し、メキシコペソは大暴落するでしょう。
まとめ:メキシコペソが下がる原因には注視しよう
しかし、下落する要因を理解しておけば、そのようなニュースが流れた時に一手早く資金を引き上げることも出来るでしょう。
メキシコは日本やアメリカに比べれば経済規模や安定性の低い国なので、日々情報収集に努める必要があるでしょう。
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