ケーキ屋経営は儲からない


 ケーキ屋経営は、儲からないビジネスです。

 実際に、黒字化している企業はわずか34%しかありません。

 ケーキ屋が儲からない理由は、原価率の高さや廃棄率が影響しています。


ケーキ屋オーナーの年収


 ケーキ屋オーナーの平均年収は200万円です。

 一部の成功しているオーナーの年収は高いですが、最低賃金を大きく割っているようなオーナーもたくさんいるので、平均年収が低くなっています。


ケーキ屋経営の初期費用

 ケーキ屋の開業資金は1000万円です。

 基本的にテイクアウト型のお店が多いので、初期費用はそれほど高くありませんが、イートインスペースも設けると初期費用が1500万円まで跳ね上がります。

 ケーキ屋はそれほど儲かるビジネスではないので、初期費用を抑えた開業が出来ると理想的です。


ケーキ屋経営のメリット


メリット1:好きなことを仕事に出来る

 ケーキ屋は子供の憧れの仕事の一つで、ケーキ屋を経営している人のほとんどは夢を叶えるためにケーキ屋を開業しています。

 好きなことを仕事に出来ることほど幸せなことはありません。


 反対に、それほどケーキ屋に興味がない人がケーキ屋を開業するのは儲からないのでおすすめしません。


メリット2:話題性が強くない

 『パンケーキ屋』や『クレープ屋』はブームにより売り上げが乱高下しますが、ケーキ屋はその影響があまりありません。

 よって、しっかりと地元に根付いたお店になれば、10年20年と経営を続けていくことも可能です。


ケーキ屋経営のデメリット


デメリット1:長時間労働

 労働環境が改善されている現代において、ケーキ屋は昔ながらの長時間労働が蔓延しています。


 開店から閉店まで働くのはもちろんですが、開店前の仕込みから閉店後の片付けまで行うと、月400時間も働くオーナーがかなり多いです。

 残業をしない会社員の労働時間が月200時間なので、その倍の仕事を毎日している計算になります。


デメリット2:コンビニスイーツの台頭

 ここ数年でコンビニ各社は集客の目玉として、スイーツ商品に力を入れてきました。

 大企業が多額の費用をかけて開発した商品の品質はかなり高く、テレビでコンビニスイーツの特集が頻繁に組まれていることからもその人気が分かります。

 わざわざケーキの為だけにケーキ屋に足を運ぶ人は、これからさらに減っていくでしょう。


デメリット3:廃棄ロスが多い

 ケーキは作った分をその日の内に売り切らなくてはなりません。

 もちろん残った分はすべて廃棄処分になります。

 かと言ってショーケースがスカスカでは誰も買ってくれません。


 メニュー数が増えれば増えるほど、廃棄するケーキの量も増えてしまうので、無計画に種類を増やすことはおすすめしません。


デメリット4:単身世帯の増加

 少し前の日本は2人兄弟や3人兄弟が当たり前で、誕生日やクリスマスになれば家族でケーキを囲んでお祝いをする姿をよく見かけました。

 しかし、近年では子供を作らない家庭や結婚をしない人も増えています。

 そのような子供のいない世帯や単身世帯の多くは、誕生日やクリスマスにケーキを食べません。

 単身世帯の増加は、ケーキ屋には大きな悪影響となっています。


デメリット5:季節性が強い

 ケーキ屋が最も忙しくなるのは間違いなくクリスマスの時期で、次いでバレンタインデーの時期も売り上げが高くなります。

 しかし、それ以外の時期にはあまり人が訪れないケーキ屋も多く、『他の飲食店』に比べて季節ごとの売り上げの差が激しい業界とも言えます。

 このようなビジネスモデルは資金繰りが難しく、しっかり計画的にお金を使わないと資金ショートして廃業することもあります。


ケーキ屋経営のコツ


コツ1:焼き菓子を売る

 ケーキ類は、原価率が高く消費期限も短いので、実は売れてもほとんど儲かりません。

 ケーキ屋は、派手なケーキで集客をして、原価率が低く消費期限の長い焼き菓子で利益を出しています。


 店舗レイアウトを工夫して焼き菓子が目線に入るようにしたり、オリジナル商品を開発したりと、焼き菓子が売れる工夫をしましょう。


コツ2:贈答用に力を入れる

 日持ちが良く持ち運びも容易な焼き菓子は、贈答用に選ばれやすい商品です。

 ラッピングサービスを行ったり、貰って嬉しい見た目にしたりと、贈答品としても売れるようにしましょう。


コツ3:季節イベントを取り入れる

 ケーキ屋が一番忙しいのは、間違いなく"クリスマス"です。

 その他にも"バレンタイン"や"ハロウィン"など、意外にも毎月のようにケーキ類が売れる季節イベントがあります。

 それらの時期に各イベントに合った商品を提供しましょう。


コツ4:オリジナル商品の開発

 普通のプリンならスーパーやコンビニで100円で買えます。

 しかし、ブランド化された高級プリンは1つ1000円するものもあります


 オリジナル商品は、高値でも売れます。

 中には、一つの商品だけで年収1000万円以上稼いでいるお店もあります。


まとめ:ケーキ屋は儲からないから辞めとけ


 ケーキは、消費期限が短く原価率も高いので、あまり儲からない商品です。

 また、ケーキ屋のオーナーは、長時間労働が当たり前の世界です。

 夢や目的もなくケーキ屋を経営するのは、おすすめ出来ません。

 それでも、オリジナル商品がブレイクしたり、地域に根付いてリピーターを獲得していければ、会社員以上の収入を目指せるでしょう。


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