セレクトショップ経営は儲かるのか


 セレクトショップ経営は、ファストファッションの台頭や、ネットショップの普及により儲かりにくい業界に転落しています。

 しかし、コンセプトを明確に打ち出したり、自身もネットショップ運営を行うことで十分に生活していけるだけの収入を得られます。

 この記事では、セレクトショップ経営の年収や、失敗しにくい経営方法を解説します。


セレクトショップオーナーの年収


 セレクトショップオーナーの平均年収は300万円です。

 リスクを犯してまで開業していることを考えると決して高い年収ではありません。

 しかし、好きなことをして会社員並の給料を得られると考えるのならば、悪くない年収でもあります。


セレクトショップ経営のメリット


メリット1:単価が高い

 セレクトショップに置かれるアイテムは、ユニクロやしまむらのようなファストファッションのアイテムと比べて高単価なことが多いです。

 1つの洋服が売れるだけで5,000円以上の売り上げになることもあります。


 これが商品単価200円の雑貨屋なら、25個も雑貨を売ってようやく5,000円の売り上げです。

 商品単価が高いことで、少ない客数でも高い売り上げを目指すことが出来ます。


メリット2:原価率がやや低い

 小売業の中で、アパレル用品は原価率が低めです。

 仕入れ価格は、定価のおよそ40~50%になっています。

 1つ5,000円の洋服が売れると、粗利益は2,500円です。


 アパレルショップで"定価の30%OFF"や"定価の50%OFF"のセールを良く行っていますが、仮に50%OFFで売れてもプラスマイナスゼロで不要な在庫を処理出来るので、お店側としては大助かりです。


セレクトショップ経営のデメリット


デメリット1:ユニクロの台頭

 近年急速に個人経営のセレクトショップが減少していますが、その最大の要因はユニクロを筆頭にファストファッションが台頭してきたことです。


 かつてのユニクロは、『安かろう悪かろう』のイメージが浸透しており、着ているだけでダサいと言われていましたが、最近では商品の質が上がり、手軽にファッションを楽しめると若者にも人気のお店になりました。

 よって、わざわざ割高なセレクトショップでそれなりに上質な洋服を買う人は、よほどファッションに興味のある人や、生活に余裕のある人くらいになってしまいました。


デメリット2:ネットショップの増加

 もう一つセレクトショップが苦戦している要因は、ネットショップの増加です。

 わざわざお店に出向かなくても商品を買えるようになり、若者に指示を得ています。


 さらに、メーカーが直接ネットショップで販売をする所も増えてしまい、お店が仲介する必要も無くなってしまいました。


デメリット3:廃棄ロスが多い

 洋服には、食品と違い賞味期限こそありませんが、季節によって売れる商品は違うので、そのシーズン中に売れなければ在庫を抱えることになります。

 そうならないために、セールで大幅値下げをしているお店も多いです。

 しかし、トレンドアイテムでなければ、無理にそのシーズンに売り尽くさなくても、しっかりと保管しておき、来年もう一度販売する方法もあります。


 実は、私達が想定しているよりも、アパレル用品の廃棄ロスはそれほど多くありません


セレクトショップ経営の工夫


工夫1:コンセプト

 どのお店でも、同じ卸売から仕入れているので、頭を使わずにトレンドアイテムばかりを揃えてしまうと、他店と同じようなお店になります。

 あえてセレクトショップという業態に挑戦するなら、明確なコンセプトを持つことが重要です。


コンセプト例
・上品でエレガントな女性を演出
・NYのライフスタイル
・アクティブで遊び心のあるファッション
・オシャレと実用性を提案


 お店作りを考えると、あれもこれもと欲が出てきます。

 しかし、セレクトショップのお店作りは、『週末のアウトドアを趣味にしている20~30代の男性』のように、特定の人をターゲットにした方が差別化がされて良いです。


工夫2:リピーターの獲得

 明確なコンセプトを打ち出して、特定の客層に刺さるお店が作れると、刺さった客はリピーターに昇格します。

 お店のコンセプトに共感してくれたリピーターなら、多少値段が高くても購入してもらえますし、複数アイテムをまとめて購入してくれることもあります。


 リピーターを獲得するために、ポイントカードを発行したり、SNSを積極的に活用するのも効果的です。


工夫3:高単価商品

 個人商店の弱みは集客力の低さです。

 ただお店を開くだけでは誰も訪れてはくれないでしょう。


 集客力の無いお店が低単価の商材を扱ってしまうと、売り上げがほとんど生まれません。

 少ない客数でも黒字化するためには、高単価商品を扱うのが鉄則です。


 低単価路線は、大手のファストファッションに任せておけば良いでしょう。


工夫4:ネットショップの活用

 セレクトショップとネットショップの相性は良いです。

 セレクトショップの商品は高単価な物が多いので、送料負けすることがほぼありません。

 ネットショップなら、日本全国を相手に商売が出来るので、大きく稼げるかもしれません。


 ただし、ライバル店も全国が相手となってしまうので、競争が激しいのは覚悟をしておくべきでしょう。


まとめ:セレクトショップはコンセプトで儲ける


 セレクトショップは、ファストファッションの台頭やネットショップの普及で苦境に立たされています。

 そこでおすすめなのが、明確なコンセプトを全面に押し出した店舗運営をすることです。

 その他にもネットショップも並行して営業していくと、収入源が増えるのでおすすめです。