メキシコペソでスワップポイント生活は可能か?


 『メキシコペソのスワップポイントだけで生活をすることは出来るのか。

 そう考えたことのあるFX投資家は多いのではないでしょうか。


 実際にメキシコペソのスワップポイントだけで生活をすることは可能です。

 ただし、毎月の必要な生活費の金額やレバレッジの倍率によって、必要な資金は異なります。


 そこでこの記事では、生活費の金額やレバレッジの倍率別に必要な資金を紹介します。



スワップポイント生活に必要な資金はいくらか?


 スワップポイント生活に必要な資金は、毎月の生活費の額とレバレッジの倍率によって変わります。

 メキシコペソを長期投資する際の適正レバレッジは3倍以下で、これ以上レバレッジを上げてしまうとロスカットになる確率が飛躍的に上がります。


スワップポイント生活に必要な資金
・生活費40万円/レバレッジ1倍 6000万円
・生活費40万円/レバレッジ2倍 3000万円
・生活費40万円/レバレッジ3倍 2000万円
・生活費20万円/レバレッジ1倍 3000万円
・生活費20万円/レバレッジ2倍 1500万円
・生活費20万円/レバレッジ3倍 1000万円


 毎月20万円で生活しレバレッジを3倍までかけるなら、スワップポイント生活に必要な資金はわずか1000万円です。

 1000万円で毎年240万円の金利収入となり、その年利は24%と破格です。


 ただし、高値でメキシコペソを購入した後に大暴落が起きて最安値を更新するような事態があれば、レバレッジ3倍でもロスカットになるので、レバレッジ3倍でメキシコペソを購入する場合は、購入レートが低くなるように心掛けましょう。





メキシコペソ投資は危険?


 メキシコペソは比較的ハイリスクな通貨です。

 値動きが激しいので、米ドルやユーロなどと同じような運用方法をしてしまうと失敗することもあります。

 基本的には、米ドルやユーロのような安全通貨よりも低レバレッジで運用することが求められます。



危険性1:アメリカ依存の経済体制

 メキシコ経済はアメリカ経済に依存した仕組みになっています。

 世界一の経済大国の経済力を利用して効率的に経済発展してきたとも言えますが、アメリカ経済の景気の波の影響を本国アメリカ以上に受けてしまうリスクがあります。


 アメリカのGDP(国内総生産)は3500兆円ですが、メキシコのGDP(国内総生産)はそのわずか5%である180兆円しかありません。

 仮に、アメリカ経済が停滞して両国に10兆円の損失が生まれたとすると、3500兆円規模のアメリカ経済への影響は軽微ですが、180兆円規模のメキシコ経済は崩壊するでしょう。


 極度にアメリカに依存しているメキシコ経済は、こうしたリスクを常に背負っているともいえるでしょう。


危険性2:資源国

 メキシコは、原油や天然ガス、銀や銅の産出量が多い資源大国です。

 それらを輸出出来るメリットはかなり大きなものですが、資源国通貨は世界経済が不透明になると真っ先に売られる特徴があります。


危険性3:犯罪大国

 メキシコは世界有数の犯罪大国です。

 特にメキシコマフィアの力が強く、警察を始めとした国家権力と度々抗争が起きています。

 危険と分かっている国にわざわざ海外支店を開こうと考えるビジネスオーナーは少なく、犯罪率の高い国は海外企業の誘致が難しいです。


危険性4:為替変動幅

 メキシコは世界12位の経済大国ですが、それでもアメリカやEUの経済規模と比べれば桁違いに小さな規模しかありません。

 世界中に流通している通貨の量を考えても、米ドルやユーロとメキシコペソでは桁が一つ違います。

 メキシコペソのように流通している通貨量が少ないと、少額の為替取引で為替相場が乱高下します。


 特に、メキシコペソのようなハイリスク資産は、有事の際に一斉に売られる傾向にあるので、"○○ショック"が起こると大暴落を引き起こします。


危険性5:大統領

 日本に住んでいるとあまり馴染みのない大統領制度ですが、日本の総理大臣が国会議員の投票で決められるのに対して、大統領選挙は直接国民の投票で決められるので、総理大臣よりも与えられる権限が大きいです。

 日本の場合、総理大臣が変わってもそれほど生活に違いを感じられませんが、大統領が変わると大きな変革が起こります。

 経済政策や外交政策に大きな変更点があれば、メキシコペソ相場が大きく動くことも考えられるので、大統領選挙の時期にメキシコペソのポジションを持っていることは危険です。


危険性6:スワップポイントの減少

 スワップポイントは、通貨ペアの金利差を元に各FX業者が毎日の額を決定しています。

 同じ政策金利のままなのに、日によってスワップポイントが違うことがあるのはそのためです。

 また同じ日でも、業者ごとにスワップポイントの額がまったく違うのも、それぞれの業者が独自に額を決めているからです。


 このように、スワップポイントの額に保証はなく、スワップポイントだけを目的にした投資はある日突然破綻する可能性もゼロではありません。

 手軽に出来るリスクヘッジとして、複数の業者で口座開設しておけば仮に一社がスワップポイントの額を減らしても乗り換えて対応出来ます。


メキシコペソが上昇するときは?


 メキシコペソは、次の5つの状態の時に上がりやすいとされています。


メキシコペソ相場が上がりやすいとき
・政策金利が上昇傾向
・原油価格の上昇
・アメリカとの関係が良好
・アメリカ経済が良好
・メキシコ経済指標の好調



要因1:政策金利が上昇傾向

 メキシコの政策金利が上昇傾向にあるときは、メキシコペソも上昇しやすいです。

 政策金利は上昇期間と下降期間が綺麗に分かれていることが多く、次に上昇するのか下降するのかを想定しやすいです。


 メキシコペソのような高金利通貨にとって、政策金利の値は為替相場を決める大切な指標になるため、他の国の為替相場以上に政策金利の推移を意識すると良いでしょう。


要因2:原油価格の上昇

 原油価格が上昇すると、メキシコの輸出額が大きくなるので、為替相場も上昇します。 

 メキシコには、天然ガスや銀など他にもたくさんの天然資源がありますが、メキシコペソ相場にもっとも影響を与えるのは原油です。


 原油価格は、世界経済が停滞すると値下がりすることが多いので、世界経済の動向にも目を向けておくとメキシコペソ投資の精度が増すでしょう。


要因3:アメリカとの関係が良好

 メキシコとアメリカの関係性が良好なときは、メキシコペソが上昇しやすいです。

 経済的な面でメリットが大きいほか、軍事や外交などあらゆる面で恩恵を得られます。


 メキシコの南に広がる南アメリカ大陸には反米感情の強い国もあり、メキシコも将来的にそうなることも考えられます。

 もし、メキシコがアメリカと距離をおくような素振りを見せたら、早急にメキシコペソから手を引くことをおすすめします。


要因4:アメリカ経済が良好

 アメリカ経済が好調ならメキシコペソ相場も上昇します。

 1000万人いるとされているアメリカへの出稼ぎをしているメキシコ人は、働いて得たお金を本国メキシコにいる家族へ送金しています。

 アメリカ経済が好調なら、そういった出稼ぎ労働者が仕事を探すのも容易になります。


 さらに、アメリカとの貿易も盛んに行われるようになる点もメキシコ経済にとってプラス材料です。


要因5:メキシコ経済指標の好調

 メキシコ経済の指標が好調ならメキシコペソ相場は上昇します。


 特に、日本のように終身雇用が一般的でないメキシコでは、経済が悪化するとすぐに従業員を解雇して失業率が上がります。


 その他には、メキシコのような経済発展の最中にある国のインフレ率は高くなりやすいです。

 そんな中でインフレ率が下落してきた時は、国内の経済に陰りが見えているということになります。


 失業率とインフレ率が好調なら、メキシコ経済が順調に回っているということになるので、この二つの指標には注目しておくと良いでしょう。



メキシコペソが下がるときは?

 メキシコペソが下がりやすいとされているのは、次の6つの時です。


メキシコペソが下がりやすいとき
・世界経済の下落
・政策金利の引き下げ
・原油価格の下落
・アメリカ経済の不調
・メキシコ経済指標の悪化
・アメリカとの関係が悪化



要因1:世界経済の下落

 世界経済全体が停滞しているときにはメキシコペソ相場は下落します。

 メキシコペソのようなハイリスクハイリターンな通貨は、世界経済が不調になると他の通貨以上に売れやすいです。

 それは、メキシコに投資をしていた海外企業や投資家がリスク回避のために自国に資金を引き上げてしまうからです。


要因2:政策金利の引き下げ

 高金利通貨にとって政策金利の引き下げは、魅力の低下に繋がります。

 海外投資家があえてリスクの高いメキシコの通貨を保有する理由は、高い政策金利を受け取るためです。

 その魅力が無くなるのなら、米ドルを始めとした他の通貨を持っている方が安全でメリットが大きいです。


 特殊なケースとして、世界各国がどんどん金利を上げている局面でメキシコペソだけが金利を据え置いた場合も、相対的に金利が低く見えてしまうので売られてしまいます。


 メキシコの金利を考える際には、メキシコの政策金利だけでなく世界の主要な国々の政策金利も参考にすると良いでしょう。


要因3:原油価格の下落

 原油価格が下落するとメキシコペソ相場も下落します。

 そもそも原油価格が下落しているときは、世界経済が停滞しているときが多いので、リスクの高いメキシコペソのような新興国通貨は売られます。

 それに加えて原油の産出国でもあるので、輸出量が減ることからメキシコペソ相場が下落する側面もあります。


要因4:アメリカ経済の不調

 アメリカ経済が不調になれば、メキシコペソも下落します。

 それほどまでにメキシコ経済のアメリカへの依存度は高いのです。

 また、メキシコはアメリカほど経済基盤が整っていないので、時にはアメリカ経済不調の影響が本国アメリカよりも大きくなることもあります。


要因5:メキシコ経済指標の悪化

 もちろん、メキシコの経済指標が悪ければメキシコペソは売られます。

 ただし、メキシコペソを長期保有するつもりなら、目の前の小さな経済指標の悪化に右往左往せず、その影響が長期的なものか短期的なものかの選別も必要になります。


要因6:アメリカとの関係悪化

 アメリカとの関係が悪化すれば、経済面だけでなく軍事・外交・国内政治とあらゆる事象で問題が発生します。

 現状でメキシコとアメリカが断交するようなことは考えられませんが、5年後10年後にどのような関係性を築いているのかは誰にも分かりません。

 メキシコペソ投資は、短期投資よりも長期投資向きの投資手法です。

 そう考えると、5年後10年後は決して遠い未来ではありません。



メキシコペソでスワップポイント生活をするコツ

 メキシコペソでスワップポイント生活を送るために大切なコツを3つ紹介します。


コツ1:レバレッジを抑える

 通貨としてのメキシコペソは、アメリカドルやユーロに比べて値動きが激しい特徴があります。

 特に初心者のうちは、レバレッジを抑えて値動きに慣れるようにしましょう。

 値動きに慣れてからレバレッジを2倍、3倍に高めても遅くありません。


コツ2:為替差益も狙う

 確実な方法ではありませんが、どうせなら為替差益も同時に狙っていくと、年利20%30%のような破格なリターンを狙っていけます。

 為替相場は、ある一定の幅で上昇と下落を波を描くように繰り返す特徴があります。

 世界的な悪いニュースが流れたときにポジションを仕込んでおくと、景気が回復したときにはスワップポイントと為替差益の両方の利益が貯まっていることでしょう。


コツ3:有事の際はすぐに撤退する

 メキシコペソのような新興国通貨は、例え本国メキシコに影響の無い事象だとしても、世界経済に大ダメージになるようなニュースが流れると一斉に売られて、暴落を引き起こします。

 どこかの国で戦争や経済危機が起こってしまったときは、多少の損失が出てしまってもすべてのポジションを決済する方が傷が浅く済みます。

 レバレッジ3倍程度でメキシコペソを保有していると、世界恐慌レベルの金融危機が起これば、まず間違いなくロスカットすることになります。



まとめ:メキシコペソでスワップポイント生活を始めよう


 メキシコペソでスワップポイント投資をすることは可能です。

 毎月20万円のスワップポイントを得るためには、レバレッジ3倍で1000万円の資金があれば大丈夫です。

 いきなり1000万円の大金を用意するのは難しいですが、メキシコペソの高い金利収入を得つつ毎月積み立てていけば、誰でも必ず達成できる金額です。

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