タバコ屋経営は儲かるのか


 ほとんど客がいないのになぜか潰れない街のタバコ屋。

 実際に個人経営の小さなタバコ屋の客数は1日5~10人ほどで、もちろんそれだけで生活をしていくことは出来ません。


 実は、タバコ屋は店頭販売ではなく、自販機を街中に設置することで利益を上げています。

 この記事では、そんなタバコ屋の年収やどうやって儲けているのかを解説します。


タバコ屋オーナーの年収


 タバコ屋経営者の平均年収は200万円です。

 ただし、年金で生活しつつお小遣い程度の稼ぎをしているオーナーも含まれているので、しっかりと経営している人の平均年収は300~400万円程にはなるでしょう。


タバコ屋経営のメリット


メリット1:ライバルがいない

 タバコの販売は、"タバコ事業法"に従って行う必要があります。

 その中に過度な競争を防ぐ目的で、既存店舗から一定距離以内に新規のタバコ販売店を出店出来ないというルールが定められています。

 繁華街なら50m、市街地なら100m、住宅地なら200mのように土地によってルールは異なりますが、突然隣にライバル店が出店することがないのは販売店側としては大変ありがたいです。


メリット2:自販機で売れる

 タバコ屋の店頭には必ず自動販売機が設置されています。

 自動販売機なら、電気代はかかるものの24時間タバコが売れます。


 その他にも、雀荘パチンコ店などに自販機を設置して稼いでいるタバコ屋も多いです。


メリット3:売り上げが安定する

 タバコはほぼ常連客が購入していくので、売り上げが一定になることが多いです。

 また、飲料のように季節性もないので、1年を通して安定的な収入が期待出来ます。


タバコ屋経営のデメリット


デメリット1:利益率が低い

 タバコの値段の大半を税金が占めていることは有名です。

 タバコを売った際に販売者が得られる粗利益はわずか10%です。 


 1箱600円のタバコを売ってもタバコ屋には60円しか入りません。

 1カートン6,000円が売れても利益はたったの600円です。


 飲食業の原価率が30%、小売業の原価率が60%であることを考えると、タバコの原価率90%は異常なことが分かります。


デメリット2:店舗ではほとんど売れない

 自販機やコンビニでも買えるタバコをわざわざタバコ屋に買いに行く人は稀です。

 たいていの場合は、常連さんで店主と話すことが目的だったり、昔から習慣的にそこで買っていることが理由だったり、何か目的や理由がある人がタバコ屋でタバコを購入します。


 24時間いつでも買える自販機や、ついでにジュースや弁当も買えるコンビニと個人経営のタバコ屋が勝負をしても無駄なので、店頭販売では売れないことは諦めて自販機販売に力を入れるべきです。


デメリット3:喫煙者の減少

 かつてから言われ続けている喫煙者の減少は、これから先もさらに進んでいくことが予想されます。

 1990年代には日本国内で年間3000億本ものタバコが消費されていましたが、2020年代に入ると900億本にまで減少しています。


 ただし、市場規模が小さくなれば参入する事業者も減るのが普通なので、個人経営レベルで儲けるのには、それほど影響はないでしょう。

 むしろ、高齢を理由に廃業をする人の隙間を上手く拾えば、大きく稼げる可能性すらあります。


タバコ屋経営の工夫


工夫1:自販機営業に力を入れる

 実店舗での販売は、利便性の悪さからほとんど売れません。

 それよりも自販機による売り上げがタバコ屋の収入の柱になります。


 喫茶店や雀荘など、タバコが売れる場所を常にリサーチして地道に営業を仕掛けていけば、一人経営でも20~30台の自販機オーナーとなることも夢ではありません。

 1台あたり1日10箱売れるなら、月に300箱。

 30台の自販機オーナーなら、月に9000箱も売れます。

 1箱の粗利益が60円なら、月の粗利益は54万円

 そこから電気代や賃料を支払っても十分に生活していけるだけの収入が手元に残ります。


工夫2:自店舗の前に自販機を設置する

 自販機設置の第一段階として、自店舗の軒先にタバコ自販機を設置しましょう。

 合わせて飲料の自販機も設置しておくと、タバコのついでに缶コーヒーが売れたりして売り上げを伸ばせます。


まとめ:タバコ屋は自販機で稼ぐ


 稼いでいるタバコ屋のほとんどは、近隣の施設に自販機を設置して収入を得ています。

 仮に30台を設置して1台あたり10箱/日売れると、月に54万円もの粗利益になります。

 地道に近隣店舗へタバコ自販機設置の営業を続けていけば、十分に生活をしていくだけの収入になるでしょう。