トルコリラはどこまで下がるのか
しかし悲しいことに、この通貨は誕生以来綺麗な右肩下がりで通貨の価値を下げ続けています。
2008年には1リラ約80円でしたが、2022年には1リラ約8円と1/10にまでその価値を下げています。
果たしてトルコリラはどこまで下がるのでしょうか。
また、破綻やハイパーインフレになることはあるのでしょうか。
この記事ではそんなトルコリラの下落に関する疑問を解説します。
トルコリラはまだ下がる
現在トルコリラが下落を続けている最大の要因は政策金利の低さですが、仮に高金利政策に切り替えたとしてもすぐにその効果が為替に反映されるかは疑問です。
長期に渡り市場の期待を裏切って低金利政策を続けてきたので、信用もされておらず『またすぐに低金利に戻るだろう』と市場関係者が考えても不思議ではありません。
低金利政策を推し進めているエルドアン大統領の退任
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次期大統領が高金利政策を容認
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世界中の投資家がそれを信用する
という流れが起こらなければトルコリラ相場が上昇することはなく、まだまだ時間がかかることでしょう。
トルコリラの価値がなくなることはあるのか
ただし、トルコでは2005年まで流通していた旧通貨の価値が下がり過ぎて新通貨を発行(デノミ)した過去もあるので、同様の事態が現行通貨でも起こる可能性はあります。
その廃止された旧通貨は30年間に10万分の1にまで価値が減少していましたが、現行のトルコリラはそれほど急激なインフレには陥ってはいません。
やはり、引き続きゆっくりとしたペースで徐々に通貨価値を減少させていくのが現実的な予想になるでしょう。
トルコリラがハイパーインフレになることはあるのか
毎月50%のインフレを1年間続けると、約130倍も物価が上昇していることになります。
1本100円のジュースが1年後には1本13,000円にもなっていると考えると国内の経済が崩壊することは容易に想像出来ます。
それではトルコリラがこのハイパーインフレになる可能性はあるのでしょうか。
確率としては低いですが、トルコリラもハイパーインフレになる可能性はあります。
本来高インフレになってしまった場合の対処法は、政策金利を引き上げて景気を停滞させるのが一般的です。
メキシコペソや南アフリカランドなど高金利な国は、高いインフレ率を抑える目的で高い政策金利を設定している側面もあります。
反対に日本のように国内が停滞している時は、金利を引き下げることで景気刺激を行いますが、残念なことに日本は既にゼロ金利になっているので、別の手を取らざるを得ません。
このようにインフレ率と政策金利は表裏一体で切っても切り離せないものですが、今のトルコでは市場の常識を無視した高インフレへの低金利政策を取っているので、このまま何も変わらなければ突然ハイパーインフレになることもあるでしょう。
まとめ:トルコリラはまだまだ下がると考えた方が良い
だからと言って"トルコリラ売り"をしている投資家もいますが、何かの拍子に政策転換が起こった時に一気に値動きが起こるはずなので、そもそもリスクの塊であるトルコリラに手を出さないことをおすすめします。
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