メキシコペソと原油価格の相関性は?
一般的に原油の産出国は、原油価格と為替相場に相関性があるとされています。
確かに原油の価格が上昇すると、原油の輸出時に大きな利益となり原油産出国が儲かるのは事実です。
しかし、実際には為替相場は複数の要素が複合的に絡み合って形成されているので、原油価格がそのまま為替相場に反映される訳ではありません。
そこで、この記事では1995年から2022年までの長期チャートで原油価格とメキシコペソ相場に相関性があるのかを検証します。
その他にもメキシコペソとの相関性が高いと言われている銀とNYダウの価格推移とも比較を行います。
メキシコペソは高金利通貨なので長期的な下落が続いており、反対に原油は中国を始めとした新しく経済発展した国々にも買われるようになり、その価格を上げています。
このように一見すると全く反対の値動きをしているようにも思えますが、原油価格が急激に上昇している年にはメキシコペソ相場も横ばいまたは若干の上昇を形成しています。
つまり、メキシコペソは長期的な下落傾向にありつつも、原油価格が急騰するときには上昇圧力がかかっていることが分かり、相関性があると言えるでしょう。
実はここ数年、メキシコは世界一の銀産出量を誇っています。
銀も原油同様に、需要が増え続けており価格の上昇が続いています。
しかし、メキシコペソと原油の相関性に比べるとメキシコペソと銀にはあまり相関性はありません。
メキシコペソとNYダウの相関性
アメリカ経済が好調ならメキシコ経済も恩恵を受けて為替相場が上昇するという理論で、メキシコペソとNYダウには相関性があると言われています。
アメリカ経済が好調な時は、メキシコからアメリカへ出稼ぎに行く労働者も増え、母国メキシコへ給料を送金することもメキシコペソ相場が上昇する根拠とされています。
しかしご覧の通り、実際にはメキシコペソとNYダウには相関性はありません。
少し考えてみると、仮にアメリカ経済が好調ならわざわざリスクのあるメキシコに投資をするよりも素直にアメリカに投資をする方が自然です。
よって、アメリカや海外の投資家は、メキシコペソから資金を引き上げてアメリカドルに資金を移すでしょう。
アメリカ経済が好調な時に、メキシコペソが上がる要因と下がる要因が混在しているので、NYダウとメキシコペソにまったく相関性がないのだと考えられます。
まとめ:メキシコペソと原油価格の相関性はあくまで参考程度に
また、投資界隈で良く言われている銀やNYダウについては、メキシコペソとの相関性があるとは言えないでしょう。
為替相場は、数えられないほど無数の要因が複雑に影響を与え合って形成されています。
為替投資家には、一つの指標にこだわらない柔軟な思考が求められます。
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