ぶどう農家は儲かる
高級なぶどう品種"ルビーロマン"は1房150万円で販売された実績もあり、質の高いぶどうが栽培出来れば年収はどんどん上がっていくでしょう。
この記事では、ぶどう農家の平均年収や、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。
ぶどう農家の年収
一見するとかなり少なく見えますが、ぶどう農家の多くは他の作物と兼業で農業をしているので、合計の年収はもっと多くなります。
ぶどう農家の年収は、他の果物に比べても高めでおすすめの作物です。
ぶどう農家の初期費用
ハウスのいらない露地栽培の初期費用は300万円です。
ハウスを建てる施設栽培の初期費用は3000万円です。
ハウス栽培の方が質の高いぶどうを栽培出来ますが、初期費用も大きくかかりますし燃料費や修繕費もかかってくるので上級者向けの農業になります。
ぶどう農家のメリット
メリット1:面積あたりの収益性が高い
面積あたりの収益性が低い果物が多いなかで、ぶどうは面積あたりの収益性が高いです。
10a(アール)あたりの収入がおよそ35万円なので、100a(アール)もあれば生活していけるだけの収入になります。
メリット2:ワイン需要も見込める
日本人のワイン消費量はここ10年間で1.5倍もの増加をしています。
ワインの本場と言えば、イタリア、フランス、スペインなどですが、日本の国産ワインも盛んに作られています。
もちろんワインの原料はぶどうであり、ワイン市場が拡大すればするほどぶどう農家の収入も多くなります。
メリット3:品種が多い
ぶどうは、世界中で10000万種類以上あるとされており、日本国内でも100種類以上のぶどうが栽培されています。
品種の種類が多いことで、その土地にあったぶどうを選択出来るでしょう。
また、同時に複数の品種を栽培すれば、出荷時期をずらすことで労働時間を分散したり、疫病や災害で全滅することを避ける効果もあります。
ぶどう農家のデメリット
デメリット1:3年間無収入
ぶどうは、栽培を始めてから3年目にようやく実が成ります。
さらに、3年目に初めて出来たぶどうは出荷するほどの品質になっていないことが多く、4~5年目にようやく本格的な出荷が始まります。
つまり、最低でも3年間は無収入になるので、資金繰りに苦労することになるでしょう。
デメリット2:獣害や災害に弱い
ぶどうの皮は薄く弱いので、獣害や災害に弱いです。
特に、贈答用のぶどうは少しでも傷が付いていると商品価値が無くなってしまいます。
デメリット3:手間がかかる
傷が付いていると商品価値が下がってしまうので、ぶどう農家はぶどうに網をかけて獣害や災害に備えています。
一つ一つの房に対して手作業で網をかけていくので、どうしても時間がかかります。
時間がかかる分だけ労働生産性が低くなってしまいます。
デメリット4:棚が必要
ぶどうはつる性の植物です。
つるが巻き付くための棚を建てる必要があります。
パイプなどを加工して手作りで棚を作れば10万円程度で済みますが、業者に頼めばそれだけで100万円規模の支出となります。
ぶどう農家のコツ
コツ1:シャインマスカット
ぶどうの中でも最も有名な品種がシャインマスカットです。
1kgあたり2,000~3,000円ほどで取引されており、ちょっとしたプレゼントやプチ贅沢にも人気の品種です。
しかし、その収益性の高さから一斉にシャインマスカットを作る農家が増えたことで、価格相場が下落した過去もあります。
他の品種も栽培しつつ、王道のシャインマスカットも栽培するのがおすすめです。
コツ2:山梨県と長野県
ぶどうは、山梨県(シェア率21%)と長野県(シェア率20%)で国産ぶどうの4割以上を出荷しています。
本気でぶどう農家になるのなら、このどちらかの県に移住すると良いでしょう。
この両県なら、ぶどうを出荷する体制も整っていたり、ぶどう栽培のノウハウも蓄積されているので、他の県でぶどう農家になるよりも儲かる可能性が高くなります。
コツ3:品質を高める
ぶどうの中でも特に高級な"ルビーロマン"は、2022年の初競りで1房150万円もの高値が付きました。
確かにマグロの初競りのように、ボーナス価格となっていることは間違いありませんが、それでも破格の価値を持っていることに変わりはありません。
これほどまでに高値なぶどうでなくても、質の高いぶどうを栽培すれば、ネット販売や飲食店との直接取引が増えて、普通のぶどう農家の数倍の年収を稼ぐこともあります。
まとめ:ぶどう農家は高品質で稼ぐ
しかし、ぶどう以外にも栽培している農家がほとんどで、実際の年収はさらに高くなります。
ぶどう農家は、最低でも最初の3年間は無収入になりますが、高品質なぶどうが作れるようになると、年収1000万円以上稼ぐのもそれほど難しいことではありません。