林業は儲かるのか


 国土の3/4を山地が占めている日本は、他国に比べて林業が盛んです。

 現在の林業は、高齢化の波が押し寄せていますが、それでも十分に稼げています。

 若い担い手が本気で参入すれば、さらに儲けられる可能性が高いでしょう。


 この記事では、林業の平均年収や、メリットデメリットを解説します。


林業の年収


 林業従事者の平均年収は300万円です。

 これは、労働者として雇われている人も含んだ金額です。

 将来的に独立して事業者となれば、さらに高い年収になるでしょう。


林業のメリット


メリット1:担い手の減少

 平成元年には10万人いた林業従事者は、ここ30年で4万人にまで減少しており、後継者不足が問題となっています。

 また65歳以上の労働者比率を表す"高齢化率"は25%で、4人に1人が65歳以上であることが分かります。


 このように林業従事者は人材不足に悩まされており、儲かる土地があるのに伐採が出来ないというケースが増えてくるでしょう。

 それらを上手く拾っていけば、周りよりも高い年収になっていくでしょう。


メリット2:定時に帰れる

 山で仕事をする林業は、暗い夜に仕事をすることが出来ません。

 つまり、無駄な残業がなく定時に帰れます。

 これは会社員として働く場合でも、自営業として働く場合でも同じです。


メリット3:自然の中で仕事が出来る

 一日中山の中で仕事が出来るのは、自然が好きな人にとっては夢のようなことです。

 都会でたくさんの人と接することに疲れた人が林業に転職するケースも多いです。


林業のデメリット


デメリット1:輸送コストの増大

 木材は、例えばスマホのような工業製品と比べると、大きさの割に単価が低いです。

 木1本の重さは平均して30kgで価格相場はおおよそ1万円です。

 スマホ1台の重さはおおよそ150gで価格は1台5万円はするでしょう。

 スマホ200台で30kgになりその価格は1000万円です。


 同じ30kgの商品を輸送するコストは同じなので、木材の輸送はスマホの1000倍のコストがかかることになります。


デメリット2:ウッドショック

 コロナ禍により2021年頃から木材の価格が高騰した時期がありました。

 実はこのウッドショックは今回で3度目で、過去にも1990年代と2000年代に起きています。


 ウッドショックとなると木材の価格が2~3倍になることもザラなので、上手く売り抜けられた林業従事者は大きく稼げました。

 ただし、極端に需給バランスが崩れたり、流通が滞ったりするので、中にはむしろ収入を減らしてしまった林業従事者もいます。


デメリット3:危険

 林業は国内の職業の中でもダントツで危ない仕事です。

 その死亡率は、危険なイメージのある建設作業員の4倍もあります。


 主な事故としては、次のようなものがあります。


林業で起こる事故
・切り倒した木に押し潰される
・枝を伐採している時に木から落下する
・機械に挟まれる
・チェーンソーなどによる人体の切断
・蜂や蛇に襲われる


 どれも重大な事故になりえるものであり、日々林業従事者は命と隣り合わせで仕事をしています。


林業のコツ


コツ1:加工して出荷する

 樹木を丸々一本出荷しても、大きさの割にあまり値段が付きません。

 そこで、樹木を加工して出荷や販売をする方法もあります。


 幼児向けの木製玩具を作ることは大変な技術が必要になるので難しいですが、切り出した木を輪切りに加工して、ウェルカムボードや部屋のネームプレート用に出荷するのは手軽でおすすめです。


コツ2:販売時期を調整する

 木材の価格は、株式のように日々変動しています。

 例えば、ヒノキの価格相場は2022年から2023年にかけて1.5倍も値を上げています。


 価格相場の高い時期にたくさん出荷出来ると同じ労力でも収入が大きくなるでしょう。


コツ3:データを活用する

 林業の世界は、昔ながらの"勘"に頼っている職人さんが多いです。

 しかし、IT化させてデータを根拠に仕事をする方が効率的です。


 価格相場、天気、土壌の様子など、様々なデータを駆使して林業を行うと、昔ならがの勘で仕事をしている人たちよりも高収入になるのは必然です。


まとめ:林業は危険だけど儲かる


 林業は、危険だけど儲かる可能性のある業界です。

 他の産業に比べて高齢化が進んでおり、逆にIT化は遅れている中でもそれなりの生産性があるので、若い働き手がIT技術を駆使していけば、さらなる高収入が望めるでしょう。