桃農家は儲かるのか


 桃は、贈答用に選ばれる果物であり、日本人に馴染みの果物でもあるので、儲かる作物の一つです。


 しかし、果樹は実が成るまで数年の歳月が必要となるので、それまで無収入でも生活していけるような工夫が必要です。

 それでも、一度経営が安定すると年収1000万円以上も目指せるので、お金持ちになりたい人にもおすすめの農業です。


 この記事では、桃農家の平均年収やメリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。


桃農家の平均年収


 桃農家の平均年収は150万円です。

 かなり低いように感じますがそれもそのはずで、桃農家の桃を栽培している畑の面積は平均40a(アール)と、果樹としてはかなり狭いです。

 つまり、副業として桃を育てている農家が多く、平均年収が低くなっています。


桃農家のメリット


メリット1:贈答用

 桃は贈答品としても人気の果物です。

 贈答品の桃は、安いものでも10個セットで4,000円以上、高いものになると10個セットで1万円以上にもなってきます。


 贈答品として販売していけるような高品質な桃を作れるようになれば、同じ労働時間でも収入はどんどん上がっていくことでしょう。


メリット2:桃栗三年

 『桃栗三年、柿八年。』という言葉が示す通り、桃は他の果物に比べれば比較的短い期間で出荷を迎えます。

 その他にも有名な果物では、"りんご"、"みかん"、"さくらんぼ"などは4~5年もかかります。


メリット3:高い需要

 桃は果物の中でも日本人にとって比較的馴染みのある物です。

 実際に、国内の果物消費量の中で、桃はトップ10の常連になっています。


 スーパーに並ぶ以外にも、飲食店に卸したり、工場に加工用として卸される桃もあります。


桃農家のデメリット


デメリット1:数年間無収入

 桃を始めとした果樹栽培は、苗を植えてから実が成るまでに数年の歳月がかかります。

 桃は3年目から実が成りますが、まだ3年では幹や枝が十分に成長しておらず、実の重みで枝が垂れてしまうので、4~5年目から本格的に出荷を始める農家も多いです。


 いずれにせよ3~5年は無収入でも生活していけるように、他の作物を同時に育てるかアルバイトで生計を立てるなど、自衛が求められます。


桃農家のコツ


コツ1:桃の産地

 日本で作られている桃のうち、山梨県産(シェア率31%)福島県産(シェア率23%)だけで全体の50%を超えています。


 どちらも日照時間や天候が桃栽培に適しているのでこれだけ桃の栽培が盛んであるという背景があります。

 また、桃栽培が盛んなお陰で、横の繋がりやJAの出荷体制もしっかりと整っています。


 よって、本格的に桃農家になりたいと考えているのであれば、山梨県か山梨県に移住して桃栽培をする方が圧倒的に稼ぎやすいです。


コツ2:ブランド化

 同じ桃でも、缶詰用に回される桃と贈答品にされる桃では、卸売価格で数倍の差があります。

 もちろん、上質な桃の方を作るには普通の桃に比べて倍の手間がかかりますが、5倍10倍の価格で販売されることもあるので効率的に稼げるでしょう。


コツ3:10年後を見据えた栽培

 最初の実が成るまでに3年の歳月がかかる桃は、5~10年目に最盛期を迎え、20~30年で寿命を迎えます。

 就農時にまとめて苗を植えてしまうと、おおよそ20年後にすべての木が同時に枯れてしまいます。

 5年後や10年後を見据えて数年ごとに苗を植えていき、安定した収入が続くように計画しましょう。


コツ4:品種を分ける

 桃には100種類以上もの品種があります。

 同じ品種だけを栽培すると、受粉や摘果、収穫のような時間のかかる作業が一時期に集中します。

 年間を通して考えると、暇な時期と忙しい時期の差が物凄く激しい状態です。


 そうならないためには、何種類かの品種を栽培するのが効果的です。

 品種によって、受粉させる時期や収穫する時期が異なるので、数種類の品種を同時に栽培することで労働力を均一化させられます。


まとめ:桃農家は意外に儲かる


 桃農家の平均年収は150万円とあまり儲からない印象です。

 しかしこれは、他の作物をメインに栽培している農家の副業として桃が選ばれやすいからです。

 最初の数年は無収入の時期が続きますが、10年目を迎える頃には安定的に大きく稼げる可能性が高く、年収1000万円以上稼いでいる桃農家も実際にいます。