さくらんぼ農家は儲かる
さくらんぼは大きさの割に高単価で、贈答品ともなると1kg1万円で取引されています。
この記事では、そんなさくらんぼ農家の平均年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。
さくらんぼ農家の年収
一見するとかなり少なく見えますが、多くのさくらんぼ農家は他の作物も栽培しており、この150万円という数値はあくまでさくらんぼによる収入だけを表したものです。
農業の中では比較的稼ぎやすいさくらんぼですが、一戸あたりの作付面積が少なくこのような低い年収となっています。
さくらんぼ農家の初期費用
さくらんぼの実は雨に弱いという特徴があり、雨除けハウスの設置がほぼ必須です。
そのために、個人農家の多くが狭い作付面積で小規模にさくらんぼを栽培しているという側面もあります。
さくらんぼ農家のメリット
メリット1:高時給
さくらんぼ農家の時給換算は1300円です。
最低時給を割っている作物も多い中で、時給1300円はかなり高い数値です。
メリット2:贈答品の需要
さくらんぼには贈答品としての需要もあります。
贈答品として出荷するためにはかなり高い品質でさくらんぼを栽培しなければなりませんが、1kgあたり1万円ほどで販売されています。
贈答用になるようなさくらんぼは大きめの粒が多いので1つ10gとして計算しても、1粒あたり100円もの価格がついていることになります。
メリット3:小さくて軽い
さくらんぼは1粒で10gと最も小さくて軽い作物の一つです。
さくらんぼのように軽くて高単価な作物なら力の弱い女性やお年寄りでも各作業が行なえます。
さくらんぼ農家のデメリット
デメリット1:人手不足
さくらんぼ農業で問題となっているのは人手不足です。
これはさくらんぼ農家の数が足りていないということではなく、収穫期の人手が足りないということです。
さくらんぼは短い期間に一気に実が成るので、一人で収穫作業をしても実のほとんどを腐らせてしまいます。
そのために、短期バイトや手土産付きのボランティアなどで人手の確保を行っていますが、特にさくらんぼ農家が密集している山形県では、同じタイミングで大量の労働力が求められてしまうので、労働力の取り合いが起こっています。
デメリット2:雨除けハウスが必須
さくらんぼを食べるときに皮を剥く必要はありません。
それほどさくらんぼの皮は薄く弱いので、雨に晒されてしまうと実が割れてしまいます。
もちろん、そのような割れたさくらんぼを商品として出荷することは出来ません。
そのため、さくらんぼの実が出来る頃になると、木全体を覆うような大きな雨除けハウスを設置しています。
そのための費用や労働力を用意しなければならない点が、さくらんぼ農業が小規模に行われている要因の一つです。
デメリット3:技術力が求められる
さくらんぼの受粉や剪定には、それなりの技術力が必要です。
そのため、新たにさくらんぼ農業を始める人は、他の農家にノウハウを教えてもらいつつ栽培を行っています。
いきなりさくらんぼ農業を始めるのではなく、JAなどに相談をしたり事前準備をしっかりしてから始めると良いでしょう。
さくらんぼ農家のコツ
コツ1:山形県
国産のさくらんぼのうち75%は山形県産です。
これだけ極端に産地が偏っているのは、その土地がさくらんぼを栽培するのに適しているからです。
また、生産体制やノウハウも揃っているので、他の都道府県でさくらんぼ農家になるよりも効率的に稼げる可能性が高いです。
コツ2:さくらんぼ狩り
さくらんぼは、果物狩りの中でも特に人気の果物の一つです。
さくらんぼ狩りを行えば、入園料が取れるだけでなくお土産購入も期待出来ます。
ただし、山形県でさくらんぼ農家を行うのなら、さくらんぼ狩りを行うのはおすすめしません。
ライバルが多すぎて、設備投資分を回収するどころか赤字経営になることもあります。
コツ3:複数の品種を栽培する
さくらんぼは、収穫期間がかなり短い果物です。
よって、一つの品種だけを栽培すると、収穫作業が間に合わずさくらんぼを腐らせるでしょう。
そこで、さくらんぼの中でもいくつかの品種を同時に栽培することで、少しずつ収穫期をずらし労働時間の分散が図れます。
まとめ:さくらんぼは儲かる作物です
やはり、山形県で開業することをおすすめしますが、さくらんぼ狩りも行いたいと考えているのなら、あえて首都圏で開業するのも戦略としてはありです。