レモン農家は儲かる
温暖な気候でしか育たないデメリットはありますが、少ない初期費用で始められるメリットもあります。
この記事では、レモン農家の平均年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。
レモン農家の年収
おおよそ農業の中では平均的な稼ぎとなっていますが、大規模にレモン栽培をしている農家は1000万円以上稼いでいます。
また、ミカンなどの他の作物と合わせて栽培している農家も多く、彼らも大きな収入を得ています。
レモン農家の初期費用
農地の取得費用がかかりますが、それ以外の大型の設備も必要はなく、農業の中では比較的始めやすい特徴があります。
レモン農家のメリット
メリット1:国産が少ない
日本に流通しているレモンのうち、国産レモンはわずか10%です。
残りの90%は、アメリカやチリからの輸入品となっています。
やはり直接口に運ぶ農作物は『国産でないとダメだ。』と考えている人たちもおり、国産というだけでブランド価値があります。
さらにレモンに関しては、"唐揚げにかけるレモン"のように皮ごと盛り付けられたり、"レモンピール"のように皮を料理として使うことすらもあり、外国産だと農薬を使っているのか分かりにくく避けられやすいです。
メリット2:低木
果物の多くは木に実を付けますが、その多くは人間の身長よりもかなり高いものが多いです。
レモンは"低木"に属しており、その木の高さは2~4mほどです。
さらにしっかりと剪定をして管理すると2~3mに抑えられるので、収穫等の作業が他の果物に比べて簡単です。
農作業の中で最も手間と時間のかかる収穫作業が簡単なことにより、レモン農業は時給換算が高い農業でもあります。
メリット3:高単価
レモンは大きさの割に単価の高いことが知られています。
国産のレモンなら、スーパーでの販売価格は1個約150円です。
ハイブランドのレモンになると、1つ300円するものもあります。
メロンやパイナップルの方が1個あたりの価格は高いですが、同じ重さ当たりの価格ならレモンの方が高くなります。
レモン農家のデメリット
デメリット1:寒さに弱い
レモンの原産地はインドと言われており、温暖な気候を好みます。
日本では広島県や愛媛県がレモンの一大産地となっているのも、温暖な気候であることが要因です。
レモンは耐寒性に弱く、気温が-3℃になるだけで枯れてしまうこともあります。
よって、北海道や東北地方のような寒冷な地域では、ハウス栽培を行わない限りレモンを育てることは不可能です。
デメリット2:トゲがある
レモンの枝にはトゲがあります。
植物として普通に生きていく分には、そのトゲが外敵から身を守ることにも繋がりますが、商品としてレモンを栽培するにはデメリットとなります。
風で枝が揺れると、トゲとレモンの実がぶつかり合い、レモンの皮に傷が入ります。
傷の入っているレモンは商品価値がなく、廃棄するか"訳あり商品"として安値で買い叩かれることになります。
このトゲ自体は木の育成に影響を及ぼさないので、剪定の際にトゲも切り落とす農家もいます。
デメリット3:かいよう病
かいよう病とは主に柑橘系の植物が感染しやすい、細菌による病気の一種です。
特にレモンは他の柑橘系の植物のよりもかいよう病にかかりやすいとされています。
そのために、強風対策を行ったり農薬散布を行ってかいよう病の予防を行う必要があります。
また、近年では"璃の香(りのか)"のようなかいよう病に強い品種の開発も進んでいます。
レモン農家のコツ
コツ1:広島県か愛媛県
温暖な気候を好むレモンは、日本では広島県や愛媛県で主に栽培されています。
都道府県別シェア率
1位:広島県 42.1%
2位:愛媛県 31.3%
3位:和歌山県 9.6%
4位:宮崎県 2.9%
5位:三重県 2.5%
1位の広島県と2位の愛媛県だけで国内の7割以上のレモンを生産しています。
両者ともレモンの栽培に適した気候であることはもちろんそうですが、それ以外にも生産体制が整っており高値で出荷することが出来たり、ノウハウも蓄積されているので失敗しにくい経営が出来るメリットもあります。
本気でレモン農家として生活をしていくことを考えるのならば、広島県か愛媛県に移住することが最も効率的です。
コツ2:無農薬栽培
レモンは皮ごと食材として使われることも多く、その際には農薬散布されていない"無農薬レモン"を使うことになります。
よって、無農薬栽培をすることで、相場の平均価格より高くてもその無農薬レモンを買いたい人はおり、その分だけ稼げます。
農薬を使用する方が効率的にレモンを作れますが安い海外産のレモンとの価格競争に巻き込まれます。
せっかく国産レモンとして差別化を図るのなら、無農薬レモンとしてさらに高価値な差別化戦略を取る方が良いでしょう。
コツ3:ミカンとの兼業
レモンはミカン科に属する植物です。
同じミカン科のミカンと同じ環境を好みます。
レモン農家は、同じ環境で栽培出来るミカンも合わせて栽培して、どちらかが栽培に失敗しても良いようにリスクヘッジしています。
その他にも、同じレモンでも複数の品種のレモンを栽培することでリスク回避をする戦略も一般的です。
まとめ:国産レモンは儲かる
よって、国内でレモンを栽培するだけで付加価値があります。
もし、レモン農業に興味を持ったのなら、是非広島県か愛媛県へ移住することをおすすめします。