ドローン操縦士は儲かる


 ドローン操縦士の市場は近年急速に拡大しています。

 拡大している業界で働く方が儲けやすいのは当然のことです。

 しかし、市場が未成熟な分だけ、安定的に稼ぐのはまだまだ難しいかもしれません。

 この記事では、ドローン操縦士の平均年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。 


ドローン操縦士の年収


 ドローン操縦士の平均年収は400万円です。

 同じドローン操縦士でも農業からインフラまで様々な業界で活躍しているので多少の年収の差はありますが、本業として取り組んでいる人もいるくらい稼げる仕事です。


ドローン操縦士の初期費用


 ビジネスで使えるような産業用ドローンの購入費用は20~200万円です。

 その他には、資格取得のためのスクールに通うと30~50万円、試験の受験料や登録料などの諸経費が10万円かかります。

ドローン操縦士の初期費用
ドローン購入費:20~200万円
スクール費用:30~50万円
諸経費:10万円
合計:60~260万円

 ドローンの購入費用によって大きく変わってきますが、合計で60~260万円が初期費用の相場になります。


ドローン操縦士のメリット


メリット1:成長産業

 ドローンは2010年代から急速に世界中に広まりました。

 そして、現在でもまだ成長の途中で、ドローンの市場規模は毎年10~20%の増加を続けています。

 このような成長産業で働く方が、衰退する産業で働くよりも稼げるのは当然です。


メリット2:新制度

 ドローン業界では2022年12月から『無人航空機の操縦者技能証明制度(操縦ライセンス制度)』という新たな制度が始まりました。

 この制度には一等資格と二等資格があり、一等資格を所有していると人のいる場所で目視外での操縦が可能になります。

 これらはまだ新しい制度で有資格者も少ないので、これからドローンで稼ごうと考えているのなら、資格を取得するだけでも差別化が図れます。


メリット3:広い分野で活躍

 ドローンは、その有用性から様々な分野で活躍をしています。

 ここでは、空撮、農業、点検・保安、測量の4種類のドローン活用方法を紹介します。

メリット3-1:空撮

 ドローンの活用方法で一番始めに思い浮かぶ空撮は、実はそれほど需要がありません。

 よくよく考えれば分かりますが、空撮した映像を必要とするのは、CM制作などごく一部です。

メリット3-2:農業

 農業では、農薬散布をドローンで行う動きが起きています。

 普通、農家はタンクを背負って手作業で農薬を散布します。

 広大な畑で人体に有害な農薬を散布し続けるので、防護服にマスクとゴーグルを付けて作業を行います。

 夏の炎天下でこの作業はかなりの重労働です。


 そこで、ドローンに農薬を乗せて空中から一気に農薬を散布することで、重労働からの開放と時間の節約を叶えています。

メリット3-3:点検・保安

 現在もっとも注目されているドローンの活用方法が"点検・保安"への利用です。

 例えば、橋の裏側や付け根の損傷がないか確認するためには、ワイヤーやゴンゴラを使って作業員を直接橋の裏に運び点検するのが一般的です。

 これらは、高所での作業で危険が伴うだけでなく大型重機がなければ行えない作業なので、費用も時間もかかります。


 もしドローンでの点検作業が一般的になれば、安全に安価に橋点検が行えるようになります。

 その他にも、高速道路やビルなどあらゆる構造物の点検作業がドローンで行えるように日々研究が進んでいます。

メリット3-4:測量

 点検と同じく注目されているドローンの活用方法として"測量"があります。

 これまでの測量は人間の目で二次元的に行っていましたが、ドローンを活用することで空中から三次元的に測量出来ます。

 ドローンを使うことで、素早く正確な測量が出来るようになり、作業効率が5倍に上がったというデータもあります。

 その他にも、人が立ち入れないような険しい山や木々が生い茂るような所でもドローンなら簡単に測量出来ます。


ドローン操縦士のデメリット


デメリット1:自動操縦

 ドローンが急速に広まっている中で、ドローンの自動操縦化への要望も高まっています。

 やはり細かい作業になると、人の手で操縦するよりも自動操縦の方が正確に行えます。


 これからさらにドローンの自動化が進んでいけば、ただドローンを操縦するだけのドローン操縦士は不要になるでしょう。

 ただし、特定の作業を行うためのプログラムは人の手で行う必要があるので、自動操縦のサポートも行えるドローン操縦士の需要は今後も残り続けるでしょう。


デメリット2:参入障壁が低い

 ドローンの操縦自体はそれほど難しいものではなく、農家が自分の手でドローンを操縦して農薬散布をすることも不可能ではありません。

 このように様々な需要が期待されるドローンも、わざわざドローン操縦士を雇う必要のないケースが多分にあるでしょう。


デメリット3:参入出来ない分野

 ドローンの操縦免許を持っているドローン操縦士でも安易に参入出来ない分野はあります。

 例えば、災害時の救助作業を救助知識の無いドローン操縦士が行うのは難しいでしょう。

 また、先程紹介した建造物の点検作業もドローンの操縦技術だけでは行えません。


 このように、様々な分野で活躍を期待される分、ただのドローン操縦士では扱えない仕事も今後増えていくでしょう。


ドローン操縦士のコツ


コツ1:柔軟な思考

 ここまでで紹介してきた通り、ドローン操縦士の活躍する舞台はかなり広いです。

 現在は、農業や保守点検などでの需要が高いですが、まだまだ隠れた需要はあるはずです。

 柔軟な思考を持ってドローンの利用方法を新たに考え出せれば、しばらくの間その市場を独占出来るでしょう。


コツ2:副業として働く

 ドローン操縦士の仕事は、単発の仕事が多く継続的に安定した収入を得るのはごく一部の操縦士だけです。

 そこでまずは、副業としてドローン操縦士になり、事業が安定してから本業へシフトしていくのがおすすめです。


コツ3:資格取得

 ドローンの資格を取得することはもちろんですが、その他の資格を取得することで仕事の幅を広げられます。

 保守・点検業界で活躍したいのなら、第二種電気工事士、2級ボイラー技士、危険物取扱者乙種4類、消防設備士、冷凍機械責任者あたりを取得しておくと仕事を受注しやすくなるでしょう。


まとめ:ドローン操縦士で稼ぐには工夫が必要


 ドローン操縦士の業界はまだまだ未成熟な部分が多く、これからさらに発展していくでしょう。

 そこで、まだ無いドローンの活用方法を創造出来れば、しばらくの間市場を独占出来ます。

 それでも安定的な仕事を得ることは難しいので、副業として始めることをおすすめします。