大豆農家は儲かる
しかし、補助金頼りの経営になることや、面積当たりの収益性が低く大きく稼ぐには広大な土地が必要なことなどデメリットもあります。
この記事では、大豆農業の平均年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。
大豆農家の年収
国内で安定的な需要が見込める大豆ですがその価格相場は低調であり、大豆農家の収入源の大部分は国からの補助金に頼っています。
大豆農家の初期費用
しかし、広大な畑を用意したり、始めから機械化を行うと1000万円以上の初期費用がかかります。
手持ちの資金や稼ぎたい金額を元に初期費用を検討すると良いでしょう。
大豆農家のメリット
メリット1:機械化・自動化しやすい
大豆農業は機械化や自動化がしやすい業界です。
土を耕す段階から種を撒いて収穫するところまで、農作業のほとんどをコンバインなどの機械に任せられます。
もちろん、人の手で行うよりも素早く大量の作業をこなせるので、機械化することで収入の上昇が見込めます。
ただし、新品で機械を購入すると1000万円以上の費用がかかってしまうので、中古で揃える方が良いでしょう。
メリット2:様々な用途
大豆は2000年以上前に日本に伝わり、長く日本人に親しまれている作物です。
日本の伝統的な食品には、豆腐や納豆、醤油、味噌と、大豆から作られている物がたくさんあります。
それらの食品の原材料を見ると、その多くに国産の大豆が使われていることが分かります。
このように、日本人と大豆の関係性は深く、今後もブームに流されることなく安定的な需要があると予測出来ます。
メリット3:土を肥えさせてくれる
農作物は、土からたくさんの養分を吸い取って実を大きく成長させていきます。
よって、畑で作物を育てるとどんどんその土地が痩せ細っていき、いずれ作物が育たなくなります。
そうならないように、農家は肥料を撒いて土中に栄養素を補給しています。
もちろん大豆も植物なので土中の栄養素を吸収しています。
しかし、大豆の根に付着している"根粒菌"には窒素をアンモニアに変える働きがあり、大豆を植えると土中のアンモニア比率が高まります。
アンモニアと聞くと有毒なイメージがありますが、化学肥料としても使われているくらい植物には必須の栄養素なのです。
大豆農家のデメリット
デメリット1:広い畑が必要
大豆農業は、大豆の卸売価格が安いので、手作業で行うとほとんど収入が得られません。
そこで、大豆を主に栽培している大豆農家は、機械を導入して効率化を図っています。
せっかく機械化しても、狭い畑で小さく大豆農業を行ってしまうと、機械の性能を十分に活かせません。
また、機械化には高額な初期費用や維持費がかかるので、その支出以上の収入を得るためには広い畑で大規模経営していくしかありません。
このように、大豆農業で生活していくためには、広い畑で機械化することが求められるので、都心部などの地価の高い地域には大豆農業は適しません。
デメリット2:収入が不安定
大豆は、気候や周りの環境により質が大きく変わる作物で、同じ農家でも年によって卸売価格が大きく変わってしまいます。
そうならない為の努力や工夫はもちろんどの農家も行っていますが、天候については個人ではどうしようもないので、一個人が行えることにも限界はあります。
デメリット3:補助金頼り
大豆の卸売価格は安く、普通に大豆を栽培すると収入よりも支出の方が高くなります。
それでは誰も国内で大豆を作らなくなってしまうので、国は多額の補助金を出して大豆農業を保護しています。
おおまかに、大豆農家が受け取る収入のうち6~8割は補助金です。
すぐにこの補助金がゼロになることは考えにくいですが、国の財政が厳しくなった時にこの補助金の減額が行われれば、大豆農家は廃業するしかありません。
大豆農家のコツ
コツ1:大規模経営
大豆は機械化に適した農業です。
出来るだけ広大な畑を大型の設備で一気に農作業していくことが、人件費比率を下げることに繋がります。
コツ2:北海道
大規模に経営した方が儲かる大豆農家と、北海道との相性は抜群です。
実際に、国内で生産されている大豆のおよそ半分は北海道産です。
都道府県別大豆生産量
1位:北海道(42.5%)
2位:宮城県(8.6%)
3位:福岡県(4.7%)
4位:佐賀県(4.6%)
5位:秋田県(4.0%)
もし、本格的に大豆農家になりたいと考えるのならば、北海道への移住を検討しましょう。
これだけ極端に盛んな地域なら、大豆栽培のノウハウが蓄積されていたり、効率的な出荷体制が整っているので、農家としてのメリットは大きいです。
コツ3:麦との輪作
大豆と麦を交互に栽培する"輪作"は、土の状態を良くする効果があり人気の方法です。
同じ作物を連続して栽培すると、連作障害が起きて作物が育たなくなりますが、大豆と麦を交互に植えることでそれを防げます。
また、大豆は7月~11月、麦は11月~5月に育てることになるので、1年を通して畑を効率的に使うことが出来るのも人気の理由です。
まとめ: 資金力があるのなら大豆農業はおすすめ
しかし、大豆を主にして生計を立てていく程の収入を得るには、大規模に行わなければなりません。
広い畑や大型機械を導入出来るだけの資金力があるのなら、大豆農業はおすすめです。