にんにく農家は儲かる


 にんにく農業は、機械化との相性が良く、大規模に経営していくのなら儲かります。

 反対に、面積当たりの収益性がやや低いので小規模経営との相性はあまりよくありません。

 この記事では、にんにく農家の年収や初期費用、メリット・デメリット、さらに儲けるコツを解説します。


にんにく農家の年収


 にんにく農家の平均年収は150万円です。

 ただし、この数値はにんにく農業のみの収益であり、多くの農家は様々な作物を組み合わせて経営しているので、参考程度に考えておくのが良いでしょう。


にんにく農家の初期費用


 にんにく農家の初期費用は300万円です。

 この金額は畑の取得費用など最低限の金額で、始めから大型機械を導入しようと考えている場合は、1000万円以上かかることもあります。


にんにく農家のメリット


メリット1:機械化しやすい

 にんにく農業は機械化との相性が良いです。

 トラクターやコンバインを導入することで手作業の数倍の作業効率になるでしょう。

 ただし、狭い畑では十分な作業効率にならないので、機械化をするのなら最初から広い畑を用意するべきです。


メリット2:害獣被害に強い

 ""や"ぶどう"など、あらゆる農作物は害獣被害に遭っています。

 その被害額は全国で毎年100億円以上にもなります。


 その点、臭いの強いにんにくは害獣被害に遭いにくいです。

 にんにく自体が害獣被害に遭いにくいのは当然のこと、さらには近くで植えている他の作物の害獣被害を軽減させる効果もあると言われています。


メリット3:にんにくの芽も売れる

 にんにくは、一般的に知られる実の部分だけでなく、芽の部分も商品として売れます。

 スーパーで売れらているにんにくの芽のほとんどは中国産のため、国産のにんにくの芽は高値で取引されます。


にんにく農家のデメリット


デメリット1:黒にんにくブームの終焉

 2020年頃にブームとなっていた黒にんにくブームは下火となっています。

 そのブームに合わせてにんにくを作り出した農家もおり、需給バランスが崩れて価格が下落したこともあります。


 にんにくの生産量は、""の生産量の1/350、"トマト"の生産量の1/35、""の生産量1/4とかなり少ないです。

 よって、生産者が少し増えただけでも生産量が急激に増加してしまい、価格が下落することになります。


デメリット2:面積当たりの収益性がやや低い

 にんにく農業は、畑の面積当たりの収益性がやや低いです。

 にんにく農業を主に行う場合は、広い畑を用意する必要があります。

 幸いなことに、にんにく農業が盛んな青森県の地価は安めなので、広い畑を見つけるようにすると良いでしょう。


にんにく農家のコツ


コツ1:青森県

 国内で生産されるにんにくのうち大部分は青森県で生産されています。

都道府県別にんにく生産量
1位:青森県(66.8%)
2位:北海道(3.8%)
3位:香川県(3.6%)
4位:鹿児島県(1.8%)
5位:秋田県(1.7%)


 にんにくは寒冷な気候を好むため、青森県や北海道での生産が盛んです。

 これだけ極端に生産地が偏っていると、その土地のJAがにんにくの生産に力を入れており、効率的に農業が行えるような体制が整っています。

 本格的ににんにく農業を行いたい場合は、青森県への移住を検討するべきでしょう。


コツ2:大規模経営

 にんにく農業と機械化の相性は良く、大きく稼ぐなら是非とも機械化を進めたいところです。

 そして、機械を効率的に使うには狭い畑よりも広い畑の方が良いです。


 そこで、始めから大きな畑を用意しておくことで、後々機械化した際に収入を大きく上げることに繋がるでしょう。


コツ3:行者にんにくはNG

 にんにく農業を考えた時に頭に浮かぶワードに"行者にんにく"があります。

 しかし、実は行者にんにくと普通のにんにくは、全く別の植物です。


 そんな行者にんにくは、やや高値で取引されている点が魅力ですが、実は育つまでに5年以上かかるやっかいな野菜なのです。

 多少高値で売れたとしても5年も畑を占領してしまうようでは、赤字になるのは明白。

 行者にんにくは農業には向かない作物です。


まとめ:にんにく農業は大規模経営がおすすめ


 にんにく農業を主体に行う場合は、広い土地で機械に頼った経営をしていくことをおすすめします。

 初期費用が高額になってしまいますが、収入がそれ以上に大きくなるので、最初から融資を受けて大規模に行う価値はあります。

 その際には、国産にんにくの60%以上を生産している青森県で農業を始められるのが理想です。