画家は儲からない


 『画家は食っていけない。』

 絵に興味を持っている人なら、一度は聞いたことがあると思います。

 実際に画家として生計を立てている日本人は30~50人と言われており、大多数の画家はアルバイトなど他の収入を得つつ作品を描いています。


画家の年収


 画家の平均年収の統計データはありませんが、推定で平均年収200万円未満です。

 ただし、ほとんどの画家はほぼ無収入で一部の有名作家の年収が1000万円以上になっているような二極化が起きているので、平均年収は参考程度にしかなりません。


画家の初期費用


 画家の初期費用は10万円です。

 画材道具一式があれば画家として働けるので、初期費用はかなり少額で済みます。


画家のメリット


メリット1:自分の絵がお金になる

 画家の最大のメリットは、自分が描いた絵を誰かが認めてくれてそれがお金になることでしょう。

 自分の描いた絵を他人に認めてもらえたら誰だって嬉しいはずです。


メリット2:号数✕単価

 画家の作品は、大きさとその画家ごとの単価で価格が決まります。


 絵画に使われる大きさは『1号がだいたいハガキ1枚分』、『3~4号でコピー用紙のA4サイズと同じくらい』です。

 新人の画家なら、1号あたり8,000~12,000円が相場です。

 仮にA4のコピー用紙より一回り大きい4号サイズの作品を単価8,000円の新人が描いた場合は『4号×8,000円=32,000円』が販売価格になります。


 コピー用紙サイズの絵が32,000円と考えるとかなり高額に感じますが、4号サイズともなると制作に3~4日かかります。

 さらにここから材料費やギャラリーに支払う手数料を支払うと、手元に残るのは1~2万円でしょう。


メリット3:有名画家になれば儲かる

 誰もが知っているダビンチやピカソのような超有名画家の作品は100億円以上の価値があります。

 日本の有名画家の作品でも10億円前後で取引されている絵もあります。


 先程解説した通り、新人画家の1号あたりの単価は1万円前後ですが、中堅レベルになると1号2~3万円、メディアに取り上げられるような有名人になれば、1号あたり4万円以上になります。

 有名な『モナ・リザ』にも使われており、有名な絵画も多い20号サイズを有名画家が書き上げれば、『20号×4万円=80万円』が市場価格になります。

 大型になるほど高額になってしまうので単価を少し下げる風習はありますが、それを加味しても1枚の作品を売れば40~50万円の収入になると思えば、年収1000万円以上を目指せるのも納得出来るでしょう。


画家のデメリット


デメリット1:景気の影響を受けやすい

 食品や衣類、住宅のような生活必需品は、たとえ不景気であってもそれほど売り上げが下がることはありません。

 一方で絵画や高級時計、海外旅行などの贅沢品は、不景気になると真っ先に節約や倹約の対象になるでしょう。

 このように絵画は景気の影響を大きく受けてしまうので、不景気のときに無理に個展を開いても支出が増えるだけです。

 不景気のときは支出をなるべく抑えて、好景気になったときまで余力を残しておきましょう。


デメリット2:収入が安定しない

 画家は会社員のように働いた分だけ給料が振り込まれるのではなく、売った絵画の数によって収入が決まります。

 長く画家として活動していると、一ヶ月に一つも売れない月もあれば月に10も20も売れる時もあるでしょう。

 会社員以上にお金の管理や計画的な使い方が重要になるでしょう。

 儲かっているときに散財するようなタイプは画家に向いていないかもしれません。


デメリット3:手数料が高い

 絵画は売り上げがそのまま画家の収入になる訳ではありません。

 仮に1万円の絵が売れたとしても、そのうち6割は主催者や会場へ支払われ、残りの4割を画家が受け取ります。

 1万円の4割なのでこの時点で4,000円の収入ですが、ここから画材代や諸経費を支払うと2,000~3,000円しか手元に残らないでしょう。

 そう考えると、日商3万円以上ないと画家として生計を立てていくことは出来ないでしょう。


画家のコツ


コツ1:ネットショップでも販売する

 かつては画廊や個展でしか絵画を売る場所はありませんでした。

 しかし現在では、ネットショップを通して日本中の客を相手に自分の絵を販売出来ます。

 ネットショップを利用することで多くの人の目に触れることになるメリットもありますが、その他にもギャラリーに支払うマージンが必要なくなるので、売り上げがそのまま画家の利益になります。


コツ2:ココナラでお小遣い稼ぎ

 ココナラを始めとしたクラウドソーシングサービスを使うことでお小遣いを稼ぐ方法もあります。

 SNSのアイコンやブログの挿入画像など、絵を描いてほしいという依頼は無数にあります。

 ここで活動してお小遣いを稼ぐことで、普段絵画では描かないような絵を描く経験になるだけでなく、継続的に仕事を受注していくと知名度を高めることにも繋がります。


コツ3:公募に応募する

 新人の画家の王道は、公募に応募して受賞を目指すことです。

 受賞すればその業界で知名度を一気に高められますし、自分の力を測るのにも有効です。

 コネが無いと受賞しにくいものもあるでしょうが、精力的に様々なコンテストに挑戦し続ければ評価される可能性が高まるのが道理です。


まとめ:有名画家になれば儲かるが・・・


 画家は人気商売のため、実力や人気の無い画家が生活をしていくのは難しいです。

 しかし現在では、ネットショップやクラウドソーシングで稼ぐ方法もあるため、昔に比べれば新人画家が生活をしていく術が多いのも事実です。

 それでもやはり、日々の鍛錬により画力を高めていくことが、画家で儲けるための最大のコツとなるでしょう。