伊勢エビ漁師の年収は?


 伊勢エビ漁師の平均年収は統計がありませんが、中には1000万円以上稼いでいる伊勢エビ漁師もおり、平均年収も500万円程度はあるのではないかと予想されます。

 高級食材としても知られている伊勢エビは、他の魚介類よりも高単価で取引されているので、伊勢エビ漁師として経験を積んで安定的に漁獲出来るようになると、かなり稼げるようになります。

 反対に腕の無い漁師だと、群れを見つけるまでに何度も海上を移動することで、燃料代が高くなり儲からないケースもあります。


伊勢エビ一匹の値段

 伊勢エビ一匹のスーパーなどで売られる小売価格は、およそ5,000円です。

 ただしこの値段は、状態の良い伊勢エビの価格です。


 伊勢エビは、"刺し網"と言われる網に絡ませて漁獲する方法が一般的なため、長い髭が折れたり殻に傷が付いたりします。

 そのような傷の入った伊勢エビは一匹あたり2,000円以下で売られてることもあります。

 スーパーや専門店で伊勢エビの値段が安いと感じたときは、"傷あり"と表記されていることが多いでしょう。


伊勢エビ1kgの値段

 伊勢エビ1kgの小売価格はおよそ8,000円です。


 また、伊勢エビ1匹の重さは小さいもので200g、大きなものになると500g~1kgもの大きさになります。

 200gの小型の伊勢エビなら1匹2,000円以下、やや大型の500gの伊勢エビなら1匹4,000円ほどになります。


伊勢エビ漁師になるには?

 伊勢エビ漁師になる方法は、伊勢エビ漁を行っている漁師に直接弟子入りするか、その都道府県の漁業組合に問い合わせると良いでしょう。

 伊勢エビ漁が盛んに行われているのは、三重県千葉県和歌山県静岡県徳島県です。


 それでも、伊勢エビの漁業権は簡単に手に入るものではなく、それらの地域で他の漁業を行いつつ、既存の伊勢エビ漁師が引退して漁業権の枠が空くまで何年も待っている人もいるくらいです。


伊勢エビ漁の時期


 伊勢エビ漁が行われている期間は、9月から翌年4月までです。

 夏の間は禁漁期間としており、伊勢エビを漁獲することは禁止されています。

 また、伊勢エビの旬は10月~1月頃です。


伊勢エビの取れる場所

 伊勢エビ漁が盛んに行われているのは、次の都道府県です。


都道府県別伊勢エビ漁獲量
1位:三重県(25.8%)
2位:千葉県(17.7%)
3位:和歌山県(12.4%)
4位:静岡県(9.7%)
5位:徳島県(8.2%)


 伊勢エビの名の由来となっている三重県が1位ですが、ダントツという訳ではなく太平洋側の様々な地域で漁獲されています。


伊勢エビ漁の仕掛け


 伊勢エビ漁は、"刺し網漁"という方法が一般的に行われています。


 刺し網漁は、伊勢エビの通る道にカーテンのように網を設置しておき、網に絡まった伊勢エビを引き上げる漁法です。

 刺し網漁のデメリットとして、伊勢エビの髭が折れたり殻に傷が入ることや、反対に伊勢エビの殻で網が切れるので毎回の漁の後には網を修繕する仕事も行わなければなりません。

 網の修繕が出来るようになって始めて一人前の伊勢エビ漁師と認められます。


伊勢エビと海女さん

 伊勢エビのもう一つの漁獲方法に海女さんの活躍があります。


 主に女性の漁師が直接潜水して伊勢エビを捕まえるので、髭が折れたり網に絡まったりする間に衰弱するようなこともなく、状態の良い伊勢エビを捕れるのがメリットです。

 それでも手作業で一つ一つ捕まえるので、漁獲量が少ないのがデメリットです。


伊勢エビの養殖はできない?

 伊勢エビは養殖ができません。

 よって、市場で売られている伊勢エビはすべて天然ものです。

 伊勢エビが高級食材として売られている理由は、このように養殖ができないことにあります。

 伊勢エビを乱獲してしまうと個体数が減ってしまうので、小さな伊勢エビは海に返したり、禁漁区域を設定したり、各都道府県の漁業組合は工夫して伊勢エビを守っています。


伊勢エビとロブスターの違い

 伊勢エビと似た高級食材にロブスターがあります。


 伊勢エビとロブスターの違いは、伊勢エビはエビの仲間でロブスターはザリガニの仲間です。

 見た目も、伊勢エビはエビの仲間なのでハサミがなく、ロブスターはザリガニの仲間なので大きなハサミがあります。


 また、オマール海老という高級食材もありますが、オマール海老とロブスターはまったく同じ物を指します


伊勢エビの密漁と罰金


 伊勢エビといえば、その値段の高さから毎年"密漁"の話題が絶えないことでも知られています。

 私たち漁業権を持たない一般人が伊勢エビを獲ってしまうと、故意でなくても"密漁"となり最大で100万円以下の罰金刑となります。

 もし、間違えて釣ってしまった場合には、そのまま持ち帰るのではなくリリース(海に返す)ようにしなければなりません。