ウニ漁師の年収


 ウニ漁師の年収についての統計はありません。

 しかし、様々なサイトから分析すると、年収300~400万円ほどではないかと推測出来ます。


 ウニの市場価格は100gあたり2,000~4,000円ほどです。

 また、ウニは1匹あたり10gなので、1匹あたり200~400円で売られている計算になります。

 1つ漁獲するごとに100円の収入になると仮定すると、1日100匹捕まえてようやく日給1万円になります。


 高級品として知られるウニですが、過酷な遠洋漁業の『カニ漁』や『マグロ漁』に比べると漁師の年収は低くなります。



ウニ漁の方法


 ウニ漁は主に2つの方法で行われています。

 2つの方法のうち先に紹介する"かけ取り"の方が一般的です。

方法1:かけ取り

 かけ取りは、船上から"箱メガネ"と呼ばれる大きめの水中メガネのようなもので海底を見つつ、長い竿の先にウニを引っ掛ける"かぎ"がついている"かぎ竿"でウニを拾い上げる漁獲方法です。

 また、かぎ竿の変わりに"タモ"と呼ばれる網が先端についた竿でウニを取ることもあります。


方法2:素潜り漁

 素潜り漁は、主に海女さんと呼ばれる女性漁師が海底まで潜水して直接ウニを取る漁獲方法です。

 ベテランの海女さんになると4~5mも潜水して1分程かけてウニをまとめて取る人もいます。


 また、近年では酸素ボンベをつけた潜水士がウニを取ることもあります。



ウニ漁の時期


 ウニ漁のシーズンはおおよそ6月から8月までのわずか3ヶ月間です。

 それ以外の時期は、資源保護の観点から漁が禁じられています。


 しかし、日本一ウニの漁獲量の多い北海道では、一年を通して各地でウニ漁が行なわれています。


ウニ漁が盛んな地域


 ウニ漁が盛んに行わている地域は次の通りです。


都道府県別ウニの漁獲量
1位:北海道(57.5%)
2位:岩手県(11.7%)
3位:青森県(8.3%)
4位:宮城県(6.0%)
5位:山口県(3.0%)


 国産のウニのうち半数以上は北海道産です。

 スーパーや回転寿司屋で北海道産のウニを見かける機会が多いのはこのためです。

 しかしそれを除けば、実は日本中でウニ漁は行われています


北海道のウニ

 北海道でウニが多く取れるのは、ウニの餌となる昆布などの海藻類が豊富だからです。

 栄養豊富な海藻類を食べた北海道産のウニは、他県のウニより美味しいと言われています。

 特に、日本海に面している積丹(しゃこたん)半島と利尻島付近はウニの名産地として有名です。



ウニの種類


 日本で有名なウニは、『エゾバフンウニ・バフンウニ・キタムラサキウニ・ムラサキウニ・アカウニ・シラヒゲウニ』の6種類です。

 北海道では『エゾバフンウニ・バフンウニ・キタムラサキウニ・ムラサキウニ』が捕れるので、これら4種類は特にスーパーなどで見かけます。


 それぞれのウニの価格にそれほど差はなく、好みや調理方法によって選ばれています。



ウニ漁と雨


 あまり知られていませんが、ウニ漁の天敵は""です。


 雨が降るとウニが岩陰に隠れてしまうだけでなく波が荒く海水も濁ってしまうので、漁の効率が下がります。

 それだけではなく、ウニが真水に触れてしまうと溶けてしまうので品質も悪くなります。


 ウニ漁師は、他の漁師以上に天候に対して常に気を配っています。



ウニの密漁


 高級食材として有名なウニは"密漁"の対象にされがちです。

 『カツオ』や『イカ』のように回遊しておらず、素人でも捕まえられるのも密漁の対象にされやすい要因です。


 しかし、漁業権の無い一般人がウニを勝手に捕まえてしまうと、漁業権の侵害となり100万円以下の罰金になります。

 実際に毎年のようにウニの密漁で逮捕者が出ており、2023年8月には北海道で約300キロのウニを密漁した二人組が現行犯逮捕されています。

 『知らなかった。』と言い訳をしても捕まるので、ウニの密漁は行わない方が良いでしょう。



ウニが高い理由


 ウニが高い理由には、網でまとめて捕獲出来ないことが挙げられます。


 ウニは岩場を好んで生息しているので、網猟が行えません。

 よって、一つ一つ捕獲していかなければならず、大量に捕ることは難しいです。


 また、養殖技術が難しく、養殖には最低でも2年はかかることもウニの値段が高くなっている要因の一つです。


 このような希少性から、ウニは高級品になっています。



ウニの殻剥き


 ウニ漁師の仕事はウニを捕獲するだけではありません。

 漁が終わり陸に戻ってからも"殻剥き作業"があります。


 ウニ漁師は基本的にウニの殻を剥いて、私たちがお店で見かけるような身だけの状態にして出荷しています。

 また、ミョウバンに漬けていない無添加のウニは、賞味期限が殻を剥いてから数日しかないので、ウニ漁師は毎日決められた時間までに殻剥きを終えて出荷しなければなりません。


 これらの作業は時間がかかるので、多くのウニ漁師は家族総出で剥き作業を行っています。


ウニ漁と漁獲制限


 ウニ漁には、各地の漁業組合が定めた漁獲制限があります。

 地方によってルールは変わりますが、『決められた大きさのカゴ1~2個に入り切るまで』のような条件が一般的です。

 もちろんこれは、殻を剥く前のウニを箱詰めしている状態です。


 一見すると、どの漁師も同じ量を漁獲するので、収入が一定になりそうです。

 しかし実際には、ウニは一つ一つ身の詰まり具合が違います

 外見上はまったく同じウニでも、一方は身が詰まっていてもう一方は身がスカスカということはよくあります。

 そこで、ウニ漁師は出来るだけ身が詰まっていそうなウニを選別して収獲しているのです。



アワビ漁と兼業


 『アワビ漁』はウニ漁と同じ方法で行えます。

 潜水して漁獲する漁師の方が多いですが、箱メガネと竿で取る方法も一般的です。


 また、ウニ漁のシーズンは6月から8月頃、『アワビ漁』のシーズンは5月から9月頃と重複しているので、一度の漁で両方を漁獲する漁師もいます。



ウニと磯焼け


 磯焼けとは、"海の砂漠化"とも言われている現象で、昆布などの海藻類が死滅した状態を指します。

 ウニはこの磯焼けの原因となっており、ウニが大量発生すると近隣の海藻類を食べ尽くしてしまいます。


 ウニが大量発生するのなら大儲け出来そうな気がしますが、ウニの餌となる海藻類が死滅しているということは、ウニも飢餓状態になっているということです。

 中身がスカスカで商品価値の無いウニばかりになってしまい、むしろウニ漁師の収入も絶たれてしまいます。


 このような背景から、ウニが大量発生した時にはウニを採集してハンマーなどで潰すことを行います。



まとめ:ウニ漁は体力勝負だが儲かる


 高級食材のウニ漁は、陸地近くで行う沿岸漁業の中では高収入な漁業です。

 しかし、長時間に渡り潜水し続けたり、船上で前かがみで海底を見続けたりと、体力勝負な仕事になります。

 漁師の仕事は、サラリーマンのように固定給ではなく、漁獲量によって収入が増減してしまうので、体力と技術が求められる仕事です。